はじめに
2026年9月、Claude Code は v2.1.265 で約50件に及ぶ大型アップデートをリリースしましたが、その中に混入したリグレッションにより、LLMゲートウェイ/プロキシ経由でAPIキーや独自認証ヘッダーを使っている構成が全リクエスト失敗するという深刻な不具合が発生しました。この不具合は翌日リリースされた v2.1.266 で即時修正されています。
本記事では、この障害の内容と影響範囲、そして v2.1.265 に含まれる --plugin-dir のフォルダ一括読み込みやプロンプトキャッシュ修正など、開発者が知っておくべき主要な変更点を整理します。
📌 影響を受ける人
- LLMゲートウェイやプロキシ経由で Claude Code を運用しているチーム
apiKeyHelperやカスタム認証ヘッダーでAPIキーを注入している環境--plugin-dirでプラグインを一括管理したい開発者- サブエージェント/エージェントチームメイトを多用しているユーザー
変更の全体像
v2.1.265 のリリースから v2.1.266 での修正までの流れを整理すると以下のようになります。
原因となった CLAUDE_CODE_USE_GATEWAY の挙動変化を認証フローの観点で見ると、以下のようになります。
変更内容
🔴 v2.1.266: ゲートウェイ全滅バグの修正(severity: high)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原因 |
CLAUDE_CODE_USE_GATEWAY が単独設定でもCloudゲートウェイサインインを強制するようになった |
| 影響 | APIキー・apiKeyHelper・カスタム認証ヘッダー併用のLLMゲートウェイ/プロキシ構成が全リクエストで失敗 |
| エラー内容 | Not signed in to the Cloud gateway |
| 修正 | 変数単独指定時は再び無視される元の挙動に復帰 |
| 対応方法 | v2.1.266へ更新するだけ。設定変更は不要 |
従来、CLAUDE_CODE_USE_GATEWAY は ANTHROPIC_BASE_URL と ANTHROPIC_AUTH_TOKEN の両方が設定されている場合のみ有効という仕様でした。v2.1.265 でこの前提が崩れ、環境変数が1つ立っているだけでゲートウェイサインインが強制されてしまったことが根本原因です。
⚠️ Breaking Change
v2.1.265 を使い続けている場合、独自LLMゲートウェイやプロキシ経由の構成は動作しません。至急 v2.1.266 以降へ更新してください。
🟠 v2.1.265: 主要な新機能・修正(severity: high)
約50件の変更のうち、影響が大きいものを抜粋します。
新機能
-
--plugin-dirにプラグイン群をまとめたフォルダを指定可能に(マニフェストを持つ子フォルダを自動読み込み、実行中の追加/削除も検知) - ツール実行結果のディスク保存に 1GB上限 を新設(超過時は会話内プレビューに切り詰め)
- Claude Desktop / Cowork のテレメトリに
user.email/user.groupsを追加
プロンプトキャッシュ / サブエージェント関連の修正
- フォアグラウンド起動サブエージェントの再開時にツール一覧・システムプロンプト接頭辞が変わり、キャッシュ再利用が壊れていた問題を修正
- エージェントチームメイトと再開サブエージェントで
SubagentStartフック文脈がキャッシュ接頭辞を汚していた問題を修正
MCP / プラグイン関連の修正
-
httpとして設定した MCP サーバーが、レガシー HTTP+SSE のみ対応の場合に接続できない問題を修正(仕様どおり SSE へフォールバック) - バックスラッシュを含むプラグインパスが macOS/Linux でシンボリックリンク封じ込めチェックを迂回してしまうセキュリティ関連の不具合を修正
挙動変更(要注意)
-
forceLoginGatewayUrlが managed settings に設定されているマシンは、起動時から Claude apps ゲートウェイセッションとなり、残存する claude.ai ログインやAPIキーは使われなくなる - 非対話セッション(
-p+ stream-json、Agent SDK、cloud)で、シェルの作業ディレクトリ変更(cd)がターンをまたいで持続するようになった
影響と対応
対応が必要かどうかは、まず自分の運用構成を確認してください。
具体的なアクションは以下の3点です。
- 最優先: LLMゲートウェイ/プロキシ構成を使っている場合は v2.1.266 以降へ即時更新する(設定変更は不要)
-
確認:
forceLoginGatewayUrlを managed settings に設定している環境では、起動時からゲートウェイセッションになる点を運用ドキュメントに反映する -
活用: プラグインを複数管理しているチームは
--plugin-dirのフォルダ一括読み込みへの移行を検討する
コード例
影響を受けた構成(v2.1.265で失敗する例)
# APIキー + カスタムゲートウェイの構成
export ANTHROPIC_BASE_URL="https://your-llm-gateway.example.com"
export ANTHROPIC_AUTH_TOKEN="sk-xxxxxxxx"
# 未文書化の環境変数が単独で存在するだけでゲートウェイサインインが強制される
export CLAUDE_CODE_USE_GATEWAY="true"
v2.1.265 ではこの構成で以下のようなエラーが発生していました。
Error: Not signed in to the Cloud gateway
v2.1.266 での挙動(修正後)
# 同じ環境変数構成でも、v2.1.266では以前と同様に
# ANTHROPIC_BASE_URL / ANTHROPIC_AUTH_TOKEN の両方が揃っていない限り
# CLAUDE_CODE_USE_GATEWAY 単独では無視される
export ANTHROPIC_BASE_URL="https://your-llm-gateway.example.com"
export ANTHROPIC_AUTH_TOKEN="sk-xxxxxxxx"
export CLAUDE_CODE_USE_GATEWAY="true" # 単独では効果なし → 正常に動作
💡 Tips
apiKeyHelperを使っている場合も同様の影響を受けます。設定ファイル自体の変更は不要なので、バージョンアップのみで解消します。
--plugin-dir のフォルダ一括読み込み(v2.1.265の新機能)
# Before: プラグインを個別に指定する必要があった
claude --plugin-dir ./plugins/plugin-a
claude --plugin-dir ./plugins/plugin-b
# After: マニフェストを持つ子フォルダを丸ごと読み込める
claude --plugin-dir ./plugins
まとめ
- v2.1.265 で
CLAUDE_CODE_USE_GATEWAYの挙動が変わり、LLMゲートウェイ/プロキシ構成を使うユーザーが全リクエスト失敗に陥るリグレッションが発生した - v2.1.266 で即時修正済み。該当環境は設定変更不要でバージョンアップのみで解消する
- v2.1.265 自体は
--plugin-dirの拡張、プロンプトキャッシュ修正、MCPのHTTP+SSEフォールバックなど実務上有用な改善を多数含む大型リリースだった -
forceLoginGatewayUrlを設定している環境や非対話セッションでのcd持続化など、挙動変更点は運用ドキュメントへの反映を推奨する
LLMゲートウェイ経由でClaude Codeを運用しているチームは、まず自分たちのバージョンを確認し、v2.1.266以降への更新を優先することを強くおすすめします。