IPAフォントとは、一般社団法人「文字情報技術促進協議会」が公開している無料の日本語フォントです。
Windowsアプリを Visual Studio で開発する場合、ほぼ使う機会はありませんが、海外製のライブラリ(特にPythonのライブラリ)でたまに使う場合があります。
そこで、忘備録を兼ねて、IPAフォントに関する概要と、ダウンロード方法、使い方を記載しておきます。
IPAフォントのラインアップ
2022年5月時点において、IPAには以下の6種類のフォントが用意されていました。
IPAexは最近登場したフォントであり、1つのフォントの中で和文は固定文字、欧文はプロポーショナルという、異なったフォント幅が使われているのが特徴です。
ダウンロード方法
ダウンロード方法は公式サイトから行います。
IPAexフォントのダウンロード
公式サイトには、IPAex明朝とIPAexゴシックのフォントファイル(TTFファイル)の両方がまとめて入ったZIPファイルと、それぞれフォント毎のZIPファイルが用意されています。
IPAフォントのダウンロード場所
公式サイトには、IPA明朝の固定幅とプロポーショナル、IPAゴシックの固定幅とプロポーショナルの4種類が1つにまとめられたZIPファイルと、それぞれのフォント毎のZIPファイルが用意されています。
TTCファイルは複数のTTFファイルを格納するためのフォーマットなので、こちらを使ってもOKです。
ダウンロードしたZIPファイル解凍後のフォルダ構造
下記は、ダウンロードしたZIPファイルを解凍した際のフォルダ構造の例です。
インストール方法と使い方
WindowsアプリやVisual Studio等の開発環境でフォントを使いたい場合と、海外製のライブラリにフォントを直接指定する場合とで2通りのやり方があります。
WindowsアプリやVisual Studio等の開発環境で使う場合
解凍したTTFファイルをダブルクリックすると、フォントのサンプルが表示されます。
ここで「インストール」をクリックすると、Windowsにフォントがインストールされます。
インストールが完了すると、ワードやエクセルのフォントから選択することが可能になります。
海外製のライブラリにフォントを直接指定する場合
主にPythonのライブラリで、日本語フォントを指定する必要があるケースですが、ZIPファイルを任意のフォルダに解凍し、TTFファイルのフルパスをライブラリの引数に指定します。
#ライブラリの引数にフォントパスを指定するサンプル
wordcloud = WordCloud(
background_color=self.background_color, # 背景色
font_path='D:/IPAexfont00401/ipaexm.ttf', # フォントのパス
width=self.width, # 画像の横ピクセル数
height=self.width, # 画像の縦ピクセル数
min_font_size=self.min_font_size # 最小のフォントサイズ
)
Windowsの場合、フォントは C:\Windows\Fonts というフォルダに全て格納されていますが、インストールしたフォントは別のフォルダに格納され、ここにはリンクのみ表示される仕様になっています。
フォントを一旦インストールしてから、インストール先のPathをライブラリの引数に渡したい場合、フォントが実際に置かれているpathを指定しなければなりません。
Windowsの場合は下記に格納されていますので、ここを指定します。
C:\Users\(ユーザ名)\AppData\Local\Microsoft\Windows\Fonts
各種IPAフォントのサンプルイメージ
参考として公開されているIPAフォントのフォントイメージを掲載しておきます。
まとめ
ワードやエクセルなどのアプリケーションでIPAフォントを使うケースは稀ですが、プログラム開発や海外製ツールを利用する場合、時折IPAフォントのお世話になることが有ります。
今後、Windows標準のフォントが利用できず、何らかの日本語フォントが必要になった際は、この記事を思い出してください。