目的
Zabbix 5.0 がリリースされました。新機能については公式のリリースノートがありますのでそちらをご覧ください。
Zabbix 5.0では、特にUIデザインでの変更が多かったので、
Zabbix 4.0 からの変更点のクイックリファレンスをお送りします。
機種転換訓練の参考になれば幸いです。
メニュー
Zabbix 4.4まではメニューは上段を横に並んでいましたが
Zabbix 5.0では左サイドに縦に並ぶようになりました。
監視データ
ウィジェット
Zabbix 5.0では新しく「グラフのプロトタイプ」をウィジェットとして追加できるようになりました。
障害一覧
フィルターの自由度が高まり使いやすくなりました。
表示する深刻度
Zabbix 4.0では最小の深刻度を選択し、それよりも深刻度が高い障害を表示する方式でした。
Zabbix 5.0ではチェックボックスで任意の深刻度を選んで表示する事ができるようになりました。
障害時の最新データ
Zabbix4.0 では「最新の値を表示」というメニューでしたが
Zabbix 5.0では運用データの表示メニューになりました。
運用データはトリガー名とは別にマクロなどを使って表現できる監視データ表現です。
ホスト一覧
Zabbix 5.0 では新しく「ホスト」メニューが追加されました。
ホスト一覧からはホスト毎の障害数やグラフ一覧スクリーン一覧に簡単に遷移できるようになりました。
グラフリンクからはそのホストに設定されたグラフを一覧表示できます。
Zabbix 4.0ではWEB監視は別メニューとして独立していましたが。
Zabbix 5.0ではWEB監視はホスト設定の一部になりました。
監査ログ
Zabbix 5.0では検索する際にリソースIDを利用できるようになりました。
設定
設定機能はZabbix5.0 では多くの改善があります。
アイテム設定
Zabbix 5.0ではアイテムを作成する前にアイテムのテストを実施できるようになりました。
また、値の前処理でもテストが使えるようになりました。
値の前処理では処理毎でも、全体を通してでもテストが実施できます。
さらにダミーデータを入力する方法でも実際に値を取得して評価する方法でもテストができるので、テキスト形式やJSON形式の戻り値から数値を取り出す処理を的確に作成できるようになりました。
個別テスト
値欄に値を入力することでダミーデータを使って処理結果を確認できます。
全てのテスト
全てのテストをクリックすると多段処理の結果を確認できます。
「ホストから値を取得」にチェックを入れるとダミーデータでは無く実際に監視対象から値を取得して処理結果を確認することができます。
トリガー設定
トリガー設定に新たに「運用データ」項目が追加されました。
障害時の最新データで紹介した通りトリガー名とは別に障害発生時に表示することができる任意の文字列が設定できるようになりました。
障害名から閾値や測定値の値を運用データに切り出すことによって、障害一覧で値を表示しながら障害名の同一性は維持することで、外部のチケット管理システム等で障害発生頻度の統計処理をする際に簡単にグルーピングができるようになりました。
アクション設定
イベントソース
Zabbix5.0ではイベントソースの選択は左上になりました。
メンテナンス設定
Zabbix 4.4までは、メンテナンス期間中の通知を抑止するために
「メンテナンス期間中=いいえ」という条件を追加していました。
Zabbix5.0では「メンテナンス中の場合に実行を保留」というチェックボックスになったことで、設定がより直感的になりました。
実行内容
Zabbix4.4 までは、障害時、復旧時、更新時それぞれの動作を画面を切り替えて設定する必要がありましたが
Zabbix5.0では障害時、復旧時、更新時の動作内容が1画面にまとめて表示されるようになったことで、アクションの全体像が把握しやすくなっています。
管理
管理機能ではいくつかの新機能が追加されました。
認証
Zabbix 5.0ではSAML認証に対応しました。これで最近のSaaSサービスと同じように
IDaaSによってアクセス管理を行う事が出来るようになりました。
メディアタイプ
Zabbix 5.0ではSlackなど多くのチャットツール、チケットツールに対応しテンプレートが追加されました。
これでCatOpsやSaaS連携が簡単にできるようになりました。
まとめ
Zabbix 5.0はメニュー配置が変わったため、大きく変化したように感じますが基本的な機能はこれまでと変わっていません。
これまでもZabbixの知識がそのまま使えます。
そして、設定の一覧性やプルダウンからチェックボックスへの変更により
さらにわかりやすく、素早く設定を行えるようになりました。
Zabbix5.0はChatOpsやSAML連携など最近のクラウドツールの流れを汲んだメジャーバージョンとなります。
ぜひ安心してアップデートをしてみましょう。
参考リンク
本当はすごいZabbix ダッシュボードのグラフウィジェット
Zabbix 5.0 対応 Amazon Linux / Amazon Linux 2 でのZabbix Server自動構築