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ThinkPadトラックポイントキーボードのFn/Ctrlキー入れ替え方法

Last updated at Posted at 2025-06-11

概要

ThinkPadトラックポイントキーボードKU-1255 / 日本語版: 0B47208)はトラックポイントが使える貴重な有線USBキーボードとして人気の機種である。Thinkpadの伝統を引き継ぎ、左下の位置にCtrlではなくFnキーが配置されている。

thinkpad-trackpoint-keyboard-min.jpg

この配置は現代の多くのキーボードとは異なるため、ノートPCとしてのThinkpadにはBIOSを用いたFn/Ctrl入れ替え機能が標準装備されている。一方で、この外付けUSBキーボードには同様の手段が公式には提供されていない。そしてFnキーは特殊キーであり、PC側には押下情報が送出されないため、PC側からFnキーをリマップすることも出来ない。したがって、キーボードのファームウェア自体を書き換えることが必須となる。

ku1255-firmware-modifierは、このKU-1255シリーズのファームウェアを簡単に書き換え、キーリマップ等を行うためのソフトウェアである。この記事では、ku1255-firmware-modifierを使って、キーボード内部のファームウェアを書き換えてFn/Ctrlキーを入れ替える方法を説明する。

なお、以下の内容は無線タイプのThinkpad trackpoint keyboard II (KC-1957)には適用できないため注意されたい1

手順

  1. 最新版のku1255-firmware-modifier-windows.zipをダウンロード
  2. ku1255-firmware-modifier-windows.zipを解凍(右クリック → すべて展開)
  3. 解凍されたku1255-firmware-modifier-windowsフォルダ内のku1255-firmware-modifier.exeをダブルクリックして実行
  4. おそらくWindwos Defenderによって下記のような警告が出るので、「詳細情報」をクリック → 「実行」を選択(出なければそのまま次に進む)
    Windows によって PC が保護されました
    Microsoft Defender SmartScreen は認識されないアプリの起動を停止しました
    このアプリを実行すると、PC が危険にさらされる可能性があります
    
  5. 以下のような画面が起動するので、上のボタン列からLoad configをクリックする image.png
  6. exampleフォルダ内のSwap-Fn-Ctrl.jsonを開く
  7. Main Layer上でFnLCtrlが入れ替わり、青くハイライトされていることを確認
    image.png
  8. 画面右上の青いボタンInstall firmwareをクリック
  9. ファームウェアインストーラーが起動するので、Startをクリック
    image.png
  10. インストールが完了するまで待つ
  11. 完了したらインストーラーを閉じる
  12. キーボードをUSBから一度取り外し、再接続する

ファームウェアのインストールが完了したら、ku1255-firmware-modifierはもう不要なので削除しても良い

おまけ

任意キーのリマップ

ku1255-firmware-modifier自体はFn/Ctrl入れ替え専用ツールではなく、任意キーリマップツールである。したがって、Fnキーに限らず、あらゆるキーの再配置が可能2。変更したい位置のキーをクリックして、割り当てたいキーをプルダウンメニューから選べば良い3
image.png

例えば私は「無変換」にBackspaceを、「変換」にEnterを、「カタカナ・ひらがな」に「半角/全角」を割り当てている。KU-1255の日本語版(0B47208)はスペースバーが短く(2.5u)、変換・無変換キーが親指でアクセスしやすい位置にあるので使いやすい。image.png

レイヤー機能

ku1255-firmware-modifierによってKU-1255にレイヤー機能を付与することが出来る。2nd Layerで、Modキーと同時押ししたときのキー挙動を定義する。初期状態ではModキーはどこのキーにも割り当てられていないので、どこかのキーを選んでModキーとして指定する必要がある。Modに割り当てられたキーは赤くハイライトされ、Main Layer2nd Layerとで割り当てが異なるキーは緑色にハイライトされる。

image.png

例えば私は、CapsLockをModキーとして、IJKLキーに各方向の矢印を2nd layerで割り当てている。ホームポジションを崩さずにカーソル移動が出来るので便利。

トラックポイント速度Up

トラックポイントの加速度はOS側のマウス設定およびLenovoドライバの設定から変更できるが、両者を最大値にしても速度が物足りない人もいるだろう。その場合は「Trackpoint speed」スライダーからトラックポイント速度を標準の1から最大5まで上昇させることが出来る。ただし、速度を上げるとカーソルのブレも大きくなるので、あくまでもOS側での設定で満足出来なかった人用。私は「2」にして運用している。
image.png

リカバリー用途として

Lenovoの公式ファームウェアインストーラーは稀にファームウェアインストールに失敗することがあるらしく、公式の手順で単にファームウェアをアップデートしようとして失敗し、キーボードが正しく認識されなかった例が報告されている(Can't find USB HID Deviceエラー)。ku1255-firmware-modifierは非公式のflasherであるFlashSN8によるファームウェアインストールをサポートしており、Install Firmwareの▼マークを押して「by FlashSN8」をクリックすることで実行可能。公式ファームウェアインストーラーによってキーボードが壊れてしまった場合のリカバリーとして使うことが出来る。

参考

  1. KC-1957におけるファームウェア解析の現状はこちら。Fnキーを除くキーのリマップ方法は解明されている

  2. F13など、もともとキーボード上に存在しないキーをアサインすることも出来る。Colemak, Dvorak, Eucalyn, 大西配列などがプリセットの例として登録されている。

  3. ドロップダウンボックスが選択された状態で割り当てたいキーの名前をキーボードで入力するとスムーズ(例: 左Ctrlキーなら「lctrl」のように)

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