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Apacheにsecretを設定して、安全にTomcatとAJP通信する

Last updated at Posted at 2020-05-09

結論

以下のように設定すると、secretを使ってApache HTTP Server(Apache)とTomcatを通信させることができます。

  • Apacheの設定
httpd.conf
ProxyPass / ajp://tomcat:8009/ secret=YOUR_PASSWORD
ProxyPassReverse / ajp://tomcat:8009/ secret=YOUR_PASSWORD

httpd.conf内で読み込んでいる、他のconfファイルに記述しても問題ありません。

  • Tomcatの設定
server.xml
<Connector protocol="AJP/1.3"
			address="0.0.0.0"
			port="8009"
			redirectPort="8443"
			secret="YOUR_PASSWORD" />

addressはTomcatへのリクエストを許可する接続元IPです。デフォルトでは同一マシンからのアクセスのみ許可されています。0.0.0.0はすべてのホストからのアクセスを許可するという意味です。

はじめに

CVE-2020-1938の発覚により、Tomcat9では9.0.31以降からAJPでの通信をするためにはTomcat側で初期設定が必要となりました。

一般にHTTPよりもAJPで通信するほうが高速である(参考:Tomcatハンドブック)ため、AJPを使い続けたいという考えはあると思います。信頼できないAJP通信を防ぐことができれば良いので、AJPを安全に使い続ける手段はいくつか考えられます。

  • AJPコネクタへの接続元IPを限定する
  • アクセス制限はファイアウォール等の別ソフトに任せる
  • AJPコネクタにsecretを設定する(Apache 2.4.42以降のみ)

接続元IPを限定するのは、やや面倒です。基本的に固定値で設定することになるため、リバースプロキシのIPアドレスが変わると設定し直すことになります。リバースプロキシとTomcatが常に同一マシン上にあるならば127.0.0.1を設定すればよいのですが、サービス同士の結合を疎にするために別ホストで動かしたい場合もあるでしょう。
ファイアウォール等を利用するという手段も、ApacheとTomcatで完結しなくなってしまうので面倒です。

そこで本記事では、接続元IPは制限せずTomcatのAJPコネクタにsecretを設定することで、AJPを安全に使用する方法を紹介します。

環境

  • CentOS Linux release 7.8.2003
  • Apache HTTP Server 2.4.43
  • Apache Tomcat 9.0.34

設定

1.Apacheのmod_proxyモジュールとmod_ajpモジュールを使えるようにする

/etc/httpd/conf.modules.d/00-proxy.confの以下2モジュールが有効であることを確認します。
デフォルトで外れていると思いますが、もし先頭に#がついていたら外してください。

00-proxy.conf
LoadModule proxy_module modules/mod_proxy.so
LoadModule proxy_ajp_module modules/mod_proxy_ajp.so

2. ApacheのProxyPassProxyPassReverseディレクティブにsecretを設定する

httpd.confを直接編集してもよいですが、基本的に独自設定はconf.d/以下にconfファイルを作成して配置するのが安全です。(conf/httpd.confconf.d/*.confを読み込むという設定があります。)
proxy.confというファイルを作り、受け取ったリクエストをすべてTomcatに流すようにします。

# cd /etc/httpd/conf.d
# vi proxy.conf 
proxy.conf
ProxyPass / ajp://tomcat:8009/ secret=password
ProxyPassReverse / ajp://tomcat:8009/ secret=password

3. Tomcatのsever.xmlにsecret属性を設定する

同じsecretをTomcatのconf/server.xmlに設定します。また、AJPコネクタの設定はデフォルトでコメントアウトされているため、解除して有効にします。

<Connector protocol="AJP/1.3"
			address="0.0.0.0"
			port="8009"
			redirectPort="8443"
			secret="password" />

address属性を0.0.0.0とすると、すべてのホストからのリクエストを受け付けるという意味になります。しかし、secretが設定されているためsecretのないリクエストはパーミッションエラーとなります。

以上で、secretを使ったTomcatのAJP通信設定は完了です。
Apacheの80番ポートに接続して、以下のようにTomcatのトップページが表示されれば成功です。

image.png

補足

セキュリティなんて必要ない場合は、以下のようにすると手っ取り早くAJPを使えます。
当然ながら非推奨ですが、検証時には便利だと思います。

  • Apacheの設定
httpd.conf
ProxyPass / ajp://tomcat:8009/
ProxyPassReverse / ajp://tomcat:8009/
  • Tomcatの設定
server.xml
<Connector protocol="AJP/1.3"
			address="0.0.0.0"
			port="8009"
			redirectPort="8443"
			secretRequired="false" />
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