概要
ThinkPadトラックポイントキーボード(KU-1255 / 日本語版: 0B47208)はトラックポイントが使える貴重な有線USBキーボードとして人気の機種である。Thinkpadの伝統を引き継ぎ、左下の位置にCtrlではなくFnキーが配置されている。
この配置は現代の多くのキーボードとは異なるため、ノートPCとしてのThinkpadにはBIOSを用いたFn/Ctrl入れ替え機能が標準装備されている。一方で、この外付けUSBキーボードには同様の手段が公式には提供されていない。そしてFnキーは特殊キーであり、PC側には押下情報が送出されないため、PC側からFnキーをリマップすることも出来ない。したがって、キーボードのファームウェア自体を書き換えることが必須となる。
ku1255-firmware-modifierは、このKU-1255シリーズのファームウェアを簡単に書き換え、キーリマップ等を行うためのソフトウェアである。この記事では、ku1255-firmware-modifierを使って、キーボード内部のファームウェアを書き換えてFn/Ctrlキーを入れ替える方法を説明する。
なお、以下の内容は無線タイプのThinkpad trackpoint keyboard II (KC-1957)には適用できないため注意されたい1。
手順
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最新版のku1255-firmware-modifier-windows.zipをダウンロード
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ku1255-firmware-modifier-windows.zipを解凍(右クリック → すべて展開)
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解凍されたku1255-firmware-modifier-windowsフォルダ内の
ku1255-firmware-modifier.exeをダブルクリックして実行 -
おそらくWindwos Defenderによって下記のような警告が出るので、「詳細情報」をクリック → 「実行」を選択(出なければそのまま次に進む)
Windows によって PC が保護されました Microsoft Defender SmartScreen は認識されないアプリの起動を停止しました このアプリを実行すると、PC が危険にさらされる可能性があります -
exampleフォルダ内の
Swap-Fn-Ctrl.jsonを開く -
画面右上の青いボタン
Install firmwareをクリック -
インストールが完了するまで待つ
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完了したらインストーラーを閉じる
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キーボードをUSBから一度取り外し、再接続する
ファームウェアのインストールが完了したら、ku1255-firmware-modifierはもう不要なので削除しても良い
おまけ
任意キーのリマップ
ku1255-firmware-modifier自体はFn/Ctrl入れ替え専用ツールではなく、任意キーリマップツールである。したがって、Fnキーに限らず、あらゆるキーの再配置が可能2。変更したい位置のキーをクリックして、割り当てたいキーをプルダウンメニューから選べば良い3。

例えば私は「無変換」にBackspaceを、「変換」にEnterを、「カタカナ・ひらがな」に「半角/全角」を割り当てている。KU-1255の日本語版(0B47208)はスペースバーが短く(2.5u)、変換・無変換キーが親指でアクセスしやすい位置にあるので便利。

レイヤー機能
ku1255-firmware-modifierによってKU-1255にレイヤー機能を付与することが出来る。2nd Layerで、Modキーと同時押ししたときのキー挙動を定義する。初期状態ではModキーはどこのキーにも割り当てられていないので、どこかのキーを選んでModキーとして指定する必要がある。Modに割り当てられたキーは赤くハイライトされ、Main Layerと2nd Layerとで割り当てが異なるキーは青色にハイライトされる。
例えば私は、CapsLockをModキーとして、IJKLキーに各方向の矢印を2nd layerで割り当てている。ホームポジションを崩さずにカーソル移動が出来るので便利。
トラックポイント速度Up
トラックポイントの加速度はOS側のマウス設定およびLenovoドライバの設定から変更できるが、両者を最大値にしても速度が物足りない人もいるだろう。その場合は「Trackpoint speed」スライダーからトラックポイント速度を標準の1から最大5まで上昇させることが出来る。ただし、速度を上げるとカーソルのブレも大きくなるので、あくまでもOS側での設定で満足出来なかった人用。私は「2」にして運用している。

キーマクロ機能
キーマクロを作ることで、単独キーの押下によって任意のショートカットキー(Ctrl, Shift, Alt, Winキーと任意のキーとの同時押し)を出力するように設定可能。
メディアキー機能
音量調節・明るさ調節・電源ON/OFF・スリープモードON/OFF・再生/停止といった特殊動作を行うメディアキーをキーマップ上に割り振ることも可能(max 11種類)
中ボタンクリックの有効化
「Enable middle click button」を有効にすることで、中ボタンクリックを有効にできる(このキーボードの中ボタンは、デフォルトでは中ボタンクリックとしての機能がなく、スクロール機能専用になっている)。
同時押しキー数の増加
ku1255-firmware-modifierでインストールされたファームウェアは、公式ファームウェアよりも可能な同時押しの組み合わせが増加している。詳しくはこちらの記事を参照。
リカバリー用途として
Lenovoの公式ファームウェアインストーラーは稀にファームウェアインストールに失敗することがあるらしく、公式の手順で単にファームウェアをアップデートしようとして失敗し、キーボードが正しく認識されなかった例が報告されている(Can't find USB HID Deviceエラー)。ku1255-firmware-modifierは非公式のflasherであるFlashSN8によるファームウェアインストールをサポートしており公式ファームウェアインストーラーによってキーボードが壊れてしまった場合のリカバリーとして使うことが出来る。
参考
- https://github.com/lentinj/tp-compact-keyboard/issues/32
- https://dokuwiki.fl8.jp/50_dialy/2025/07/10
- https://manualmaton.com/2025/07/30/






