LoginSignup
9
4

Elixirエッジコンピューティング①:クラウドからエッジ/エッジサーバに拡がる未来とElixir

Last updated at Posted at 2023-12-24

この記事は、Elixir Advent Calendar 2023 シリー11 の20日目です


piacere です、ご覧いただいてありがとございます :bow:

Elixir Chip開発談義の際に、@zacky1972 さんからご紹介いただいた下記IBMエッジコンピューティングレポート(以下、IBMレポートと略)を見ながら、「クラウドからエッジ/エッジサーバに拡がる未来」についてまとめつつ、Elixirがどのように関わっていくかを整理したいと思います

なお、エッジコンピューティングやクラウド、エッジサーバ(カスタマーエッジ、ネットワークエッジ、MEC)については本コラムでは解説しませんので、レポート内でキャッチアップしてください

あと、このコラムが、面白かったり、役に立ったら、image.png をお願いします :bow:

IBMエッジコンピューティングレポートの要約

現在、データ/コンピューティングパワー共にエッジへの配置やエッジサーバ敷設はまだまだ発展途上中で、大部分はクラウドが賄う構成が主流となっています

そこに対し、エッジコンピューティングにどのようなメリットが存在し、アーキテクチャ構成や資源特性、未来予測があるかを本レポートは示しており、それを要約してみます

① エッジコンピューティングのメリット

IBMレポートでは、下記3つの観点でエッジコンピューティングのメリットをまとめています
image.png

  • リアルタイム性
    • UX向上、待ち時間短縮、良レスポンス性サービス
    • IoT:生産性向上、品質マネジメント自動化、安全性向上
  • レジリエンシ
    • クラウド利用不可時の損失最小化(エッジ+カスタマーエッジ)
    • 意図せぬNW障害での縮退運転実現
    • 多数デバイス遠隔操作によるシステム復旧/ソフトウェア更新
  • セキュリティ
    • プライバシー保護(不必要にクラウドに流さない)

② エッジコンピューティングのアーキテクチャ構成

さらに6種類のアーキテクチャ構成を提案しています

  • ①協調処理
  • ②オフロード
  • ③選択アップロード
  • ④クローズド
  • ⑤デジタルツイン
  • ⑥データキャッシュ

image.png

③ エッジコンピューティングの資源特性

各コンピュータ資源の特性についても、4つの観点で整理しています
image.png

④ エッジコンピューティングの未来推移予測

データ蓄積量や演算処理(カリキュレーション)、計算能力(パワー)に着目した未来推移予測も掲げています
image.png

⑤ エッジコンピューティングからxR/デジタルツイン

そしてエッジコンピューティングの構成要素から、xR/デジタルツインについて定義する試みも行っています
image.png
image.png

レポートから読み取るエッジコンピューティング

IBMレポート中の予測では、エッジ/エッジサーバ(カスタマーエッジ+ネットワークエッジやMEC)/クラウドの3領域における、データ分量とコンピューティングパワーの配分が変わっていく様を示しています

その背景には、従来通りのインターネットだけで無く、5G網/6G網の存在があります

ここのNW帯域が太くなると、エッジとエッジサーバの間のデータ転送量に不自由が無くなり、大量データをこの区間で処理するようになるため、コンピューティングパワーが遠隔にあるクラウドでは無く、エッジサーバ(ないしはエッジ内)中心で演算処理を済ます構成になるという訳です

つまり、エッジコンピューティング全盛になると、クラウドからエッジ/エッジサーバへのオフロード(分配)が進むということです

そして、やがてはクラウドは「データの置き場所」が中心となり、コンピューティングパワーはクラウドにはあまり置かれず、エッジおよびエッジサーバ(特にネットワークエッジやMEC)に置かれるであろうと予測されています

Elixirがエッジコンピューティングに占める重要性

上記のような予測に対し、現実問題として、「クラウドが無いと開発できない」が横たわっています

現代は、そうしたエンジニアが数多く分布しており、ローカルDBすらキッティングしたことが無い若者も大勢います

そうした中で、クラウド無を前提とするエッジコンピューティング開発は果たして叶うのでしょうか?

2018年頃から私は、その課題にフォーカスし、Elixirがいかにクラウド無前提のエッジコンピューティング開発に適正を持つかを実案件を通じて、実証し続けています

また別コラムでは、Elixirがいかに未経験者の育成や見習い層、学生インターンのトレーニングに向いているかも述べています(私自身も現在、そうした層の育成を自ら買って出て、事業推進の中における高速育成メソッドをリードしている最中です)

この2点から導かれる結論は、

「Elixirであれば、短期間でエッジコンピューティングを攻略できる」

というシンプルな着想です

クラウドからエッジ/エッジサーバに拡がる未来

今回のコラムシリーズでは、上述したIBMレポートの①~⑤に対して、Elixirがどのように関わっていくかを紐解いていこうと考えています

その背景には、上記コラムに加え、以下2点の状況が存在する点も事前に共有しておきます

  • a)最近のElixirエッジコンピューティングの状況
  • b)生成AIの「分散学習」という新たなニーズ

a)最近のElixirエッジコンピューティングの状況

最近は、国内においてもElixirエッジコンピューティングに関する登壇イベントも開催されています

また国内プレイヤーの方々も、エッジコンピューティング開発に関するスライドやコラムを提供しています

2023年の海外Elixirコミュニティも交えた動画も下記でリストアップしています

b)生成AIの「分散学習」という新たなニーズ

今年、エッジコンピューティングには、生成AIの「分散学習」という新たな技術カテゴリで、これまでに無かったニーズも生まれています

詳しく知りたい方は、下記コラムをご覧ください

終わりに

今回は、IBMエッジコンピューティングレポートを元に、エッジコンピューティングに関する5つの軸の要約からスタートし、エッジコンピューティングの行く末を読み解き、Elixirがエッジコンピューティングに占める重要性についての概要を整理しました

次回は、「②:今から始めるElixirエッジサーバ構築」で、実践的なエッジコンピューティングの構築例をElixirで示していきます

p.s.このコラムが、面白かったり、役に立ったら…

image.png にて、どうぞ応援よろしくお願いします :bow:

9
4
1

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
9
4