1. カプセル化（Encapsulation）

データをクラスの中に隠す仕組み
外から直接アクセスできないようにすることで、安全性が高まる

🔐 例：`__`（ダブルアンダースコア）で隠す

class BankAccount:
    def __init__(self, name, balance):
        self.name = name
        self.__balance = balance  # ← 外から直接触れない

    def deposit(self, amount):
        self.__balance += amount

    def withdraw(self, amount):
        if amount <= self.__balance:
            self.__balance -= amount
        else:
            print("残高不足です。")

    def get_balance(self):
        return self.__balance

account = BankAccount("山田", 10000)
print(account.get_balance())  # OK
# print(account.__balance)  # ← エラーになる（隠れてるため）

📌 補足

__balance は「インスタンス変数（隠されたやつ）」
それを読むための関数 get_balance() を「getter」と呼ぶ
set_balance() などの変更用関数を「setter」と呼ぶ
getter / setter は概念であって、関数名ではない！

2. クラス変数とインスタンス変数

class SchoolStudent:
    school_name = "中央高校"  # クラス変数（全員共通）

    def __init__(self, name):
        self.name = name          # インスタンス変数（1人1人異なる）
        self.scores = []

    def add_score(self, score):
        self.scores.append(score)

    def average(self):
        return sum(self.scores) / len(self.scores) if self.scores else 0

3. クラスメソッド（@classmethod）

クラス全体に対しての処理をする関数
self ではなく cls を使う

class SchoolStudent:
    student_count = 0

    def __init__(self, name):
        self.name = name
        SchoolStudent.student_count += 1

    @classmethod
    def get_student_count(cls):
        return cls.student_count

SchoolStudent("田中")
SchoolStudent("佐藤")
print(SchoolStudent.get_student_count())  # → 2

4. オブジェクト指向の4大要素

番号	名前	内容
①	カプセル化	データを隠す。安全に使えるようにする
②	継承	親クラスの機能を子が受け継ぐ
③	ポリモーフィズム	同じ関数名でも動きが変わる（例：DogとCatのspeak）
④	抽象化	本質だけを見せて、余計な中身は隠す

5. ポリモーフィズムの例

class Animal:
    def speak(self):
        print("何か鳴いている")

class Dog(Animal):
    def speak(self):
        print("ワン！")

class Cat(Animal):
    def speak(self):
        print("ニャー！")

animals = [Dog(), Cat()]
for a in animals:
    a.speak()  # クラスによって違う動作になる！

🎯 用語まとめ

用語	意味
インスタンス	クラスから作った実体（＝生徒）
クラス	設計図（＝学校）
オブジェクト	インスタンスと同じ意味
メソッド	クラス内の関数
インスタンス変数	`self.name` のように、インスタンスごとに持つ値
クラス変数	全体で共有される値（例：`school_name`）

📌 ポイント

self → 生徒（インスタンス）自身のこと
cls → 学校（クラス）全体のこと
@classmethod → 「全体で共有してる何か」にアクセスしたいとき便利
__（ダンダー） → 変数を外部から隠す（カプセル化）