はじめに
2026年10月13日、Cursor は自社のリポジトリ基盤である Origin に App Marketplace を追加しました。デプロイ、CI、コードレビュー、セキュリティ、監視、プロジェクト管理の6分野で、20以上のパートナーアプリと連携できます。
同時に、開発者ツールを作るチームなら誰でも Origin 向けアプリを作り、Marketplace に申請できるようになりました。アプリは Origin API で実装します。
これが重要な理由は、Origin が「Cursor のリポジトリ置き場」から「GitHub のようにアプリ連携できるプラットフォーム」へ一歩進んだからです。
📌 影響を受ける人
- Cursor の Origin リポジトリを使う、または使うか検討しているチーム
- CI/CD、コードレビュー、セキュリティ、監視系の開発者ツールを提供しているベンダー・開発者
- GitHub App を運用していて、別の SCM への対応を検討している人
なお、今回の変更はいずれも action_required: false です。既存環境が壊れる変更ではなく、対応は任意です。
変更の全体像
利用者側(Marketplace のアプリを使う)と、提供者側(アプリを作って公開する)の両方が同時に開かれたのがポイントです。
変更内容
1. 20以上のパートナーアプリが利用可能に
| カテゴリ | アプリ |
|---|---|
| デプロイ | Cloudflare、Netlify、Render、Spacelift、Vercel |
| CI | Buildkite、CircleCI、CloudBees、Depot、EngFlow、Namespace、RWX |
| コードレビュー | CodeRabbit、Greptile、Tenki |
| セキュリティ | Artemis Security、Semgrep、Socket Security、Upwind |
| 監視 | Sentry |
| プロジェクト管理 | Linear |
CI とデプロイが厚く、主要なビルド・配信系サービスがすでに揃っています。監視とプロジェクト管理は現時点で各1アプリです。
2. 一般公開申請の受付開始
公開までの流れは次のとおりです。
申請時に必要なものは次の3つです。
- スラッグ
- 推奨タグ
- デモ動画(インストール、アンインストール、主要な製品フローを含める)
3. Origin API でできること
- 認証: アプリ JWT とインストールアクセストークン
- イベント受信: Webhook
- 書き込み: チェックラン、プルリクエストコメント、レビュー
💡 Tips
認証方式や書き込み対象(チェックラン・PRコメント・レビュー)は GitHub Apps に近い作りです。そのため既存アプリを移植しやすいと考えられます。ただしこれは提供情報からの推測で、実際のエンドポイントや仕様差はリファレンスで確認してください。
4. Origin Apps プラグイン
最新の Origin API ドキュメントをもとに質問に答えてくれます。また、運用中の既存アプリ(他の SCM 向けなど)を Origin に移植する計画づくりも支援します。Marketplace に参加するアプリ開発者向けの補助ツールです。
5. 補足:Changelog から 8月27日の項目が消えた件
2026年8月27日の「Start from scratch」(リポジトリなしで Cloud Agents を始められる機能)の項目が Changelog ページから消えています。新しい項目が増えて古い項目がページ外に移ったためとみられ、機能廃止を示す記述はありません。差分検知ツール上は breaking change と判定されましたが、実際には廃止ではない点に注意してください。
消えた項目の内容は次のとおりです。
- SCM を接続せずに Cloud Agents を開始できる(リポジトリ選択で「Start from scratch」を選ぶと、裏で Origin リポジトリが作られる)
- 「Create repo」で作業内容を Origin リポジトリとして保存できる(公開範囲は private か internal)
- 実行環境をブラウザへポートフォワードしてプレビューできる
- Vercel アカウントを接続して公開するとライブ URL が発行される
影響と対応
| 立場 | 推奨アクション |
|---|---|
| Origin 利用チーム | Marketplace で自社が使うCI・レビュー・セキュリティ系アプリの有無を確認する |
| Vercel / Sentry / Linear 等の利用者 | 既に使っているサービスが Origin 側にもあるので、連携手順を確認する |
| 開発者ツールのベンダー | 公開ガイドと Origin API リファレンスを読み、移植コストを見積もる |
| GitHub App 運用者 | Origin Apps プラグインで移植計画を作らせ、差分を洗い出す |
| Cloud Agents 利用者 | 8月27日の機能は廃止ではないので、特に対応は不要 |
コード例
今回のデータには具体的なコードや API のエンドポイント仕様は含まれていないため、ここではコード例は割愛します。実装時は、公式の公開ガイドと Origin API リファレンス、または Origin Apps プラグインで最新仕様を確認してください。
まとめ
- Cursor Origin に App Marketplace が登場し、6分野・20以上のパートナーアプリと連携できる
- 開発者ツールを作るチームは誰でも、アプリ作成 → Origin API で実装 → デモ動画付きで申請 → Cursor の審査、という流れで公開できる
- 認証(アプリ JWT + インストールトークン)や書き込み対象は GitHub Apps に近く、既存アプリの移植がしやすそう(推測)
- Origin Apps プラグインが、ドキュメント参照と移植計画を支援する
- 8月27日の Changelog 項目の消失は、ページ外に移っただけとみられ、機能廃止ではない
Origin はエコシステム形成の入り口に立ったばかりです。今後のパートナー追加や API の拡充を継続的にチェックしておくとよいでしょう。