はじめに
Gemini API のリリースノートが Google AI Studio ドメインに移り、2026年10月分の更新をまとめて確認できます。この記事では、開発者への影響が大きい severity: high の変更を中心に整理します。
📌 影響を受ける人
- 新規の有料プロジェクトで
generateContent系 API を使う人(データ保存の既定値が変わりました)gemini-3.7-flash/gemini-3.5-flash/gemini-3.1-flash-imageをモデル名で固定している人- Deep Research エージェント
deep-research-pro-preview-12-2025を使っていた人(2026-10-23 に停止済み)- Computer Use や Gemini 4 Argon の採用を検討している人
💡 Tips
入力データには「すでに報告済みの可能性がある」と注記された項目が多くあります。リリースノートのページ再構成で、過去エントリが差分上は削除行として出ているためです。この記事は新規ニュースではなく、10月分の棚卸しとして読んでください。
変更の全体像
対応の緊急度で分けると、次のようになります。
変更内容
一覧(severity: high)
| 日付 | 種別 | 内容 | 要対応 |
|---|---|---|---|
| 2026-10-06 | 新機能+非推奨 |
gemini-nano-banana-2.1 が GA、gemini-3.1-flash-image は非推奨(停止日は未発表) |
✅ |
| 2026-10-08 | 非推奨 |
gemini-3.7-flash と gemini-3.5-flash を非推奨化し、後継モデルへ自動ルーティング |
✅ |
| 2026-10-13 | 新機能 |
gemini-4-argon が GA |
- |
| 2026-10-23 | 非推奨(停止) |
deep-research-pro-preview-12-2025 を停止 |
✅ |
| 2026-10-26 | 破壊的変更 | Generate Content API のリクエスト保存が新規プロジェクトで既定有効に | ✅ |
| 2026-10-30 | 新機能 | Computer Use ツールが GA | - |
1. リクエスト保存が既定で有効に(2026-10-26)
⚠️ Breaking Change
有料ティアの新規プロジェクトでは、generateContent/streamGenerateContent/batchGenerateContentのリクエストが既定で保存されます(store=true)。Interactions API と同じ扱いになりました。
- 既存プロジェクトは現在の設定のままで、影響はありません。
- 保存を避ける方法は2つです。
- リクエストごとに
store=falseを指定する - Logs and Datasets ダッシュボードの Settings パネルで、Generate Content API のロギングをオフにする
- リクエストごとに
- 個人情報、顧客データ、社内機密を扱う場合は、コンプライアンスに直結します。新しいプロジェクトを作るときは、最初に設定を確認してください。
2. Flash 系モデルの非推奨化と自動ルーティング(2026-10-08)
| 旧モデル | 置き換え先 |
|---|---|
gemini-3.7-flash |
gemini-3.8-flash |
gemini-3.5-flash |
gemini-3.6-flash(または gemini-3.8-flash) |
- どちらも Google AI Studio では選べなくなりました。
- API リクエストは自動的に後継モデルで処理されます。エラーにならないぶん気づきにくい点に注意してください。出力の傾向やコストが変わる可能性があります。
- 対応は、モデル名を書き換えたうえで、出力品質とコストを再確認することです。
3. Deep Research エージェントの停止(2026-10-23)
停止日はすでに過ぎています。deep-research-pro-preview-12-2025 を指定したままの処理は、動かなくなっている可能性があります。
| 移行先 | 特徴 |
|---|---|
deep-research-preview-04-2026 |
速度と効率を重視。クライアント UI へのストリーミング向き |
deep-research-max-preview-04-2026 |
網羅性が最大 |
interactions.create の agent パラメータを書き換えます。
4. 画像生成:Nano Banana 2.1 が GA(2026-10-06)
gemini-nano-banana-2.1 は、Nano Banana 2(gemini-3.1-flash-image)の更新版です。
- Flash クラスの速度とコスト効率はそのままです。
- 画質、プロンプトへの忠実度、複数ターンでのキャラクター一貫性、文字描画が良くなりました。
- 横長・縦長の比率(1:4, 4:1, 1:8, 8:1)に対応しています。解像度は 1K / 2K / 4K です。
- 旧
gemini-3.1-flash-imageは非推奨ですが、停止日は未発表です。早めに移行しておくと安全です。
5. Gemini 4 Argon GA(2026-10-13)
gemini-4-argon は、複雑なコーディング、エージェント、数学、科学タスク向けの最上位モデルです。API 変更、料金、移行方法は、公式の「What's new in Gemini 4 Argon」に掲載されています。なお、リリースノート冒頭の「Gemini 4 Argon is now available」バナーは今回削除されましたが、提供状況の変更を示す記述は差分に含まれていません。
6. Computer Use ツールが GA(2026-10-30)
Interactions API と GenerateContent API の両方で GA になりました。2026年6月24日に Gemini 3.5 Flash でパブリックプレビューとして公開されたツールです。次の機能が含まれます。
- intent 付きの簡略化されたアクション
- ブラウザ・モバイル・デスクトップ環境への対応
- 安全ポリシーの設定
- プロンプトインジェクション検出
参考(severity: medium / low)
- gemini-api CLI(ベータ、2026-10-27):AI コーディングエージェント、スクリプト、CI パイプライン向けのコマンドラインクライアントです。ステートレスで依存関係がありません。Interactions API 経由で、テキストやメディアの生成、ファイル解析、マネージドエージェントの実行ができます。
-
リリースノートの再構成:ページが「Release notes - Gemini API | Google AI Studio」として作り直されました。冒頭に AI エージェント向けの索引として
https://aistudio.google.com/llms.txtとhttps://aistudio.google.com/llms-full.txtが案内されています。
影響と対応
| 優先度 | やること |
|---|---|
| 🔴 すぐ | Deep Research の agent 指定を 04-2026 系に変更する(停止済み) |
| 🔴 すぐ | 新規の有料プロジェクトで、store の既定値と社内のデータ取扱ルールを突き合わせる |
| 🟡 今週中 |
gemini-3.7-flash / 3.5-flash を使っている箇所を洗い出し、書き換えて出力とコストを再確認する |
| 🟡 今週中 | 画像生成の既定モデルを gemini-nano-banana-2.1 に更新する |
| 🟢 任意 | Gemini 4 Argon、Computer Use GA、gemini-api CLI を検証する |
リリースノートをスクレイピングしている人へ:ページ構造が Markdown 見出し形式(# Release notes)に変わり、旧ナビゲーションもなくなりました。パーサーの更新が必要です。なお、新しい本文は差分データの途中で切れているため、各エントリが新ページにそのまま残っているかは、このデータからは確認できません。公式ページで直接確認してください。
コード例
以下は考え方を示すイメージです。正確なパラメータの位置や SDK ごとの書き方は、公式ドキュメントで確認してください。
保存を避ける(store=false)
# Before: 新規プロジェクトでは何も指定しなくても store=true 扱いになる
response = client.models.generate_content(
model="gemini-3.8-flash",
contents="顧客データを含むプロンプト",
)
# After: 機密データを扱うリクエストは明示的に store=false
# (指定方法の詳細は公式ドキュメントを参照)
response = client.models.generate_content(
model="gemini-3.8-flash",
contents="顧客データを含むプロンプト",
# store=False を指定
)
モデル名・エージェント名の書き換え
- model = "gemini-3.7-flash"
+ model = "gemini-3.8-flash"
- model = "gemini-3.5-flash"
+ model = "gemini-3.6-flash" # または gemini-3.8-flash
- model = "gemini-3.1-flash-image"
+ model = "gemini-nano-banana-2.1"
- agent = "deep-research-pro-preview-12-2025"
+ agent = "deep-research-preview-04-2026" # 速度・効率重視
+ # agent = "deep-research-max-preview-04-2026" # 網羅性重視
💡 Tips
モデル名とエージェント名は、コードに直書きせず設定ファイルや環境変数に切り出しておくと、今回のような非推奨対応が1か所の変更で済みます。
まとめ
-
最優先は2点です。新規の有料プロジェクトで
generateContent系がstore=trueになった点と、停止済みの Deep Research エージェントです。 - Flash 系の旧モデルは自動で後継に回されるため、動いているように見えても出力とコストが変わる可能性があります。
- Nano Banana 2.1、Gemini 4 Argon、Computer Use の GA は、移行や検証を進めるタイミングです。
- 掲載内容の多くは過去の更新を含みます。確認の際は、モデル名・エージェント名・プロジェクト設定を一度総点検するのが近道です。