はじめに
2026年6月22日リリースの Cursor 3.8 では、AI 開発環境の拡張機能まわりに大きなアップデートが入りました。これまで設定画面のあちこちに散らばっていたプラグイン・スキル・MCP(Model Context Protocol)・フックなどの設定が、新しい「Customize ページ」に集約されました。
チーム開発での MCP 共有や、外部リポジトリからのプラグイン配布もスムーズになり、Cursor を組織で使っている開発者にとって特に恩恵の大きいアップデートです。破壊的変更はなく、既存の設定はそのまま引き継がれます。
📌 影響を受ける人
- Cursor で MCP サーバーを使っている開発者
- チームで Cursor の設定を統一・共有したい Engineering Manager / Tech Lead
- GitLab / BitBucket / Azure DevOps を使う組織で Cursor を展開している方
変更の全体像
今回のアップデートは「エコシステムの統合管理」が核心です。4つの機能が連動して、個人からチームまでの拡張設定を一気通貫で扱えるようにしています。
すべての拡張機能が Customize ページを起点として管理され、Team Marketplace を介してチーム全体へ配布できる構造になっています。
変更内容
1. Customize ページの追加(severity: high)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | プラグイン・スキル・MCP・サブエージェント・ルール・コマンド・フック |
| 管理スコープ | ユーザー単位 / チーム単位 / ワークスペース単位 |
| カスタム MCP | 独自の MCP サーバーを持ち込み可能 |
| 破壊的変更 | なし |
これまで設定 UI に散在していた拡張機能の設定が 1ページに集約されました。特に MCP の管理はこれまで手動設定が多かったため、GUI で一元管理できるようになったのは大きな改善です。
2. Marketplace リーダーボード
チーム全体で最も使われているプラグイン・スキル・MCP がランキング表示されます。Customize ページからワンクリックで自分の環境にインストールできます。
「他のメンバーがどの MCP を使っているか」が可視化されることで、ベストプラクティスのナレッジが自然と共有されやすくなります。
3. プラグイン Canvas(再利用可能なテンプレート)
プラグインが prebuilt canvas に対応しました。チームで開いて再利用できる共有セットアップテンプレートです。
Atlassian Canvas の例:
- Jira の全 Issue・プロジェクト・ドキュメントをリアルタイムで一覧表示
- チームメンバー全員が同じビューをすぐに開ける
4. Team Marketplaces の拡張インポート対応
| 対応プラットフォーム | 内容 |
|---|---|
| GitLab | プラグインリポジトリをインポート可能 |
| BitBucket | プラグインリポジトリをインポート可能 |
| Azure DevOps | プラグインリポジトリをインポート可能 |
GitHub 以外のプラットフォームを使う組織でも、社内プラグインをチームへ配布できるようになりました。
影響と対応
個人開発者への影響:
破壊的変更はないため、既存設定はそのまま動作します。ただし Customize ページを一度開いて設定が正しく移行されているか確認することを推奨します。
チーム・組織への影響:
Team Marketplace に GitLab / BitBucket / Azure DevOps が追加されたことで、GitHub 以外を使う組織でも社内プラグインの統一配布が現実的になりました。特に Enterprise 利用のチームは、社内 MCP サーバーの共有フローを見直すタイミングです。
💡 Tips
Customize ページの管理スコープは「ユーザー単位」「チーム単位」「ワークスペース単位」の3階層です。個人の開発環境と、チーム共通の設定を分けて管理できるため、オンボーディング用の共通 MCP セットをチームスコープで定義しておくと新メンバーの環境構築が楽になります。
コード例
カスタム MCP を Customize ページから登録する流れ(概念)
Before(3.8以前): 設定ファイルを直接編集
// .cursor/mcp.json などを手動編集
{
"mcpServers": {
"my-custom-server": {
"command": "node",
"args": ["./mcp-server/index.js"]
}
}
}
After(3.8以降): GUI から登録
1. Cursor の Customize ページを開く
2. 「MCP」セクションで「+ カスタム MCP を追加」
3. コマンドや引数を GUI に入力
4. スコープ(ユーザー / チーム / ワークスペース)を選択して保存
設定ファイルの直接編集も引き続き可能ですが、Customize ページ経由の方がスコープ管理がしやすくなります。
Team Marketplace へのプラグイン登録(GitLab の例)
1. Customize ページ → Team Marketplace → 「+ リポジトリを追加」
2. ソースとして「GitLab」を選択
3. GitLab リポジトリの URL を入力
4. チームメンバーはリーダーボード or 検索からワンクリックでインストール
まとめ
Cursor 3.8 の主要変更点を整理します。
| 機能 | ポイント | 誰に影響? |
|---|---|---|
| Customize ページ | MCP・プラグイン等の一元管理 | MCP 利用者全員 |
| リーダーボード | チーム内の人気拡張が可視化 | チーム利用者 |
| プラグイン Canvas | 再利用可能な共有テンプレート | Atlassian 等を使うチーム |
| Team Marketplaces 拡張 | GitLab/BitBucket/Azure DevOps 対応 | GitHub 以外を使う組織 |
今すぐやること:
- Cursor を最新版にアップデート
- Customize ページを開いて既存の MCP・プラグイン設定を確認
- チームで使っている場合は、Team Marketplace へのプラグイン登録を検討
破壊的変更がないため移行コストはゼロですが、Customize ページへの集約を機に、チームの MCP 活用を整理してみると開発効率の底上げにつながります。