はじめに
この記事は Typst Advent Calendar 2025 4日目の記事です。
本記事は技術記事ではないので気楽に読んでくださると助かります。
今回、Typstでエネルギー準位図(化学)を書くためのパッケージを作成し、公開しました。
パッケージの実装詳細や使い方に関する記事は、アドベントカレンダー後半で公開する予定なので少々お待ちください。
この記事では、技術的な話ではなく、
「作ったパッケージをどこで宣伝したのか」
「宣伝した結果、どのような反応があり、発展したのか」
という、体験記をお届けします。
まだ、Typstはパッケージが少ない現状、多くの人が多様なパッケージを作成、公開することが利便性向上につながると思うので、この記事(と後日公開の記事)をきっかけに作成して公開してくださると嬉しいです。
1. 情報収集
そもそも、このアドベントカレンダーに参加するために何か作ろうかなーと考えたことがきっかけですが、私自身初めてプログラムを公開するということもあり、誰にも使ってもらえないのは悲しいと思い、投稿後の宣伝場所を探していました。
そこでコミュニティーを探した結果、以下の2つが見つかりました。
Typst 日本語コミュニティーくみはんくらぶ
Typst 公式DiscordサーバーTypst Discord サーバー
本記事ではTypst 公式Discordサーバーでの宣伝とその結果について書きます。
2. Typst公式Discord「Showcase」への投稿
Typstには公式のDiscordサーバーがあり、活発に議論が行われています。
その中に #showcase という、自分の成果物を自慢できるチャンネルがあります。
そこに以下のような投稿を作成しました。
Draw beautiful atomic orbitals, molecular orbitals, and band structures energy diagram with less effort. You can visualize energy levels and electron configurations with support for degeneracy, and spin states.
Feel free to open issues or submit pull requests.
慣れない英語での投稿でしたが、パッケージのGitHubリンクと簡単な紹介文を投稿しました。
3. 反響
投稿してすぐに、いくつかのスタンプ(リアクション)がつきました。今のところ30個くらいいいねがついていてとても嬉しいです。
「見てもらえている」と実感できただけで嬉しかったのですが、その後、スレッドで具体的な返信が来ました。
Slight critique, usually electrons are represented with a half arrow/harpoon/barb (with a full arrow denoting a pair)
この問題について、そもそも化学の常識(エネルギー準位図の電子は片羽矢印使う)を知らなかった自分に教科書等を調べるなど非常に優しく丁寧に議論して、どのようなプログラムにすべきかを建設的に議論できました。
このようにTypstコミュニティーの住人は優しいので初めてで緊張していた自分でも非常に助かりました。
4. 急展開
さらにやり取りを続けていると、あるユーザーからこんなメッセージが届きました。
this looks really nice!
そして、Discordでフレンド申請が行われており、見てみるとTypsium という化学系パッケージのコミュニティがあるけど参加しないか、テスト等を作っていなそうだからそこらへんを中心に手伝えることが多いと思うという内容のメッセージを送ってくださっていました。
当然、私は初めてプログラムを公開するのですから何だかさっぱり分かりません。しかし、かなりの長文で丁寧に教えてくださり、助かりました。
(初めてのパッケージだから、自分のレポジトリに置いておきたいけど、自分だけで発展させられる気はしないから決断をちょっと待ってほしいという、訳の分からない願いもやししく受け入れてくれました笑)
最終的にOwnerとしてTypsiumに参加して協力しながら継続的に開発することにしました!!
現在、先ほど指摘された問題含め、共同でアップデートを考えているところです。
5. まとめ
この記事を見てくださった方は、ぜひパッケージを作成してTypst Universeに公開してください!!ニッチなパッケージがまだまだ足りていないので作成して便利にしていきましょう。(特に化学のパッケージは私が喜びます)
そして、Typstパッケージを作成した方は、ぜひ公式Discordサーバーの**#showcase**での宣伝を行ってみてください。
宣伝
以下のパッケージが今回作成したものです。かなり簡単にエネルギー準位図が書けるものとなっています。
- 軌道準位の描画
- 電子の描画(スピン対応)
- 分子軌道を書く際の点線リンク機能
- 軌道のラベリング
などができます
今後のアップデートの予定として、電子繊維を矢印で表したり、軌道に色をつけてHOMO、LUMOをわかりやすくする機能などを考えています。Contributeは大歓迎です。よろしくお願いします。
