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AI駆動開発のための技術選定:相性の良い技術スタックの見極め方

Last updated at Posted at 2025-12-02

この記事は、ひとりで作るSaaS - 設計・実装・運用の記録 Advent Calendar 2025 の2日目の記事です。

昨日の記事では「個人開発の始め方」について書きました。今日は、AI駆動開発において重要な「技術選定」について深掘りします。

💡 AI駆動開発とは

Claude Code、Codex、CursorなどのAIコーディングアシスタントを活用した開発スタイルです。

AIに「この機能を実装して」と伝えると、コードを生成してくれる。エラーが出たら「このエラーを修正して」と伝えると、修正案を提案してくれる。

このスタイルで開発効率を最大化するには、AIが理解しやすい技術スタックを選ぶことが重要です。

個人開発者向けの投稿プラットフォーム「izanami」には「個人開発 完全ガイド」という素晴らしいドキュメントがあり、技術選定のリソース集や個人開発の全体像がよくまとまっています。私は技術選定を一通り終えた後にこのガイドを知りました。(始める前に知りたかった…笑)

「これを見てください」だとここで話が終わってしまうので、この記事では私が実際に選んだ技術スタックと、その判断基準を共有します。

✏️ AIと相性の良い技術の特徴

1. 型情報があると精度が上がる

型情報があると、AIは「この関数は何を受け取り、何を返すか」を把握しやすくなります。

interface User {
  id: string;
  name: string;
  email: string;
}

function getUser(id: string): Promise<User> {
  // AIはこの関数が何を返すか理解できる
}

TypeScriptのような静的型付け言語は、コードに型情報が含まれるためAIが理解しやすいです。ただし、RubyやPythonのような動的型付け言語でも、ドキュメントが充実していればAIは十分に活用できると思います。

2. ドキュメントが豊富

ドキュメントが充実している技術ほど、AIは正確な回答を返す傾向があります。逆に、ドキュメントが少ないマイナーなライブラリでは、AIが古い情報や間違った情報を返すことがあります。

3. コミュニティが活発

利用者が多い技術ほど、AIは適切な回答を返しやすい傾向があります。

Next.js、React、Supabaseなどは利用者が多く、「〇〇したいんだけど」と伝えると、適切な実装パターンを提案してくれます。

4. ルールが明確

明確なルールがある技術は、AIにとって扱いやすいです。

Next.jsのApp Routerは良い例です。app/page.tsxがトップページ、app/about/page.tsxが/aboutページ。ルールが明確なので、AIは正確にファイル配置を理解できます。

🛠️ Memoreruで採用した技術スタック

私が開発しているMemoreruでは、以下の技術を採用しました。すべて「AIと相性が良い」という基準で選んでいます。詳細な技術スタックは「Memoreruについて」に掲載しています。

私はもともとサーバーサイドのエンジニアで、フロントエンドの技術には詳しくありませんでした。それでも、AIに質問しながら調べて進めることで、なんとか形にできています。詳しくない分野でも、AI駆動開発なら挑戦しやすいと感じています。

フロントエンド

技術 選定理由
Next.js ドキュメント豊富、App Routerの規約が明確
TypeScript 型情報でAIの精度向上
Tailwind CSS クラス名が直感的、AIが理解しやすい

バックエンド・インフラ

技術 選定理由
Supabase PostgreSQLベース、ドキュメント充実
Vercel Next.jsとの相性抜群、デプロイ簡単
Drizzle ORM 型安全、SQLライクな書き方

認証・API

技術 選定理由
Better Auth TypeScript製、型安全
Hono TypeScript製、軽量

🎯 技術選定で避けるべきこと

最新すぎる技術

リリースされたばかりの技術は、AIが正確なコードを生成できない可能性があります。少なくとも半年〜1年は様子を見るのが安全です。

ドキュメントが日本語のみ

英語のドキュメントがあるライブラリの方が、AIは正確な回答を返しやすい傾向があります。日本語のみのライブラリでは、AIが適切な提案をできないことがあります。

独自の規約が多い技術

学習コストが高い技術は、AIにとっても難しいです。独自の概念や規約が多いフレームワークは、AIが間違った提案をすることがあります。

🔄 技術を乗り換えることも想定する

完璧な技術選定はありません。開発を進める中で、「この技術は合わなかった」と気づくこともあります。

Memoreruでも、いくつか技術を乗り換えました。

  • Prisma → Drizzle ORM: 型安全性とパフォーマンスを重視
  • NextAuth.js → Better Auth: より柔軟な認証が必要になった
  • Route Handler → Hono: API設計の効率化

乗り換えは面倒ですが、AI駆動開発なら移行作業もAIに手伝ってもらえます。最初から完璧を目指すより、「合わなかったら変える」くらいの気持ちで始めるのがおすすめです。

💬 AIに相談しながら技術選定する

技術選定の過程では、Claude Codeに質問しながら進めることも多かったです。「認証ライブラリを比較して」「ORMの選択肢を教えて」といった質問を投げると、各ライブラリの特徴やメリット・デメリットを整理してくれます。最終的な判断は自分で行いますが、比較検討の効率が大幅に上がりました。

✅ まとめ:AI駆動開発の技術選定チェックリスト

技術選定で迷ったら、以下のチェックリストを参考にしてください。

  • 公式ドキュメントが充実しているか(英語)
  • GitHubで一定の利用者がいるか
  • リリースから半年以上経過しているか
  • ルールや規約が明確か

すべてにチェックが入る技術を選べば、AI駆動開発で効率よく開発を進められます。


明日は「Next.js + Supabaseで始める個人開発:プロジェクト構成の全体像」について解説します。

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