1. はじめに
botを運用している人を見ると、Docker、Linux、クラウドサービス、監視基盤などなど、かなり凝った稼働環境を構築しているケースが多いと感じます。
高頻度やアビトラ系のbotでは必要かもしれませんが、私が運用しているようなただのトレードbotには「そこまで複雑な構成が必要か?」と考えております。
自分自身、試行錯誤の末、
- Windows VPS + リモートデスクトップ + 複数コマンドプロンプトでプロセス実行
- タスクスケジューラの定期実行バッチでbotをチェックし、異常時はアラートする
というシンプルな構成に落ち着きました。
この記事ではこの構成に至った経緯、運用して感じるメリット・デメリットにフォーカスします。
「環境構築に時間をかけすぎているかも」と感じている方の参考になれば幸いです。
2. クラウドを辞めた理由
botを常駐させて運用するにあたり、最初に選んだのは一般的なクラウド環境でした。
可用性が高く、スケールもしやすく、「止めない運用」を考えると自然な選択だったと思います。
一方で、しばらく運用してみて、自分の用途に対してはオーバースペックだと感じるようになりました。
まず気になったのはコストです。
常時稼働を前提にすると、最低限の構成であっても月額費用はそれなりになります。
個人用途のbotに対しては少し重いと感じました。
次に、機能面の過剰さです。
クラウド環境では、ネットワーク設計、セキュリティグループ、権限管理、監視・ログ・アラート
など、多くの選択肢があります。これは大規模システムでは強力な武器になりますが、
単一または少数の bot を安定稼働させるだけという目的に対しては、
「考えること・管理すること」が増えすぎる側面もありました。
結果として、
- 本来触らなくてもいい設定に時間を取られる
- トラブル時に原因箇所が増える
- 「今botがどういう状態か」を把握しづらい
といった点が、少しずつストレスになっていきました。
特に「ログを見る、botを止める、botをアップデートをする」などのメンテナンス作業をするのにいちいちクラウドの別サービスを開いて行っており、bot一つ動かすのに何やってるんだと感じるようになりました。
メリット
- 高い可用性と信頼性
- 将来的なスケールや分散に対応しやすい
- 一般的にベストプラクティスが多い
デメリット
- 個人用途ではコストが高くなりがち
- 機能や選択肢が多く、運用が複雑になりやすい
- 小規模botには不要な設計判断が増える
こうした点を踏まえ、「必要十分な安定性を、よりシンプルに実現できないか」
と考えた結果、Windows VPSを使った構成に切り替えることにしました。
3. RDP + コマンドプロンプトという最小構成を選んだ理由
Windows VPS上でbotを動かす方法はいくつか考えられますが、
最終的にRDPで接続し、コマンドプロンプトから直接実行する
という最小構成を選びました。
理由はシンプルで、「分かりやすさ」と「復旧の速さ」です。
メリット
-
状態が一目で分かる
プロセスが動いているか、出力が止まっていないかを画面を見るだけで確認できます -
トラブル時の切り分けが早い
ログや設定を探し回らず、まず「何が起きているか」を把握できます。 -
構成がシンプルで壊れにくい
余計な仕組みを挟まないため、bot以外の理由で止まる可能性が減ります。 -
運用コストが低い
数週間〜数ヶ月触らなくても、何をしている環境かすぐ思い出せます。
デメリット
-
完全自動ではない
再起動や復旧は基本的に手動になります。 -
スケールには向かない
複数botや分散構成には不向きです。 -
見た目は地味
技術的に洗練された構成ではありません。 -
メンテナンスにPCが必須
外出先で緊急時botを止めたい時などスマホからbotを止めることができません(取引所アプリで証拠金を抜くなど別の手段を使う必要がある)
4. おわり
わたしの技術力やリソースが限られているからこそ、こうしたシンプルな構成を選んでいるだけという側面もあります。
一方で、この構成で数年にわたりbot運用を続け、安定して回り続けているというのも事実です。
大きなトラブルなく運用できており、実用面では十分に成立していると感じています。これは自慢ですが、月次A級S級の実績あります。
自分の用途や技術レベルに合った、シンプルで扱いやすい構成を選ぶことも、十分に合理的な選択肢だと思います。
この記事が、環境構築を考える際の一つの参考になれば幸いです。