はじめに
LINEが提供する「LINE Bot MCP サーバー」は、Model Context Protocol (MCP) を実装したサーバーであり、LINE Messaging API と AI エージェントを連携させるための重要な橋渡し役となります。この記事は、私が各種MCPサーバーの機能に関して調べていく際の参照先として記事に残すことを目的として書きます。
LINE Bot MCP サーバーとは?
LINE Bot MCP サーバーは、Claude や GPT などの AI モデルを LINE の公式アカウントと連携させるためのサーバーです。MCPとは Model Context Protocol の略で、AI モデルとチャットアプリなどのインターフェースをつなぐための標準化プロトコルです。
GitHub リポジトリ: line/line-bot-mcp-server
主要機能
1. 個別ユーザーへのメッセージ送信
LINE Bot MCP サーバーでは、特定のユーザーに対して以下の2種類のメッセージを送信することができます:
テキストメッセージ
- 最大5000文字までのプレーンテキスト
- シンプルで素早く送信可能
Flexメッセージ
- カスタマイズ可能なリッチメディアメッセージ
- 画像、ボタン、カルーセルなど多彩な表現が可能
- 高度なレイアウト設定が可能
2. フォロワー全員へのブロードキャスト
LINE公式アカウントのフォロワー全員に一斉にメッセージを送ることも可能です:
- ブロードキャストテキストメッセージ: 全フォロワーへのテキスト送信
- ブロードキャストFlexメッセージ: 全フォロワーへのリッチコンテンツ送信
3. ユーザープロファイル情報の取得
ユーザーに関する以下の情報を取得できます:
- 表示名
- プロファイル画像URL
- ステータスメッセージ
- 言語設定
Flexメッセージの詳細
Flexメッセージには2つの主要なコンテナタイプがあります:
-
バブルコンテナ:
- 単一のメッセージユニット
- ヘッダー、ヒーロー画像、ボディ、フッターの構成
-
カルーセルコンテナ:
- 複数のバブルを横スクロールできる形式
- 関連コンテンツをまとめて表示可能
これらのコンテナ内に様々なコンポーネントを組み合わせて、高度にカスタマイズされたメッセージを作成できます。
AIエージェントとの連携
LINE Bot MCP サーバーの大きな特徴は、Claude Desktop や Cline などの AI エージェントと連携できる点です。これにより:
- AIによる自然な対話を LINE 上で実現
- ユーザーからの質問に AI が回答
- 予約受付や情報提供などの自動化
実装方法
必要条件
- Node.js v20 以上
- LINE 公式アカウント
- Messaging API の有効化
- チャネルアクセストークン
セットアップ手順
# リポジトリのクローン
git clone https://github.com/line/line-bot-mcp-server.git
# 依存パッケージのインストール
npm install
# 設定
# .env ファイルを作成し、LINE_CHANNEL_ACCESS_TOKEN を設定
# サーバー起動
npm start
注意点
- 現在はプレビュー版として提供されており、機能や仕様は変更される可能性があります
- 商用利用の前に適切なテストと検証を行ってください
- LINE公式アカウントの利用規約に従って実装する必要があります