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Power Automate Desktop (PAD)を使用した法定研修受講情報通知システム

Last updated at Posted at 2024-09-10

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Power Automate Desktop (PAD) を使用した介護保険施設における研修受講状況の自動通知システム

このシステムは、Power Automate Desktopを活用して法定研修の受講情報を自動的に通知します。指定のCSVファイルから受講状況を読み取り、従業員ごとに適切な通知を送信します。これにより、手動作業の手間を省き、管理の効率化を図ることができます。この記事では、システムの構築手順と運用方法について具体的に解説します。


介護保険サービスの施設では、年間で12項目の法定研修が必須とされています。しかし、研修資料の作成や研修会の開催には時間と手間がかかり、受講状況には店舗ごとのばらつきが見られます。さらに、受講状況を確認するには特定のアカウントが必要で、店舗間での情報共有が容易ではありませんでした。特定のアカウントを増やすことが可能ですが、コスト面で困難という問題があります。

下記の図は、1年間の受講スケジュールのイメージです。

Neutral Flowchart Template (1).png

これらの課題を解決するために、Power Automate Desktop (PAD) を導入しました。PADを活用し、手作業で行っていた研修受講状況の確認と情報発信のプロセスを自動化することで、業務効率化を実現しました。本記事では、PADを使用して研修受講状況を自動的に取得し、通知するフローについて紹介します。


Power Automate Desktop を使用したアクションフローの解説

以下は、Power Automate Desktop (PAD) を使用して、研修受講状況を自動的に確認・通知するためのアクションフローの手順です。個人情報は含めずに解説します。

名称未設定のデザイン (1).gif

動画はアクションの動きがわかる見本となっております
(後半、個人情報の関係でお見せできない箇所が多いです)


1. Microsoft Edgeを起動

PADの最初のステップとして、Microsoft Edgeブラウザを起動します。ここでは、介護施設の研修受講状況を確認できる専用サイト(例:研修管理システム)のURLに自動でアクセスします。


2. ログイン情報を入力

次に、ログイン画面にあるテキストフィールドへアカウントIDとパスワードを入力します。このIDとパスワードは、特定のアカウントにのみ有効です。個人情報に該当するため、この記事では具体的な数値は記載しませんが、PADでは変数を使ってこれらの情報をセキュアに管理します。


3. ログインボタンをクリック

ログイン情報が入力されたら、ログインボタンを自動的にクリックします。この一連の動作で、手作業による入力を排除し、作業の効率化を実現します。


image.png

1~3のアクションフローとなります。


4. 研修受講状況の確認リンクをクリック

ログイン後、研修受講状況のページへ自動で移動するため、該当するリンク(例:「研修受講状況」や「受講データ」など)をクリックします。


5. CSVダウンロード

ページに移動した後、「受講状況CSV」などのボタンをクリックし、研修受講状況データが含まれるCSVファイルをダウンロードします。このデータは後ほど自動で整理され、必要な担当者に通知されます。


6. ダウンロードしたファイルを取得

ダウンロードされたファイルは、指定されたフォルダ(例:C:\Users\ダウンロードフォルダ)から取得されます。最新のCSVファイルがリストとして変数に保存され、自動処理されます。

image.png

4~6のアクションフローになります。アクションフロー12の後、サブウィンドウのクリックがUI要素だけではうまくいかなかったため、画面の座標を設定して実行できるようにしました。


7. Outlookを起動してメール送信

最後に、Outlookを起動し、ダウンロードしたCSVファイルを添付して事前に設定したメールアドレスへ送信します。このフローにより、手動で行っていた確認作業を大幅に削減し、各店舗の受講状況を通知する仕組みが完成します。
メール送信のアクションは下記の画像をご参照ください。


image.png

同僚からのフィードバック


完成した機能を使ってもらい感想をもらいました。
ご協力いただいたのは、管理者のIさんとSさん

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抽出された課題をどうするか

上記のようなご意見をいただきました。
名前に関しては他社のコンテンツに該当するため、名前ではなく社員番号で管理しています。そのため、データ送信後も社員番号を確認する作業が発生するという課題が見つかりました。この課題については、ダウンロードしたCSVデータと私が管理しているデータを組み合わせて加工すれば、解決できるかもしれません。
進捗管理のデータに対して色付けや列の幅を調整できるかどうかも確認してみる必要があります。ChatGPTに相談しながらトライしてみたいと思います。

初心者でも形にできました

加工していないCSVデータは自動で送信することができました。
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このように、Power Automate Desktopを使用することで、介護施設の研修受講状況の確認と共有を自動化し、特定の人しか確認できなかった情報を簡単に発信できるようになりました。今後は、毎月の決まった日付でアクションを実行する機能も追加していきたいと思います。記事を読んでいただき、ありがとうございます。


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修行は続く...


【2024.9.15追記】


このままのアクションでは実用には程遠いため、いくつか機能を追加してみました。

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研修の受講状況を毎日メールで送付すると迷惑になるため、定期的に送信する形に変更しました。(10日、20日、30日)
また、ダウンロードしたCSVデータは個人情報の関係で社員番号管理となっているため、こちらで保有しているExcelデータと結合して送信するフローを組んでみましたが、結合がうまくいかず作業を終了しています。
メールの配信に関しては問題なく動いているので、修正を加えていきたいと思います。

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