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Googleトレンドを使いこなそう その3

Last updated at Posted at 2019-06-24

はじめに

前回、超入門の「google-trends-api」の使い方をやりました。
今回は、Googleトレンドからの超簡単因果システムを構築していきたいと思います。

さて因果とは、簡単に説明すると「原因と結果」を表します。仏教教義の「因果法則」として数千年の歴史のある言葉です。
学問として因果ループなどの研究者が枚挙に暇がありません。初めから学び始めるにしても、人類の「知の産物」として膨大な体系が横たわっていて、迷宮のパラドックスに迷い込みがちです。
考えるに因果を別の角度から見直すという出発はいつでも実は可能ではないでしょうか?

「木を見て森を見ず」(You cannot see the wood for the trees.)ということわざがあります。
つい木に見とれてしまい、全体の森という存在をないがしろにしてしまうたとえがあります。
結果ばかりに見とれ、原因を無視しがちです。
いえいえ、180度考え方を変え、思い切って、結果原因を捨てましょう。
ここから始めます。

因果関係とシャドーエレメント

まったくツールのないのもさびしいので、必要最低限のツールを定義します。

ツール 使い方 記号
分解(analysis) 情報を要素に分解する ∨ (または)
統合(synthesis) 情報を統合する ∧ (および)
廃棄(disposal) 情報を廃棄する ¬ (かぎ)

前回の検索結果、これがインプットです。
カンマの左が検索クエリ、右がvalueです。

相撲 結果,100
相撲 場所,29
相撲 協会,26
相撲 の 結果,22
相撲 部屋,20
相撲 速報,18
今日 の 相撲,17
大相撲,16
日本 相撲 協会,15
相撲 結果 今日,14
相撲 今日 の 結果,14
トランプ 相撲,14
相撲 トランプ,13
今日 の 相撲 の 結果,13
相撲 力士,12
トランプ,12
相撲 チケット,11
相撲 取り,11
相撲 動画,11
相撲 番付,10
相撲 優勝,9
相撲 夏 場所,9
お 相撲 さん,9
相撲 大会,9
相撲 ニュース,8

これをでザックリと要素分解します。
とりあえずは、Excelなどのスプレッドシートに貼付け分解します。
2019-06-14-15-42-00.png

助詞(の、お)とさんは廃棄(¬)、同じ要素は統合(∧)、単独要素は分解(∨)します。
それぞれのvalueは足しあげます。

要素 value ツール 要素 value和
9
さん 9
チケット 11 チケット 11
トランプ 14 トランプ 39
トランプ 13
トランプ 12
ニュース 8 ニュース 8
29
29
14
13
13
9 9
協会 29 協会 44
協会 15
結果 100 結果 170
結果 29
結果 14
結果 14
結果 13
今日 29 今日 70
今日 14
今日 14
今日 13
取り 11 取り 11
場所 29 場所 38
場所 9
相撲 100 相撲 458
相撲 29
相撲 29
相撲 29
相撲 29
相撲 29
相撲 29
相撲 15
相撲 14
相撲 14
相撲 14
相撲 13
相撲 13
相撲 12
相撲 11
相撲 11
相撲 11
相撲 11
相撲 10
相撲 9
相撲 9
相撲 9
相撲 8
速報 29 速報 29
大会 9 大会 9
大相撲 29 大相撲 29
動画 11 動画 11
日本 15 日本 15
番付 11 番付 11
部屋 29 部屋 29
優勝 10 優勝 10
力士 12 力士 12

結果は以下のようになります。(value和の降順)
これは検索クエリのvalueの各要素の集合和になります。

要素 value和
相撲 458
結果 170
今日 70
協会 44
トランプ 39
場所 38
速報 29
大相撲 29
部屋 29
日本 15
力士 12
チケット 11
取り 11
動画 11
番付 11
優勝 10
9
大会 9
ニュース 8

ここまでは単純作業です。
この要素とvalue和をどう見るのか?
実は、この要素には見えない、要素がいくつも隠れています。(shadow element)
これが、cannot see the woodです。

森は季節によってその姿を変えます。
春は蕾が一斉に咲き誇り、夏は緑鮮やかに輝き、秋は真っ赤に染まり、そして冬には葉を大地の養分として循環します。

前回のその2で期間を指定していました。
このvalue和は2019-01-01~2019-10-01を足しあげした結果です。
相撲には本場所と巡業という場所に違いがあります。
上記の検索クエリには、この考慮がありません。

■ 平成31年・令和元年本場所日程

場所 会場 初日 千秋楽
一月場所 国技館 平成31年1月13日(日) 平成31年1月27日(日)
三月場所 エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館) 平成31年3月10日(日) 平成31年3月24日
五月場所 国技館 令和元年5月12日(日) 令和元年5月26日(日)
七月場所 ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館) 令和元年7月7日(日) 令和元年7月21日(日)
九月場所 国技館 令和元年9月8日(日) 令和元年9月22日(日)
十一月場所 福岡国際センター 令和元年11月10日(日) 令和元年11月24日(日)

本場所前と本場所中、本場所後という期間を考慮してみましょう。
現在(2019-06-17)時点では、五月場所まで終了していますが、とりあえず一月場所に絞りましょう。

■ 一月場所の検索クエリ(相撲と結果に焦点)

クエリ 場所前 場所中 場所後
/ 2018/12/29
~2019/01/12
2019/01/13
~2019/1/27
2019/1/28
~2019/2/11
相撲 415 274 400
結果 0 148 33

2019-06-24-14-50-00.png

あきらかに「相撲の関連キーワード結果は、本場所中に上昇する」という因果関係を導くことができます。
これから、下記のような関係を導けます。

2019-06-24-15-30-00.png

どうです、少しトレンドに興味が湧いてきませんか?

まとめ

難しい因果関係のルールを使用ぜすとも、検索トレンドから因果関係を導く方法の体験を感じてもらえれば幸いです。
このシャドーエレメントの設定で、いかようにも因果関係が流動的に変化します。
的確なシャドーエレメントを設定することで、ある事象の関係性に因果関係を導けます。
注意点として、相関関係と因果関係は別もんです。
このあたり深堀すると迷宮に迷い込みます。
Googleはこれを利用して、ビジネスを生み出す「飯の種」にしています。

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