はじめに
2026年10月20日の Notion API / Notion MCP の更新で、ホスト型 Notion MCP の検索ツールの役割が分離されました。特に影響が大きいのは次の点です。
-
notion-searchが Notion 内のページ / データベースだけを検索するようになった(破壊的変更) - Slack・Google Drive・GitHub・メール・カレンダーなどの検索は、新ツール
notion-connector-searchに切り替える必要がある -
notion-ai-searchはtools/listに表示されなくなった(名前指定なら呼べる) - あわせて、データベースのタイトル表示を制御する
show_data_source_titleパラメータが追加された
📌 影響を受ける人
- Notion MCP に接続した AI エージェントやプロンプトで、
notion-searchを使って Slack / Drive / GitHub / メール / カレンダーを横断検索している人tools/listからツールを動的に発見する MCP クライアントを作っている人- API でデータベースやビューを作成・更新している人
「これまで動いていたエージェントが、エラーにはならないのに Slack の情報だけ返さなくなる」という、気づきにくい挙動変化が起きうる点が要注意です。
変更の全体像
検索ツールは「Notion 内」と「接続先ソース」で明確に分かれました。
移行の判断フローは次のとおりです。
変更内容
変更一覧
| ID | 種別 | 重要度 | 内容 | 要対応 |
|---|---|---|---|---|
| change-002 | 破壊的変更 | high |
notion-search の対象を Notion 内に限定 |
✅ |
| change-003 | 新機能 | high |
notion-connector-search を追加 |
- |
| change-004 | 非推奨 | medium |
notion-ai-search が tools/list から非表示 |
✅ |
| change-001 | 新機能 | medium |
show_data_source_title を追加 |
- |
1. notion-search の検索範囲が限定された(破壊的変更)
⚠️ Breaking Change
ホスト型 Notion MCP セッションのnotion-searchは、Notion のページとデータベースだけを検索します。Slack・Google Drive・GitHub・メール・カレンダーなどの接続先ソースの結果は、もう返りません。
これまで notion-search で接続先ソースも検索していたエージェントやプロンプトは、同じ結果が得られなくなります。
2. notion-connector-search の追加
接続先ソースを検索するための新しい MCP ツールです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 検索対象 | Slack、Google Drive、GitHub、メール、カレンダーなどの接続先ソース |
| 表示条件 | ユーザーが AI 検索を利用でき、かつワークスペースに接続済みのソースがある場合のみ tools/list に出る |
sources パラメータ |
検索対象のソースを絞り込める |
| レスポンス | 実際に検索したソースの一覧。失敗・タイムアウトしたソースがあれば警告が付く |
💡 Tips
表示条件があるため、AI 検索の権限がないユーザーや、接続済みソースがないワークスペースでは、このツールはtools/listに現れません。「ツールが見つからない」場合は、まず権限と接続状況を確認してください。
3. notion-ai-search が tools/list から非表示に
notion-ai-search は tools/list に出なくなりました。ただし、名前を直接指定すれば引き続き呼び出せます。ワークスペース所有の接続では、選択済みのツール構成はそのまま維持されます。
tools/list から動的にツールを見つける MCP クライアントやエージェントには、このツールが見えなくなります。新規実装では notion-search(Notion 内)と notion-connector-search(接続先ソース)への移行を検討してください。詳細は公式ドキュメント「Supported tools」を参照してください。
4. show_data_source_title パラメータの追加
データベースのビューの上に表示されるタイトルを、表示するか隠すかを API から指定できます。Notion アプリの「Show data source title」設定に対応します。
| 対象 | 変更 |
|---|---|
| Create a database |
show_data_source_title を受け付ける |
| Update a database |
show_data_source_title を受け付ける |
Create a view(create_database) |
show_data_source_title を受け付ける |
| Database オブジェクト | レスポンスに現在値が含まれる |
MCP notion-create-view
|
ページにリンクドビューを追加する際に指定可能 |
詳細は公式ドキュメント「Creating a linked database view」を参照してください。
影響と対応
開発者が取るべきアクション
| 優先度 | アクション |
|---|---|
| 高 |
notion-search を呼んでいるプロンプト・エージェント定義を洗い出し、接続先ソース検索の用途を notion-connector-search に切り替える |
| 高 | システムプロンプトやツール説明(CLAUDE.md 等)に、2 つのツールの使い分けルールを明記する |
| 中 |
tools/list で notion-ai-search を発見している実装があれば、notion-search / notion-connector-search へ移行する |
| 中 |
notion-connector-search のレスポンスの失敗・タイムアウト警告を確認する処理を入れる |
| 低 | 必要に応じて show_data_source_title を使い、DB / ビューのタイトル表示を制御する |
こんな人に影響がある
- 社内ナレッジ検索エージェントを運用している人:「Slack の議論も含めて回答する」前提のエージェントが、Notion 内の情報だけで回答するようになる可能性があります
-
案件の議事録・チャット・メールを横断検索させている PM / SE:接続先ソースの検索が
notion-connector-search経由になります -
MCP クライアント開発者:
tools/listの内容が変わるため、ツール名のハードコードや動的発見のロジックを見直す必要があります
💡 Tips
エラーにならずに結果だけが減るため、移行漏れは気づきにくいです。接続先ソースを使う代表的な質問(例:「先週の Slack での決定事項は?」)で回帰テストをしておくと安心です。
コード例
以下は、ツール名を使い分ける考え方を示した擬似的な例です(呼び出し形式は利用する MCP クライアントに依存します)。
Before(接続先ソースも notion-search で検索)
{
"tool": "notion-search",
"arguments": {
"query": "リリース判定会議 決定事項"
}
}
After(用途ごとにツールを分ける)
[
{
"tool": "notion-search",
"arguments": {
"query": "リリース判定会議 決定事項"
}
},
{
"tool": "notion-connector-search",
"arguments": {
"query": "リリース判定会議 決定事項",
"sources": ["slack"]
}
}
]
sourcesに指定できる値の正確な形式は、公式ドキュメント「Supported tools」で確認してください。上記は構造を示すための例です。
show_data_source_title の指定例
{
"show_data_source_title": false
}
true で表示、false で非表示になります。Create a database / Update a database / Create a view(create_database)に加え、MCP の notion-create-view でも同名のパラメータを指定できます。
CLAUDE.md への追記例
## Notion MCP ツール利用ルール
- notion-search: Notion のページ/データベースだけを検索する
- notion-connector-search: Slack / Drive / GitHub / メール / カレンダーなどの接続先ソースを検索する
- AI 検索の権限と接続済みソースが必要
- sources で対象を絞り込める
- レスポンスの失敗/タイムアウト警告を確認する
- notion-ai-search: tools/list に出ない(名前指定なら呼べる)。新規実装では上記 2 つを使う
まとめ
-
notion-searchは Notion 内のページ / データベース専用になった。接続先ソースの結果は返らない(破壊的変更) - 接続先ソース(Slack / Drive / GitHub / メール / カレンダー)の検索は、新ツール
notion-connector-searchを使う -
notion-connector-searchはsourcesで絞り込め、失敗・タイムアウトの警告もレスポンスで確認できる -
notion-ai-searchはtools/listから消えたが、名前指定なら呼べる。新規実装は新ツールへ -
show_data_source_titleで、DB ビュー上のタイトル表示を API / MCP から制御できる - まず
notion-searchを使っているエージェントとプロンプトを棚卸しし、接続先ソース検索の用途を切り替えることが最優先の対応です