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VS Codeの更新を月1回振り返る[第1回:週次リリース開始から2026年10月まで]

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はじめに

VS Code を起動すると、また更新の通知が来ています。
週次リリースで改善が早く届くのはよいのですが、今週はパッチの多さに「また更新か……」となってしまいました。
週に1回の機能更新を追うつもりでも、その後に修正が続くと、何が変わったのかを追い切れません。
リリースノートを開いてみても情報量が多く、「結局、自分の開発に関係するのはどこ?」となりがちです。

そこで、今後は月1回くらいのペースで、VS Code の変更を振り返っていこうと思います。
初回は、週次リリースが始まってからの主な変更をまとめて追いかけます。
「新機能で何ができるようになったか」と「パッチで何が直ったか」を分けて、更新が続いた理由も確認していきます。

先に大きな流れを挙げると、エージェントに仕事を頼むための画面や実行環境が広がり、並行して Markdown・差分表示・ブラウザー・日常の編集操作も改善されています。
この記事では、リリースごとの全変更を列挙するのではなく、普段の作業への影響が分かるものを選びます。

対象は2026年3月9日公開の 1.111 から、10月14日公開の 1.142 までです。
情報確認日は2026年10月16日です。公式リリースノートをもとにした整理で、各機能の実機検証レポートではありません。
Preview・Experimental などの表記や利用条件は、紹介するバージョンの公式説明に基づきます。Stable 版に含まれる機能でも、段階的な提供や設定の有効化が必要な場合があります。

どうしてこんなに更新が多いのか

実際にリリースの間隔が変わっています。
2026年3月9日の 1.111 のリリースノートには、最初の週次 Stable リリースであることが明記されています。

以前の月次リリースから週次リリースに移った背景について、開発チームは AI エージェントを実装・レビュー・検証などに活用し、改善を早く届けられるようになったと説明しています。
これは開発チームによる説明であり、個々の機能の品質を評価した結果ではありません。公式ブログ「How VS Code Builds with AI」

さらに、機能を追加するリリースの後に、パッチとして修正用の更新が出ることもあります。
更新通知の回数と、大きな新機能の数がそのまま一致するわけではないのです。

新機能・機能改善の大きな転換点

次の表は、対象期間から選んだ主な転換点です。機能の初登場と、Stable 版への収録、その後の拡充を区別しています。

時期 主な変更 作業への影響 公式ノート
3月 週次リリース開始、エージェントの権限選択、内蔵ブラウザーでのデバッグ エージェントの自律性を選び、Web アプリの確認をエディタ内で進められます 1.111、1.112
4月 Agents アプリを Insiders 向け Preview として提供 複数プロジェクトのエージェント作業を扱う専用画面が登場しました 1.115
5月 Agents ウィンドウが Stable 版にも Preview として登場 通常の編集画面と、エージェント作業を管理する画面を使い分けられます 1.120
6月 拡張機能の自動更新設定・待機時間、ワークスペース信頼の操作を変更 更新タイミングと、新しいフォルダーを開く際の挙動が変わりました 1.125、1.126
7月 Agent Host の拡充、画像・PDF 添付の一般提供 エージェントの実行基盤や、渡せる資料の幅が広がりました 1.128、1.130
8月 Markdown 編集・差分確認、Web ページ要素へのコメント 文書と画面を見ながら、具体的な箇所を確認・指摘しやすくなりました 1.132
9月 定期タスク、Dev Container 内のエージェント実行、worktree 間のフォルダー共有 繰り返し作業や開発環境の準備にもエージェント機能が広がりました 1.137、1.138、1.140
10月前半 worktree の掃除、サンドボックス、Markdown エディタの拡充 作業が増えた後の管理と、文書編集の使い勝手が改善されています 1.141、1.142

普段の開発で関係する変更

Web アプリを内蔵ブラウザーでデバッグできる

1.112 では、内蔵ブラウザーにデバッグ用の editor-browser が追加されました。
VS Code 内のページを操作しながら、ブレークポイント・ステップ実行・変数の確認を行えます。
Web アプリを実装して、その場で動きを確かめる作業に関係する変更です。1.112 の内蔵ブラウザーの変更

その後、1.132 ではページ上の要素を選択してコメントを付け、エージェントに渡せるようになりました。
「ここの配置を直して」と伝えるとき、対象の要素を指定できるのが便利そうです。1.132 のブラウザーコメント機能

Markdown は表示を確認しながら編集・レビューしやすくなった

Markdown 周辺は、期間を通して変更が積み重なっています。

バージョン 変更 使いどころ
1.120 レンダリングした Markdown の差分表示(Preview) 見出しやリストなど、表示上の変更を確認できます
1.132 ハイブリッド Markdown エディタでの差分表示(Experimental) 表示と編集を組み合わせながら差分を確認できます
1.142 Markdown エディタへの画像貼り付け、ファイルリンクの名前変更、アウトライン・パンくず表示 文書に画像を加え、見出しやリンクを扱いやすくなりました

出典:1.120、1.132、1.142

ここでの画像貼り付けなどは、VS Code の Markdown 編集機能の話です。
Qiita に画像をアップロードする機能とは別なので、記事として公開するときは画像 URL も確認します。

差分表示と、細かな編集操作も改善されている

1.137 では、通常の差分・複数ファイルの差分・Agents ウィンドウの変更一覧で、差分レイアウトの選び方がそろいました。
画像などのバイナリファイルも複数ファイルの差分一覧に残り、そこから対応する比較画面を開けます。1.137 の差分表示

1.139 では、折り返された行を示す表示や、閉じ括弧の重複挿入を避ける改善が入りました。
1.141 では、ブロックとしてコピーした文字列を、1つのカーソル位置から複数の行に分配して貼り付ける操作が加わっています。1.139、1.141

AI 関連の見出しが目立ちますが、こうした日常の編集操作にも変更があります。

AI・エージェント関連は何が変わったのか

作業を管理する画面と、実行する仕組みが広がった

Agents ウィンドウは、複数プロジェクトの作業を始めたり、結果を確認したりするための専用画面です。
1.115 で Insiders 向け Preview として紹介され、1.120 で Stable 版でも Preview として使えるようになりました。1.115、1.120

もう1つの大きな変更が Agent Host です。
これはエージェントを専用プロセスで実行する仕組みで、同じセッションを複数の VS Code ウィンドウから扱えるようにします。
harness(ハーネス) は、モデルに道具や実行手順を提供して作業を進める仕組みを指します。モデル名とは別の選択項目です。1.130 の Agent Host の説明

このため、利用できる機能を確認するときは、「VS Code のバージョン」に加えて「どの画面・harness で作業しているか」も見るようになっています。

定期タスクと、プロジェクトの開発環境への対応

1.137 では Automations(Preview) が登場しました。
決めたプロンプトを、毎時・毎日・毎週などの間隔で実行する機能で、Agents ウィンドウから扱います。
1.138 では既定で有効となり、設定のエクスポート・インポートも追加されています。1.137、1.138

また、1.138 ではローカルの Dev Container 内、1.139 では SSH・Tunnel・WSL のリモートホスト上の Dev Container 内で、エージェントを動かす対応が加わりました。
Dev Container は、プロジェクト用のツールや依存関係をコンテナーにまとめる仕組みです。
これらのエージェント実行機能は Agents ウィンドウ向けで、対応する構成と Docker が必要です。提供は段階的に行われています。1.138、1.139

並行作業の準備と、後片付けが改善された

Git worktree は、同じリポジトリの別のブランチを、別フォルダーで扱う仕組みです。
エージェントごとに作業場所を分ける際にも使われます。

1.140 の git.worktreeSymlinkFolders(Experimental)では、node_modules などの無視対象フォルダーを、新しい worktree からシンボリックリンクで共有できます。
依存関係の重複を減らせますが、共有先への書き込みも共有されるため、独立した実体が必要なフォルダーには向きません。1.140 の worktree フォルダー共有

1.141 では Chat: Open Worktree Cleanup から、使われていないエージェントセッションの worktree を確認・削除できるようになりました。
作業を並行して増やすだけでなく、使い終わった作業場所を整理する機能も増えています。1.141 の worktree 整理

10月にはチャット以外の共同作業も登場

1.142 の Canvases(Preview) では、チャットの隣に開いた画面を使い、エージェントと同じ情報を見ながら作業できます。
例として、カンバン形式のタスク管理が紹介されています。
対象はデスクトップ版の Copilot harness を使うローカルセッションで、設定の有効化と canvas 拡張が必要です。1.142 の Canvases

パッチでは何が直ったのか

ここまでの機能追加とは別に、修正のための更新も見ておきます。
直近の例として、1.141 系の公式ノートには次の2件が案内されています。

パッチ 公式に案内されている修正の種類 詳細の確認先
1.141.1 セキュリティ上の問題への対応 公式ノートから案内されている Issue 一覧
1.141.2 不具合修正 公式ノートから案内されている修正 PR 一覧

出典:1.141 のパッチ案内

機能一覧だけを読んでいると、こうした修正のための更新は見落としがちです。
同じ 1.141 系でも、セキュリティ対応と不具合修正では更新の目的が違います。気になるパッチは、公式ノートから案内される Issue や修正 PR で対象を確認します。

今後の月次まとめでは、対象期間のパッチを確認し、具体的に何が直り、どんな環境や操作に関係するのかを整理します。
更新後に起きた不具合への修正かどうかも、公式情報で確認できた場合に記載します。

更新後に挙動が変わったら確認したいこと

新機能だけでなく、既存の設定や操作が変わった点も押さえておきます。

対象 変更 確認すること 公式ノート
拡張機能の自動更新 extensions.autoUpdate が on / off に整理され、古い値は自動移行。待機時間は extensions.autoUpdateDelay で指定でき、既定は2時間 VS Code 本体の更新と、拡張機能の更新を分けて確認します 1.125
ワークスペースの信頼 新しいフォルダーは Restricted Mode で開き、信頼確認の既定がダイアログからバナーに変更 以前の確認を使う場合は security.workspace.trust.startupPrompt を once にします 1.126
チャットの Edit mode 組み込み Edit mode が廃止され、chat.editMode.hidden も削除 Agent mode またはカスタムエージェントへの移行を確認。組織ポリシーで Agent mode が無効の場合には例外があります 1.126
Linux のランチャー DEB・RPM パッケージの desktop ファイル名が変更 ピン留めが動かない場合は、古い登録を外してアプリメニューから登録し直します 1.139
エージェントのサンドボックス 1.141 で Copilot Agent Host の Windows・macOS・Linux 対応を案内。1.142 では Windows の Local harness のサンドボックス対応を終了 Windows でサンドボックスを使う場合は Agent Host と OS の前提条件を確認します 1.141、1.142

サンドボックスは、エージェントによるファイルやネットワークへのアクセスを制限する仕組みです。
同じチャット機能に見えても、Local と Agent Host で条件が異なる点が、今回の期間で特に気を付けたいところです。

次回からは月1回、何を追っていくか

毎回すべてのリリースノートを翻訳するのではなく、次の項目を軸に整理していきます。

  • 今月の主な変更:最初に3〜5件で全体をつかみます。
  • 普段の開発への影響:編集・検索・Git・ターミナル・言語サポートなどを扱います。
  • AI・エージェント関連:できることに加えて、利用できる画面や条件も添えます。
  • パッチで直ったこと:不具合修正とセキュリティ対応を分け、影響する環境や操作を確認します。
  • 注意が必要な変更:設定の移行、廃止、既定値を確認します。
  • 試してみたい機能:新機能の紹介と、実機で確認できた内容を区別します。

各回に対象期間と最初・最後のバージョンを明記して、前回の続きから追えるようにします。
今回は10月14日分までなので、次回は10月15日以降を対象にする予定です。

まとめ

  • VS Code は2026年3月の 1.111 から週次 Stable リリースになり、修正用の更新も加わっています。
  • 新機能・機能改善と、パッチによる不具合修正・セキュリティ対応を分けると、更新の目的を追いやすくなります。
  • 対象期間では、Agents ウィンドウや Agent Host を中心に、複数の作業を管理する機能が広がりました。
  • Markdown、差分表示、内蔵ブラウザー、括弧や貼り付けなど、日常の作業に関係する改善もあります。
  • 拡張機能の更新、ワークスペース信頼、Edit mode、サンドボックスは、以前との挙動の違いも確認したい部分です。
  • 今後は月1回くらいのペースで、前回から何が変わり、自分の作業にどう関係するかを振り返っていきます。

気になる変更を見つけたときは、各項目の公式ノートと、リリースノート一覧から詳しい条件を見てみましょう。

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