はじめに
Anthropicは2026年7月、Claude Codeの新バージョン v2.1.205 をリリースしました。このリリースは新機能追加よりも「安全性強化」と「バグ修正」に重点が置かれており、地味に見えて実は重要な変更が多く含まれています。
特に注目すべきは以下の3点です。
- MCPサーバー名「Claude Browser」の予約化(破壊的変更)
- autoモードにおける安全対策の強化(トランスクリプト改ざん防止、捏造承認対策、危険なrm -rf実行前の確認)
- Windows環境での重大なバグ修正(worktree削除時の意図しないファイル削除、クラッシュ修正など)
MCPサーバーを自作・カスタマイズしている開発者は、この記事の「変更の全体像」と「影響と対応」を必ず確認してください。
📌 影響を受ける人
- 独自のMCPサーバーを
Claude BrowserまたはClaude Previewという名前で登録している人- Claude Code の
autoモードを CI/CD や自動化パイプラインで使っている人- Windows環境で
git worktreeやシンボリックリンクを使ったリポジトリ運用をしている人
変更の全体像
今回のリリースにおける変更を、影響範囲別に整理すると以下のようになります。
赤色のノードが破壊的変更、オレンジ色が重大度の高いバグ修正です。それ以外は基本的にアップデートするだけで自動的に恩恵を受けられる改善です。
変更内容
🔴 破壊的変更(要対応)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | MCPサーバー名 |
| 変更点 |
Claude Browser が新たに予約名となった(既存の Claude Preview に加えて) |
| 理由 | Claude DesktopのペインリネームAI機能に先立つ事前対応 |
| 影響 | これらの名前でユーザー定義のMCPサーバーを構成している場合、登録が拒否される |
🟠 安全性強化(severity: high)
| 変更 | 内容 |
|---|---|
| 捏造承認対策 | バックグラウンドタスク通知に「人間の入力は発生していない」ことを明示し、プロンプトインジェクションによる偽の承認文への追従を防止 |
| トランスクリプト改ざん防止 |
auto モードでセッション記録ファイルの書き換えを自動ブロック |
| 危険なrm -rf対策 |
auto モードで変数展開の結果が予測できない rm -rf の実行前にユーザー確認を追加 |
🐛 主要バグ修正
| severity | 内容 | 影響 |
|---|---|---|
| high | Windows: worktree削除時にNTFSジャンクション/シンボリックリンク先の外部ファイルまで削除 | データ損失リスク |
| medium | Windows: 起動ディレクトリが削除・ロック・アンマウントされた際にクラッシュ | 安定性低下 |
| medium |
claude mcp add-from-claude-desktop が不正なサーバー名でインポート全体を停止 |
MCP移行作業の中断 |
| medium |
--json-schema が不正スキーマ時にサイレントに非構造化出力を返す/format キーワードが拒否される |
パイプラインでの検知漏れ |
| medium |
--max-turns 到達時に作業中送信メッセージが消失 |
長時間タスクでの入力ロスト |
| medium | Cowork VMモードでログインエラーにより起動失敗(v2.1.203以降のリグレッション) | VMモード利用者の作業停止 |
✨ その他の改善
-
/doctorが診断だけでなく 修復まで実行できるように拡張。/checkupエイリアスも追加 -
claude agentsの一覧表示で、PRリンクの自動関連付け・色付き状態表示・分類器生成のヘッドラインを導入 - 自動更新処理をメモリバッファリングからディスクストリーミングに変更し、ピークメモリ使用量を約400MB削減
影響と対応
自分が対応すべきかどうかを判断するフローです。
⚠️ Breaking Change
.mcp.jsonやclaude mcp addでClaude Browser/Claude Previewという名前のサーバーを登録している場合、アップデート後に登録が拒否されます。事前に名前を変更してください。
💡 Tips
Claude Desktopから一括インポートしている場合はclaude mcp add-from-claude-desktopの修正により、不正な名前のサーバーだけがスキップされ、残りは正常にインポートされるようになりました。エラーメッセージで対象サーバーを特定できます。
コード例
MCPサーバー名が予約語と衝突しているケースの Before/After です。
Before(v2.1.205未満、動作していた設定)
{
"mcpServers": {
"Claude Browser": {
"command": "node",
"args": ["./mcp-servers/browser-tool/index.js"]
}
}
}
After(v2.1.205以降、リネームが必要)
{
"mcpServers": {
"my-browser-tool": {
"command": "node",
"args": ["./mcp-servers/browser-tool/index.js"]
}
}
}
Claude Browser という名前のままだと、Claude Codeの起動時またはMCPサーバー登録時にエラーとなり読み込まれません。プロジェクトの CLAUDE.md や設定手順書にも、予約語である旨を明記しておくと良いでしょう。
## MCP設定
- サーバー名として `Claude Browser` `Claude Preview` は予約済みのため使用不可
- 独自サーバーには `my-` などのプレフィックスを付けて命名する
まとめ
Claude Code v2.1.205は、派手な新機能こそ少ないものの、実運用において見逃せない変更が詰まったリリースです。
- MCPサーバー名「Claude Browser」が予約語化(破壊的変更・要対応)
-
autoモードの安全性が大幅に強化(トランスクリプト改ざん防止、危険な
rm -rf確認、捏造承認対策) - Windowsでの重大なデータ損失バグ(worktree削除)が修正
-
/doctorが診断+修復機能に進化、/checkupエイリアスも追加 - 自動更新のメモリ使用量を約400MB削減するなど、地味ながら効く改善も多数
とくに独自MCPサーバーを運用しているチームは、アップデート前に名前の衝突がないか確認しておくことを強くおすすめします。Windowsでworktreeを多用している方も、今回の修正で安心して運用を続けられるようになりました。