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[Cowork] Microsoft 365 Copilot Cowork 完全ガイド 〜導入から実践まで〜

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Last updated at Posted at 2026-04-23

執筆している2026/7/29時点の情報です。Cowork は更新が速い機能のため、最新情報は必ず公開情報(本記事末尾の参考リンク)もあわせてご確認ください。


「Copilot Chat は触ってみたけど、もう一歩踏み込んで“仕事を任せる”ところまでやってみたい」
そんな方に向けた、Copilot Cowork の入門 〜 中級ガイドです。

🎉 2026年6月16日、Copilot Cowork は正式に一般提供(GA)開始しました。
Frontier preview program への参加は不要になり、Microsoft 365 Copilot ライセンスを持つ全世界のお客様が利用できます。
ただし 管理者による有効化と、従量課金(Copilot Credits)の設定が必須です。詳しくは 2 章をご覧ください。


0. この記事について

  • 対象読者: Microsoft 365 Copilot を触ったことはあるが、Cowork はまだ使ったことがない方/使い始めたばかりの方
  • ゴール:
    1. Cowork が何者かを正しく理解できる
    2. 自分のテナントで Cowork を有効化し、最初の 1 タスクを実行できる
    3. 課金の仕組みを理解し、コストを見積もれる
    4. 業務シナリオに沿った具体的な使い方をイメージできる
  • 想定時間: 読了 約 12 分/実践 約 30 分

📌 2026年4月版からの主な更新点

変更点 内容
GA 到達 2026/6/16 に一般提供開始。Frontier preview への参加は不要に
💰 課金モデルが判明 Copilot USL に加えて Copilot Credits の従量課金(PayGo は 1 クレジット $0.01)
⚙️ 既定はオフ 管理者がテナントで有効化しないと使えない
🌏 地域制限あり Anthropic 対応国のみ。EU/EFTA・英国は既定オフ(オプトイン必要)
🤖 モデル選択が可能に Claude Opus / Sonnet、GPT 5.5、Claude Fable 5 (Preview) など
自動化機能が追加 スケジュール実行プロンプト+イベント駆動タスク
🔌 プラグイン対応 Microsoft 365 App Store から Skill / コネクタを追加可能
🌐 ローカルブラウザー操作 Microsoft Edge を使った Web 操作に対応
🎨 画像生成に対応 Imagen 2 による画像生成
📝 カスタム Skill のパス修正 公式表記は小文字の /Documents/Cowork/skills/
🏷️ 名称の訂正 「Copilot Studio Lite」は現在 「Agent Builder」 に名称が戻っています

1. Cowork とは何か

Copilot Cowork は、Microsoft 365 Copilot に統合された エージェント型 AI(agentic system) です。
Copilot Chat が「質問に答える AI」だとすれば、Cowork は 「複数のステップを自律的にこなしてくれる AI 同僚」 にあたります。

公式ドキュメントでは、Cowork は「エージェント(agent)とは異なるエージェントシステム」と定義されています。単体のエージェントではなく、複数の Skill・ツール・モデルを束ねて仕事を完遂する仕組み、というニュアンスです。

1.1 Copilot Chat との違い(公式比較)

Copilot Chat Copilot Cowork
位置づけ 下書き・要約・質疑応答のための常時利用型 AI Microsoft 365 を横断して多段階の作業を完遂するエージェント型 AI
得意なこと 速く・狭く・単一タスク 複数アプリをまたぐエンドツーエンドの作業
所要時間 数秒〜数分 数分〜数時間(自律実行)
タスクの複雑さ 単一ステップ/単一セッション 複数ステップのワークフロー
使いどころ 素早い下書き・回答・示唆がほしいとき アプリ/ファイル/システムを横断して実際に行動してほしいとき
代表シナリオ 日次キャッチアップ、進捗確認、Q&A、文章作成 受信トレイ・予定の整理、プロジェクト立ち上げ、会議準備
拡張方法 プラグイン/エージェント Skills(組み込み 13 種類+カスタム最大 50 個)+プラグイン
課金 Copilot USL に含まれる Copilot USL + 従量課金(Copilot Credits)

1.2 Cowork の 5 つの特徴

GA 発表時に Microsoft が挙げた差別化ポイントは次の 5 つです。

  1. クラウド実行 — ファイルはローカルに保存されず、PC の電源を切ってもタスクは走り続けます
  2. Work IQ ネイティブ対応 — 会社が実際に使っているシステムの文脈に基づいて作業します。
  3. エンタープライズ級のセキュリティ/コンプライアンス — Microsoft 365 の信頼境界内で動作し、既存のポリシーと統制に沿います。
  4. マルチモデル設計 — タスクに応じて最適なモデルを選べます(モデルピッカー)。
  5. 低コスト設計 — 効率的な情報/ツール探索、モデル選択、使った分だけの課金。

💡 Microsoft の社内検証では、Claude Cowork(Microsoft 365 コネクタ利用)とのプロンプト単価比較で、Copilot Cowork が平均 30〜40% 安価 だったと報告されています(Opus 4.8 使用時)。


2. 使い始める前に — ライセンス・課金・管理者設定

ここが 2026年4月時点から最も大きく変わったところです。GA に伴い、課金モデルと管理者統制が正式に整備されました。

2.1 前提条件(5 つすべて必要)

# 前提条件 補足
1 Microsoft 365 Copilot ライセンス(USL) Cowork 利用の必須前提。E3/E5 単体では不可
2 モダンブラウザー Microsoft Edge / Google Chrome 推奨
3 テナントで Cowork が有効化されている ⚠️ 既定はオフ。管理者が有効化する必要あり
4 従量課金(usage-based billing)と Cowork 課金が有効 管理者が Microsoft 365 管理センターで設定
5 テナントで Anthropic モデルが有効 Cowork は Anthropic を副処理者(subprocessor)として利用

⚠️ EU / EFTA・英国のテナントは要注意
Anthropic モデルは 既定で無効になっており、管理者が明示的にオプトインする必要があります。さらに、Microsoft 365 Copilot 等で利用される Anthropic モデルは EU Data Boundary の対象外です。日本のテナントでは Anthropic は既定で有効です。

2.2 課金モデル — Copilot Credits

Cowork は Copilot USL に加えて、実行したタスク量に応じた従量課金になります。単位は Copilot Credits です。

クレジット消費は次の 4 つの要素から計算されます:

  • 🧠 モデル利用(どのモデルをどれだけ使ったか)
  • 🔍 コンテキスト取得(社内データの検索・取得)
  • 🛠️ ツール呼び出し(Skill やコネクタの実行回数)
  • ⏱️ ランタイム(実行時間)

支払い方法は 2 種類:

プラン 内容
PayGo(従量課金) 事前コミットなしで柔軟に利用。1 Copilot Credit = $0.01
P3 利用量を事前にコミットする代わりに割引を受けられる

タスクの重さは 3 段階に分類されます:

区分 特徴
Light 参照ソースが少なく、推論も限定的。出力は 1 つ以下
Medium 複数ソースを参照し、構造化された推論。出力は 2 つ以上
Heavy 広範に情報を集約し、深い推論。出力も多数

💡 Microsoft はコスト見積もり用のスプレッドシートを公開しています(Opus 4.8 前提)。
🔗 https://aka.ms/CustomerCoworkEstimator

2.3 管理者向けコスト管理機能

「使いすぎ」が怖い方向けに、GA で以下の統制機能が入りました。

🎛️ コントロール

  • 既定はオフ — 管理者が有効化タイミングと対象ユーザーを決定
  • テナント/グループ/ユーザー単位の上限設定 — スコープ付き課金ポリシーと予算設定
  • カスタム利用アラート — 閾値と通知先を組織ごとに設定可能
  • ユーザーからのクレジット申請 — 足りなくなったら Cowork の中から申請できる

👀 可視化

  • テナント/グループ/ユーザー単位の利用レポート
  • タスク単位のコストがユーザーにその場で表示される

⚡ 効率化

  • PayGo / P3 の選択
  • モデルピッカーでタスクごとのコストを調整

2.4 提供地域の制限

Cowork は Anthropic モデルに依存しているため、Anthropic がサポートする国・地域でのみ利用可能です(日本は対象)。GCC High / DoD などのソブリンクラウドは対象外です。


3. 導入の仕方(はじめての Cowork)

3.1 どこから使える?

プラットフォーム アクセス方法
🌐 ブラウザー https://m365.cloud.microsoft を開き、上部の Chat / Cowork トグルで「Cowork」を選択
💻 デスクトップアプリ Microsoft 365 Copilot アプリ(Windows / Mac)
📱 モバイルアプリ Microsoft 365 Copilot アプリ(iPhone / Android)
📧 Outlook / Teams 各アプリ内からも利用可能

3.2 5 ステップで開始

手順 内容
管理者が Microsoft 365 管理センターで Cowork を有効化し、従量課金と Anthropic モデルを有効にする
ブラウザーで https://m365.cloud.microsoft を開く
上部トグルの Cowork をクリック(Chat の隣)
「明日の打ち合わせの議題を作って」など、自然な日本語で依頼(最大 250,000 文字入力可)
生成された成果物をレビューし、承認(Approve) して送信 or 保存

3.3 Cowork ホーム画面でできること

  • チャット入力 — やってほしいことを記述。直近のタスクからの再開も可能
  • Search — 過去のタスクを検索して呼び戻す
  • Scheduled — スケジュール実行タスクの確認・編集・停止
  • Customize — カスタム Skill の追加、プラグインの探索・追加
  • Model picker — タスクに合うモデルを選択(Auto 推奨)

3.4 はじめての 1 プロンプト(おすすめ)

今日の自分の予定とメールから、明日朝に上司へ送るデイリーサマリーを Word で作って。

これだけで Cowork は Daily Briefing Skill + Word Skill + Email Skill を自動的に呼び出し、サマリー Word を生成 → メール下書きまで作ってくれます。

処理中の画面には次が表示され、何が起きているか追えます。

  • 🤔 思考インジケーター — 最適なアプローチを検討中
  • 🧩 Skill メッセージ — 「メール作成の準備中」など、読み込んだ Skill
  • 🔧 ツールステップ — 「メールを作成中」など、実行中の具体的な作業
  • 📝 回答のストリーミング表示

3.5 承認(Approve)の仕組み

Cowork はあなたの承認なしに行動しません。メール送信・Teams 投稿・会議設定などの前に、必ず確認ダイアログが出ます。

  • アクションボタンSend / Post / Create など)— 今回だけ実行を許可
  • More options(ドロップダウン) — 同種のアクションについて、このセッション中は確認をスキップ。メールや Teams メッセージでは「特定の宛先だけ」「特定ドメインだけ」などスコープを選べます
  • Cancel — 実行を中止
  • Show parameters — 実行前に技術的な詳細を確認

中リスク・高リスクのアクションにはリスクレベル表示が付きます。また、実行中に Pause(一時停止)/Resume(再開)/Cancel(中止) も可能です。

突然 Skill という表現が出ましたが、詳細は以下の記事にまとめています。
🔗 [Cowork] CoworkのSkills使いこなす 〜 Agent Builder(旧 Copilot Studio Lite)からの「次の一歩」〜


4. 基本の使い方 — 13 個の組み込み Skill

Cowork には 13 個の組み込み Skill が標準搭載されています(GA 後も 13 個で変わっていません)。日常業務はこれだけでもかなりカバーできます。

# Skill 主な機能 典型的なプロンプト例
1 Word Word ドキュメントの作成・編集 「先週の議事録を 1 ページにまとめて Word で出して」
2 Excel Excel スプレッドシートの作成・編集 「この CSV を月別売上のグラフ付きで Excel にして」
3 PowerPoint PowerPoint プレゼンの作成・編集 「この提案書を 5 枚のスライドに圧縮して」
4 PDF PDF ドキュメントの取り扱い 「この PDF の重要ポイントを 10 行で要約して」
5 Email メールの作成・返信・転送・送信、下書き保存、添付管理 「このスレッドに丁寧な日本語で返信ドラフトを作って」
6 Scheduling 会議のスケジューリング 「来週、田中さんと 30 分の打ち合わせを設定して」
7 Calendar Management 自然言語での予定作成、Teams 会議リンク追加、カレンダー管理 「今月のミーティングをカテゴリ別に整理して」
8 Meetings 会議インテリジェンスの準備 「来週の経営会議の事前資料を作って」
9 Daily Briefing 日次ブリーフィングの作成 「今日のブリーフィングを出して」
10 Enterprise Search 組織横断の検索 「Q3 計画に関する社内資料を全部探して」
11 Deep Research 複数ソース横断の深い調査・分析レポート 「競合 3 社の生成 AI 戦略を比較レポートにして」
12 Communications ステークホルダー向け通知文の作成 「障害連絡を関係者に送る案内文を作って」
13 Adaptive Cards ボタンやデータ表示を含む構造化カードの生成 「アンケート用の Adaptive Card を作って」

💡 コツ: Cowork はプロンプトの 動詞(作って/送って/調査して)から呼ぶ Skill を判断します。「何をしてほしいか」を最初に書くと精度が上がります。

4.1 画像生成(組み込み)

上記 13 個とは別に、組み込みの画像生成 SkillImagen 2 モデル)があります。

夕暮れの山上湖の風景画像を作って

生成された画像はセッションと OneDrive の出力フォルダーに保存されます。

4.2 モデルの選び方

チャットヘッダーの モデルピッカーから選択できます。

  • 基本は Auto のままで OK(Cowork がタスクに応じて選択)
  • 選択肢の例: Claude Opus / Sonnet 系Claude Fable 5 (Preview)Sonnet + Opus Advisor ペアリングGPT 5.5
  • Claude Fable 5 (Preview) は既定でオフ。管理者が Microsoft 365 管理センターで有効化すると表示されます
  • 一部のモデルはデータ保持(data retention)が必要で、選択中はバナーが表示されます

4.3 対応ファイル形式

セッションに添付できるファイルは多岐にわたります。

カテゴリ 拡張子
Word .doc .docx .docm .dot .dotx .odt .rtf
Excel .csv .xls .xlsm .xlsx .ods
PowerPoint .odp .ppt .pptm .pptx
PDF .pdf
Markdown .md .markdown .mdx
画像 .png .jpg .jpeg .gif .webp .bmp .svg .ico
テキスト .txt .log
コード .js .ts .py .java .c .cpp .go .rb .rs ほか
設定 .json .yaml .yml .toml .ini .xml .env
ノートブック .ipynb
音声 .mp3 .wav .m4a .ogg .aac .flac
動画 .mp4 .mov .avi .mkv .webm .wmv
アーカイブ .zip .rar .7z .tar .gz .bz2

PDF / Office ドキュメント / CSV / Markdown / コード / 画像 / HTML / メールは、ダウンロードせずセッション内でプレビューできます。


5. 自動化 — スケジュール実行とイベント駆動タスク

GA で強化された、地味に強力な機能です。

5.1 スケジュール実行プロンプト

毎朝 9 時にデイリーブリーフィングを送って

と書くだけで、Cowork が定期実行を設定してくれます。管理は Tasks ビューの Scheduled タブ、またはサイドパネルの Schedule セクションから行えます(編集・一時停止・再開・削除)。

5.2 イベント駆動タスク

「特定のメールが届いたら」「Teams でメンションされたら」といったきっかけに反応して動くタスクも作れます。

経理部から請求書のメールが届いたら、内容を要約して私に通知して

やってほしいことを書くと、Cowork が自動化の内容を提案してくれるので、レビューして確定します。

🔒 安心設計: 既定ではイベント駆動タスクはアクションを準備してあなたの承認を待つ動作になっており、勝手に実行しません。また、各タスクはあなたの権限で実行されます。

5.3 ローカルブラウザーの利用

Cowork は、あなたの PC 上の Microsoft Edge を使って Web タスクを実行できます。

  • ブラウザータブは自分のマシン上で動作
  • 資格情報や Cookie は端末から出ません
  • Cowork が使えるのは、あなたが既に持っているアクセス権のみ
  • サインインなど Cowork が処理できない場面では、ブラウザーの操作をあなたに引き渡します

6. 中級編 — カスタム Skill で“自分専用 AI 同僚”を作る

Skills の詳細については、以下の記事にまとめています。
🔗 [Cowork] CoworkのSkills使いこなす 〜 Agent Builder(旧 Copilot Studio Lite)からの「次の一歩」〜

組み込み Skill だけでも強力ですが、カスタム Skill を使うと「自分/チームの定型業務」をそのまま Cowork に覚えさせることができます。

6.1 カスタム Skill の仕様

観点 内容
上限 1 ユーザー最大 50 個
保存先 OneDrive /Documents/Cowork/skills/<スキル名>/SKILL.md ※フォルダー名は小文字の skills
形式 YAML フロントマター(name / description)+ 自然言語の手順書(Markdown)
ファイルサイズ SKILL.md 1 件あたり 最大 1 MB
付随ファイル 1 Skill あたり 最大 20 ファイル/合計 10 MB
一括アップロード .zip / .skill で 圧縮 10 MB・展開 50 MB・100 ファイルまで
呼び出し Cowork がセッション開始時に自動検出(明示的な指定は不要)
共有 「自分のみ」または「組織内の特定ユーザー」を選択。更新時は Re-share で反映
編集 テキストエディター/Word/VS Code でそのまま編集
検証 ⚠️ Microsoft による検証はされません。出力は必ず確認を

ℹ️ 管理者統制について: プラグインは管理者が組織展開・制限できますが、カスタム Skill には管理者向けの専用統制機能はありません(ユーザー所有・ユーザー間共有)。ただし Microsoft Purview の監査ログには「Skill / プラグインの追加・削除・共有」イベントが記録されます。

6.2 作成は 3 ステップ

  1. OneDrive で /Documents/Cowork/skills/ フォルダーを開く(なければ作成)
  2. スキル名のサブフォルダーを作成(例: /Documents/Cowork/skills/weekly-report/
  3. その中に SKILL.md を作成して保存 → 次のセッションから自動的に使えるようになります

Cowork の Customize メニューからガイド付きで作成することもできます。

6.3 SKILL.md の最小サンプル

---
name: Weekly Report
description: 直近のメールと予定から、上司向けの週次ステータスレポートを作成する Skill。
---

# 週次レポート作成 Skill

## 目的
今週の進捗を、上司向けに 1 ページの Word でまとめる。

## 手順
1. 今週の Outlook 予定とメールから主要トピックを抽出する。
2. Teams の主要チャネル投稿を要約する。
3. 「進捗 / 課題 / 来週の計画」のセクション構成で Word を作成する。
4. 完成した Word を OneDrive の /Reports/Weekly/ に保存する。

🟢 ポイント

  • プログラミング不要、Markdown だけで OK
  • 必須の YAML フィールドは namedescription の 2 つだけ
  • Cowork に「Skill を作って」と頼めば、SKILL.md 自体も自動生成してくれます
  • description「いつ・どんなときに呼ばれるか」 が伝わる文を書くと自動選択の精度が上がります

6.4 Agent Builder との比較

⚠️ 名称について(訂正)
かつて「Agent Builder」→「Copilot Studio Lite」と改称されましたが、**現在の公式名称は再び「Agent Builder(Agent Builder in Microsoft 365 Copilot)」**に戻っています。Microsoft Learn の copilot-studio-lite URL も agent-builder にリダイレクトされます。

Agent Builder で作る宣言型エージェントと、Cowork のカスタム Skill は、そもそもレイヤーが異なります。

観点 Agent Builder(宣言型エージェント) Cowork カスタム Skill
作るもの Copilot Chat を拡張するエージェント Cowork の実行能力を拡張する指示書
動作する場所 Copilot Chat Cowork セッション内
作成方法 GUI で部品をつないで構築 OneDrive に SKILL.md を配置するだけ
保存先 Dataverse / Power Platform OneDrive /Documents/Cowork/skills/
呼び出し方 エージェントを 明示的に選択 Cowork が プロンプトから自動選択
配布・共有 管理センターから組織展開が可能 ユーザー間共有のみ(管理者展開なし)
修正の手軽さ GUI 画面で編集・再発行 SKILL.md を編集して保存するだけ
組み合わせ実行 単体エージェントが基本 Cowork が 複数 Skill を自動連携
学習コスト GUI とコネクタの理解が必要 Markdown が書ければ OK
課金 Copilot USL に含まれる 実行時に Copilot Credits を消費

💡 使い分けの目安
「全社に配って、みんなに同じ振る舞いをさせたい」なら Agent Builder
「自分/小さなチームの定型作業を、Cowork に自動で拾わせたい」なら カスタム Skill


7. プラグインで Cowork を拡張する

Cowork は Microsoft 365 App Store のプラグインに対応しています。プラグインを追加すると、その Skill が組み込み Skill と並んで表示され、コネクタもセッションで使えるようになります。

  • 追加方法: Cowork の Browse plugins メニューから
  • 管理者は組織/グループ単位でプラグインを展開でき、展開されたプラグインはユーザー側で削除できません。App Store 上の表示制限も可能です
  • プラグインを削除(または管理者が取り消し)すると、次のセッションからその Skill とコネクタが外れます(実行中のセッションは中断されません)

GA 時点で利用可能なパートナープラグイン(9 種)
Enosix / Harvey / LSEG / Miro / monday.com / Moodys / Morningstar / S&P Global Energy / TeamsMaestro

近日提供予定(GA 発表時点)
Adobe / Atlassian / Box / Canva / CB Insights / Databricks / MoneyForward / Templafy

また、FabricDynamics 365 Sales / Customer Service / ERP アプリも GA しています。


8. 業務シナリオで見る Cowork 活用例

🎯 シナリオ 1 — 朝の準備を 1 プロンプトで

状況: 始業時、メール+予定+タスクをまとめて把握したい

プロンプト例:

今日の予定、未読の重要メール、今週の期限タスクをまとめて、
1 ページのデイリーブリーフィングを Word で作って。

動作:

  • 🧭 Daily Briefing Skill → 予定とメールを集約
  • 📝 Word Skill → 1 ページにレイアウト
  • 💾 OneDrive に自動保存

効果: 毎朝 15 分の情報整理が 1 プロンプト・30 秒 に短縮。

💡 さらに一歩: 「毎朝 8 時半にこれを実行して」と付け加えれば、スケジュール実行として登録されます。


🎯 シナリオ 2 — 会議の事前準備&事後整理

状況: 来週の経営会議の議題と資料準備、会議後は議事録と TODO 抽出が必要

事前プロンプト例:

来週月曜の経営会議の出席者と過去の議事録を確認して、
今回の議題候補を 5 つと、関連資料リンク付きで PowerPoint を作って。

事後プロンプト例:

昨日の経営会議の Transcripts から、決定事項と TODO を抽出して、
出席者宛に「議事録 + TODO 一覧」のメール下書きを作って。

動作:

  • 📅 Meetings Skill → 議題候補と参考資料を抽出
  • 🎞️ PowerPoint Skill → スライド生成
  • ✉️ Email Skill → 議事録メール下書きを作成(送信前に承認ダイアログ)

効果: 会議の段取りと振り返りに使う時間を 半分以下 に。


🎯 シナリオ 3 — 競合調査レポートを Deep Research で

状況: 競合 3 社の最新動向をまとめて経営層にレポートしたい

プロンプト例:

A 社、B 社、C 社の生成 AI 戦略について、過去 6 か月の発表内容を調査し、
「投資領域 / 提供形態 / 価格 / Microsoft との差分」の 4 軸で
比較レポートを Word で作って。出典 URL も明記して。

動作:

  • 🔬 Deep Research Skill → 複数ソースを横断調査
  • 📊 Word Skill → 比較表付きレポートを生成
  • 🔗 出典リンクを自動付与

効果: 通常 2〜3 日かかる調査タスクが 数時間 で完了。

💰 コスト注意: このタイプは Heavy タスク(広範な集約+深い推論+多数の出力)に該当し、クレジット消費が大きくなります。実行前にタスク単位のコスト表示を確認しましょう。


🎯 シナリオ 4 — 週次レポート&Teams 共有を完全自動化

状況: 毎週金曜、自分のチームの活動サマリーを Teams に投稿している

プロンプト例:

今週の自分の Outlook と Teams 投稿から、チーム向け週次レポートを作って、
"Copilot daisuki butai" の General チャネルに Adaptive Card で投稿して。
毎週金曜 16 時に実行して。

動作:

  • 📋 Daily Briefing + Enterprise Search → 1 週間分の活動を集約
  • 📝 Communications Skill → 共有用に整形
  • 🃏 Adaptive Cards Skill → Teams 用カード生成
  • ⏰ スケジュール実行として登録

効果: 金曜午後の定例タスクを 完全自動化(投稿前に承認ダイアログは出ます)。


🎯 シナリオ 5 — 受信メールをトリガーに自動対応(NEW)

状況: 特定の申請メールが来るたびに、内容を要約して台帳に追記している

プロンプト例:

件名に「稟議申請」が含まれるメールを受信したら、
申請者・金額・目的を抽出して、OneDrive の「稟議台帳.xlsx」に行追加して、
私に Teams で通知して。

動作:

  • 👀 イベント駆動タスク → 受信メールを監視
  • 📧 Email Skill → 内容を抽出
  • 📊 Excel Skill → 台帳に追記
  • 🔔 通知(実行前に承認)

効果: 手作業の転記を撲滅。処理漏れもなくなります。


9. セキュリティとコンプライアンス

Cowork のプロンプト・応答・生成物は、既存の Microsoft 365 の統制を通ります。センシティビティラベルはエンドツーエンドで継承・表示されます。

9.1 GA 時点で対応済み

機能 状態
監査ログ(Audit log) ✅ 対応
Data Security Posture Management (DSPM) ✅ 対応
eDiscovery ✅ 対応
Insider Risk Management ✅ 対応
Data Lifecycle Management ✅ 対応(2026/6/22 GA)
Communication Compliance ポリシー ✅ 対応
Data Loss Prevention (DLP) 🕐 GA 発表時点で「近日対応」

⚠️ 2026年4月版の記事では「DLP に完全準拠」と記載していましたが、**GA 発表時点(2026/6/16)で DLP は「Coming soon」**でした。最新状況は Microsoft Learn でご確認ください。

9.2 アクセス権と実行環境

  • Cowork はあなたの権限を継承します。あなたがアクセスできないファイル/メールには Cowork もアクセスできません
  • 参照したファイル・メールにセンシティビティラベルが付いていれば、Cowork がそれを表示し、セッション内の最上位ラベルを示します
  • すべてのアクションは Microsoft 365 アカウントで認可され、セキュアな分離環境で実行されます
  • 生成ファイルは OneDrive / SharePoint ワークスペースに保存されます

10. ベストプラクティス & 注意点

10.1 上手に使うコツ

  • 動詞を最初に: 「〇〇して」「〇〇を作って」とゴールを先に伝える
  • 具体的に書く: 「メールを送って」より「マーケチームに先週のキャンペーン結果をまとめて送り、要約は PDF にして」の方が精度が上がります
  • 入力データはまとめて貼る: メール本文・URL・添付内容を 1 プロンプトに集約(最大 250,000 文字
  • 段階的に詰める: 1 発で完璧を狙わず「もう少し短く」「英語に直して」と対話で磨く
  • カスタム Skill の description を丁寧に: 「いつ呼ばれるか」を書くと自動選択の精度が上がる
  • モデルは基本 Auto: コストと品質のバランスを Cowork が取ってくれます
  • 繰り返す作業はスケジュール/イベント駆動に: 手で毎回打つのはもったいない

10.2 注意点

項目 内容
💰 従量課金 Copilot USL に加え Copilot Credits を消費。Heavy タスクは特に注意。管理者は上限設定を
⚙️ 既定はオフ 管理者による有効化・課金設定・Anthropic 有効化が必要
🌏 地域制限 Anthropic 対応国のみ。EU/EFTA・英国は既定オフ、かつ EU Data Boundary 対象外
🔒 出力検証 生成結果は 必ず人がレビュー してから送信/公開。特にカスタム Skill は Microsoft の検証対象外
📂 共有範囲 機微情報を扱う Skill は OneDrive のフォルダー権限を確認
💻 ローカルファイル ローカルファイルの直接アクセス・編集は不可(OneDrive / SharePoint 経由)
🗑️ 削除制限 OneDrive・SharePoint のファイル/フォルダーの 削除は不可
📎 添付サイズ 添付ファイルは 200 MB 未満
🔐 暗号化ファイル 権限があっても暗号化されたファイルは読めません
⏱️ 実行時間 数分〜数時間かかることも。クラウド実行なので PC を閉じても継続します

11. まとめ

  • Copilot Cowork2026年6月16日に GA。Frontier への参加は不要になりました 🎉
  • ただし利用には Microsoft 365 Copilot USL + 従量課金(Copilot Credits) が必要で、既定はオフ。管理者の有効化が前提です
  • Skills = Cowork が呼び出せる「機能の単位」。組み込み 13 種類 + カスタム 最大 50 個 + プラグイン
  • カスタム Skill は SKILL.md を OneDrive /Documents/Cowork/skills/ に置くだけ で作れる
  • スケジュール実行/イベント駆動タスクで、定型業務を丸ごと自動化できる
  • Agent Builder(旧 Copilot Studio Lite) とはレイヤーが違うので、用途で使い分けを
  • コストは タスクの重さ(Light / Medium / Heavy) に比例。見積もりツールと管理者の上限設定を活用しましょう

💡 次の一歩
「自分の業務でよく繰り返している作業」を 1 つだけ選んで、その手順を SKILL.md に書き起こしてみましょう。
さらに「毎週◯曜◯時に実行して」と付け加えれば、それだけで自動化が完成します。それが Cowork 活用の最短ルートです。


📎 参考リンク

公式発表・製品情報

リンク 内容
Copilot Cowork is now generally available(Microsoft 365 Blog, 2026/6/16) GA 発表。価格モデル、コスト管理、新機能、セキュリティ対応状況
Copilot Cowork 製品ページ 製品概要
Cowork in Progress(Tech Community) 機能追加の最新情報がまとまった製品ブログ
Microsoft 365 Copilot Frontier program 先行機能プレビュープログラム(Cowork は GA 済みのため参加不要)
Copilot Cowork 導入支援サイト 展開・活用のためのリソース集

Microsoft Learn(技術ドキュメント)

リンク 内容
Cowork の概要 Cowork とは/できること
Cowork を使い始める 前提条件、初回の使い方、承認フロー
Cowork の使い方 13 個の Skill 一覧、カスタム Skill 作成、スケジュール実行、イベント駆動タスク
よくある質問(FAQ) 制限事項、対応ファイル形式、モバイル対応、課金など
Cowork のカスタマイズ カスタム Skill の作成・共有
Cowork のプラグイン プラグインの追加と利用
Cowork の管理とガバナンス 管理者設定、従量課金、プラグイン管理、モデル管理
Cowork のモデル選択 モデルピッカーと各モデルの特性
ローカルブラウザーの利用 Microsoft Edge を使った Web タスク
Anthropic を副処理者として利用する Anthropic モデルの有効化/無効化、EU Data Boundary の扱い
Cowork の責任ある AI に関する FAQ 想定される用途と制約
Agent Builder in Microsoft 365 Copilot 宣言型エージェントの作成(旧 Copilot Studio Lite)
Microsoft Purview と Cowork 監査・コンプライアンス統制

コスト見積もり

リンク 内容
Cowork コスト見積もりスプレッドシート ペルソナ別・タスク別のコスト試算テンプレート
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