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Model Context Protocol (MCP) で活用できる実用的な公式統合サービスの機能まとめ

Last updated at Posted at 2025-05-03

はじめに

Model Context Protocol (MCP) は、大規模言語モデル(LLM)が外部ツールやデータソースと連携するための統一プロトコルです。この記事では、開発者が実際のプロジェクトで活用できる主要なMCP公式統合サービスに関して、自分の実装上調べたことを記事に残しています。

MCPとは

MCPは、LLMがデータベース、API、ファイルシステムなどの外部リソースにアクセスするための標準化されたインターフェースを提供します。これにより、AIエージェントはコンテキスト内で様々なツールを利用し、より高度なタスクを実行できるようになります。

主要なMCP公式統合サービス

データベースと検索系

MongoDB

- 提供機能: ドキュメントデータベース操作、MongoDB AtlasとCommunity Serverの両方をサポート
- ユースケース: 非構造化データ管理、柔軟なスキーマが必要なアプリケーション
- 特徴: JSON形式でのデータ操作、スケーラビリティの高さ

PostgreSQL (MCP Toolbox for Databases)

- 提供機能: テーブルメタデータ取得、クエリ実行、結果セット処理
- ユースケース: トランザクション処理、複雑なクエリが必要なビジネスアプリケーション
- 特徴: 堅牢なリレーショナルデータベース機能、安全なアクセス

Redis

- 提供機能: キー値ストア操作、複合データ型処理、パブサブ機能
- ユースケース: キャッシュ、セッション管理、リアルタイムデータ処理
- 特徴: 高速なデータアクセス、シンプルな操作インターフェース

Elasticsearch

- 提供機能: 全文検索、データクエリと分析
- ユースケース: ログ分析、ドキュメント検索、コンテンツインデクシング
- 特徴: 複雑な検索クエリと大規模データセットの処理

ベクトルデータベースとRAG

Chroma

- 提供機能: 埋め込み、ベクトル検索、ドキュメント保存、全文検索
- ユースケース: RAG(検索拡張生成)システム、セマンティック検索
- 特徴: AIアプリケーション向けに最適化されたデータベース

Pinecone

- 提供機能: ベクトルデータベース操作、類似性検索
- ユースケース: レコメンデーションシステム、コンテンツ検索
- 特徴: スケーラブルなベクトル検索、効率的な埋め込み管理

コード管理と開発ツール

GitHub

- 提供機能: リポジトリ管理、コード検索、イシュー/PR管理
- ユースケース: ソフトウェア開発プロジェクト、チーム協業
- 特徴: 包括的なコード管理とコラボレーション機能

CircleCI

- 提供機能: ビルド失敗修正支援、CI/CD管理
- ユースケース: 継続的インテグレーション/デリバリー
- 特徴: AIによるビルド問題の解決サポート

Heroku

- 提供機能: アプリ、アドオン、Dyno、データベース管理
- ユースケース: Webアプリケーションのデプロイと管理
- 特徴: シンプルなデプロイフロー、スケーラブルなホスティング

検索とウェブ操作

Brave Search

- 提供機能: 一般クエリ、ニュース検索、ローカルビジネス検索
- ユースケース: ウェブ情報の取得、現在の情報へのアクセス
- 特徴: プライバシー重視の検索エンジン

Tavily

- 提供機能: AIエージェント向け検索と抽出機能
- ユースケース: コンテキスト対応の情報検索
- 特徴: AIアプリケーション向けに最適化された検索

Browserbase

- 提供機能: ブラウザ操作自動化、ウェブナビゲーション、データ抽出
- ユースケース: ウェブスクレイピング、フォーム自動入力
- 特徴: クラウドベースのブラウザ自動化

ビジネスツールと生産性

Notion

- 提供機能: Notion APIを実装したMCPサーバー
- ユースケース: ドキュメント管理、ナレッジベース
- 特徴: 柔軟なコンテンツ構造、チーム協業機能

Slack

- 提供機能: メッセージング、チャンネル管理、ユーザー情報取得
- ユースケース: チームコミュニケーション、ワークフロー自動化
- 特徴: リアルタイムメッセージング、豊富な連携機能

Zapier

- 提供機能: 8,000以上のアプリへのAIエージェント接続
- ユースケース: サービス間の自動化、ワークフロー統合
- 特徴: ノーコードでの幅広いサービス連携

決済と財務

Stripe

- 提供機能: 支払い処理、顧客管理、サブスクリプション処理
- ユースケース: Eコマース、オンライン決済
- 特徴: 包括的な決済APIとビジネスツール

PayPal

- 提供機能: 決済処理、送金機能
- ユースケース: オンライン決済、国際送金
- 特徴: 世界中で利用される決済プラットフォーム

MCP統合サービスの実装方法

MCPサーバーを利用するための基本的な実装例を紹介します:

# MCP対応AIエージェントでの一般的な実装例
from mcp_client import MCPClient

# MCPクライアントの初期化
client = MCPClient()

# 使用したいMCPサーバーを登録
client.register_server("github", "https://mcp.github.com")
client.register_server("mongodb", "https://mcp.mongodb.com")
client.register_server("stripe", "https://mcp.stripe.com")

# 登録したサーバーのツールをエージェントに提供
agent = AIAgent(tools=client.get_tools())

# エージェントの実行
response = agent.run("GitHubリポジトリを検索して、売上データをMongoDBに保存し、Stripeで決済処理を行ってください")

効果的な連携パターン

MCP統合サービスは、組み合わせることでより強力な機能を実現できます。以下に代表的な連携パターンを紹介します:

1. 開発ワークフロー自動化

GitHub + CircleCI + Slack を組み合わせることで、コード変更からテスト、デプロイ、通知までの一連の流れを自動化できます。

GitHub: コード変更の検知とPR管理
CircleCI: 自動テストとビルド
Slack: ビルド結果の通知と問題対応

2. インテリジェント情報検索

Brave Search/Tavily + Chroma/Pinecone の組み合わせにより、高度なRAG(検索拡張生成)システムを構築できます。

Brave Search/Tavily: 最新情報の取得
Chroma/Pinecone: 情報の埋め込みと意味検索

3. ビジネスプロセス統合

Notion + Zapier + Stripe の連携により、ドキュメント管理から課金処理までを自動化できます。

Notion: 顧客情報と商品情報の管理
Zapier: 各サービス間のデータ連携
Stripe: 決済処理と請求管理

実装時の注意点

MCP統合サービスを利用する際の主な注意点は以下の通りです:

  1. 認証要件: ほとんどのサービスはAPIキーなどの認証情報が必要です
  2. レート制限: APIの呼び出し回数に制限がある場合があります
  3. エラーハンドリング: 外部サービスの障害に対する対応を考慮する必要があります
  4. データセキュリティ: 機密データの取り扱いには十分な注意が必要です
  5. 依存関係管理: サードパーティAPIの仕様変更に影響を受ける可能性があります

参考リンク


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