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Copilot for legalとは?法務向けスキル・変更履歴・プレイブックを使う前の確認ポイント

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執筆している2026年10月28日時点の情報です。Copilot for legalやCowork は更新が速い機能のため、最新情報は必ず公開情報(本記事末尾の参考リンク)もあわせてご確認ください。

本稿はMicrosoftの公開情報をもとに整理しています。実機検証は行っていません。依頼文と業務シーンは説明用の仮想例であり、実在の契約・顧客・案件の情報は使用していません。本稿は法律上の助言や、特定の契約条件に関する判断を提供するものではありません。

1. 契約書を要約できても、法務の仕事は終わらない

契約書をAIで要約できても、法務担当者にはその先の仕事が残ります。

  • どの条項を根拠にしているのか確認したい。
  • 社内の審査基準と照らして、問題点を整理したい。
  • 修正案をWordの変更履歴として確認したい。
  • 複数の契約から期限や義務を整理したい。

Microsoftは2026年10月15日、20種類以上の法務向けスキルと、新しいパートナー製プラグインの一般提供を発表しました。以前Legal Agentとして紹介された取り組みを基に、WordやCopilot Coworkで法務の作業を支援する機能として説明しています。

本稿では、単に「法務に使えるAI」ではなく、資料の確認、社内基準との照合、変更履歴、外部サービスとの接続を分けて整理します。

参考情報

2. この記事で分かること

  • 法務向けスキルで支援できる仕事
  • Wordでの文書作業と、Coworkでの複数ステップの仕事の違い
  • 法務プラグインを使い始める手順
  • プレイブックによる契約レビューと、変更履歴の扱い
  • 外部プラグイン、データ保護、日本語の法務業務で確認したい点

主な読者は、法務・契約管理の担当者、業務部門で契約書を扱う方、Microsoft 365のIT管理者です。

3. 何が一般提供され、何が別のプレビューなのか

10月15日の公式発表は、法務向けの新機能をCopilotの顧客へ世界で一般提供すると説明しています。利用条件は、より具体的なMicrosoft Supportの案内も合わせて確認します。

項目 公開情報で確認できたこと
Microsoft製の法務プラグイン WordのCopilotとCoworkで利用する
必要なライセンス 有効なMicrosoft 365 Copilotの商用ライセンス
Wordの案内対象 Wordデスクトップ
Wordでの初期状態 法務プラグインは既定で有効
Coworkでの開始 CustomizeからLegalプラグインを追加する

製品の呼称がMicrosoft Copilotへ移行する中でも、Supportはライセンス条件を「Microsoft 365 Copilot commercial license」と記載しています。本稿も契約確認に関わる箇所では、その表記を使います。

また、一般提供の発表と併せて、文書内の定義語と定義の間を移動するWordの新しい体験を、10月中にプレビュー予定と案内しています。これを一般提供済みの20種類以上のスキルと同じ扱いにはしません。本稿では、その後のプレビュー開始を確認できていません。

世界での一般提供という表現も、すべての言語・端末・個別テナントで同一の動作や法令対応を保証するものではありません。

参考情報

4. WordとCoworkで、支援する仕事を分ける

公式ブログは、Wordでは一つの文書を深く扱う仕事、Coworkでは複数の文書やステップにまたがる仕事を紹介しています。

作業の場所 支援する仕事の例 人が確認する点
Word 文書の要約、条項の説明、変更履歴による修正案 引用先、前後の文脈、修正による意味の変化
Word プレイブックに基づく契約レビュー 読み取られた社内ルール、適用範囲、修正案
Word 過去の契約やテンプレートを基にした新しい文書の下書き 使ってよいひな形か、入力値、残った未確定項目
Cowork 複数契約の主要条件の比較、義務や期限の整理、案件の時系列整理 対象資料の網羅性、根拠、改訂・追加契約の関係

法務向けスキルは、単に一般的なプロンプトを並べたものではなく、Wordの変更履歴やコンテンツコントロールなどと組み合わせて作業を支援すると説明されています。

ただし、AIの提案がWordの機能として表示されることと、法的に妥当な判断であることは別です。文書として整っているから正しい、とは考えません。

参考情報

5. 仮想例:契約を「根拠付きの確認一覧」にする

以下は架空の業務委託契約を対象とした筆者の提案例です。実行結果ではなく、出力の正確性や日本法への適合は検証していません。

最初から「この契約に問題はないか」と包括的な結論を求めるのではなく、担当者が確認できる一覧を作ることから始めます。

添付した架空の業務委託契約を、委託者側の確認作業のために整理してください。

対象は、契約期間、更新、解約通知、成果物の提出期限です。
項目ごとに次を示してください。

・契約書に書かれている内容
・根拠となる条番号または参照箇所
・関連する例外や、別条項への参照
・担当者による追加確認が必要な点

見つからない項目は、記載を確認できないと書いてください。
日付を計算した場合は、根拠と計算上の前提を分けてください。
法的な結論は出さず、文書の変更や外部への送信は行わないでください。

確認時には、出力だけでなく元の条項を読みます。例えば、期限の一覧が正しく見えても、別紙や変更契約で条件が変わっている可能性があります。

また、依頼文の「変更しない」「送信しない」は作業範囲を伝えるためのものです。アクセス権や外部接続の制御を、プロンプトだけで保証するものではありません。

6. 使い始める手順と、プレイブックによるレビュー

以下はMicrosoft Supportの公開手順を整理したものです。実環境での画面確認は行っていません。

Wordデスクトップで使う

  1. 有効なMicrosoft 365 Copilotの商用ライセンスを確認する。
  2. Wordデスクトップで対象文書を開く。
  3. Copilotを開き、確認したい内容を具体的に依頼する。
  4. 回答の引用を開き、参照された文書の箇所を確認する。

Supportによると、Copilotは文書が法務スキルを必要とするかを自動的に判断します。法務プラグインをオフにする場合は、Copilotのサイドバー右上のメニューからManage plugins & skills > Legalを操作します。

修正を依頼した場合は、提案を確認して採用・却下します。Acceptで提案を文書へ挿入すると、変更履歴として追加されるという説明です。提案の挿入と、Wordの変更履歴を最終的に承諾する操作を混同しないようにします。

プレイブックを使ってレビューする

プレイブックは、ここでは社内の契約審査基準や、判断ルールをまとめた文書です。Supportが案内するReview contractスキルは、プレイブックを読み取り、項目ごとのルールに分けて契約を確認します。

  1. プレイブックを使って契約をレビューしたいと依頼する。
  2. 求められたら、プレイブックをWord文書(.docx)形式で追加する。
  3. Copilotが抽出した審査ルールを確認し、必要なら修正する。
  4. Run Reviewでレビューを開始する。
  5. 項目ごとの分析と修正案を確認する。
  6. 採用する提案だけを、変更履歴として文書に挿入する。

ここで特に重要なのは、レビュー開始前に、AIが読み取ったルールを人が確認することです。誤ったルールで一貫して確認されても、業務上は正しいレビューになりません。

なお、Supportは、この契約レビュー機能は現時点でプレイブックにのみ対応し、テンプレートやその他の文書をそのまま基準にしたレビューには未対応と説明しています。過去契約やテンプレートを使った下書き作成とは、別の機能です。

Coworkで使う

  1. Cowork > Customizeを開く。
  2. Legalを検索するか、Roles & Industryを開く。
  3. Legal for Coworkを選び、Addで追加する。
  4. /コマンドや+メニューからスキルを呼び出し、対象資料と目的を指定する。

Supportは、利用者の意図に応じてスキルが暗黙的に呼び出される場合もあると説明しています。明示的に呼び出したかどうかにかかわらず、利用した資料と結果を確認します。

参考情報

7. 外部プラグインとデータ保護は、別々に確認する

法務の情報源は、Microsoft 365内の文書だけとは限りません。公式発表は、外部の専門サービスとつなぐパートナー製プラグインも紹介しています。

分野 発表に掲載されている例
法務リサーチ Bloomberg Law、Trellis
文書・案件管理 iManage Work、NetDocuments
契約・電子署名 Docusign、Adobe Acrobat Sign
法務向けAI Harvey、Legora
E-Discovery・法務情報分析 Everlaw、Relativity

これは紹介されたサービスの一部です。名称が掲載されていることだけで、自社の契約で利用できる、無料で含まれる、すべて同じ地域で提供される、と判断しません。

接続前に、サービスの契約、管理者の許可、接続するアカウント、取得・送信するデータ、保存・保持条件を確認します。本稿では、各パートナーの詳細な利用条件までは確認していません。

一方、Microsoftの公式説明では、Copilotは利用者のアクセス権と秘密度ラベルを尊重し、プロンプト、応答、Microsoft Graphを通じてアクセスするデータを基盤モデルの学習に使用しないとしています。

ただし、Microsoft側のデータ保護の説明を、そのまま接続先のすべてのサービスへ広げないことが重要です。利用できる監査・保持などの機能も、契約プランによって異なります。Web検索についても、Microsoft 365内の処理とは別のデータ取り扱いが案内されています。

契約情報を扱う場合は、Microsoft側の保護と、外部接続先へ渡るデータの条件を、分けて確認してください。

参考情報

8. 法務担当者とIT管理者が、導入前に確認したいこと

Microsoft Supportは、Copilotは法律上の助言や専門的な判断を提供せず、有資格の専門家の判断に代わるものではないと明記しています。AIの出力には誤りがあり得るため、利用前の確認が必要です。

これを踏まえ、筆者は次の確認表を提案します。

観点 確認したいこと
利用範囲 要約、確認一覧、修正案など、どこまでを支援に任せるか
社内基準 承認済みのプレイブックと、その更新責任者が決まっているか
文書の扱い 実契約を使ってよいか、アクセス権や共有先が適切か
確認方法 引用先、変更履歴、未確定の値を誰が確認するか
外部接続 契約、データ送信先、保持条件を説明できるか
結果の利用 最終判断と承認を誰が行うか

本稿では、次の事項を確認できていません。

  • 日本語契約の解釈品質、日本法・各国法・個別分野への適合
  • Mac、Web、モバイルを含む端末別の対応範囲と個別テナントでの表示
  • 日本語プレイブックでのルール抽出精度と、重要事項の見落とし率
  • パートナー製プラグインごとのライセンス、料金、提供地域、データ条件
  • Coworkでの複数契約の網羅性、処理上限、実際のクレジット消費
  • 定義語を移動するWordの新しいプレビュー体験の開始状況

公式ブログには利用者の採用率や内部評価も掲載されていますが、それを日本語契約の正確性や、自社での効果の保証としては扱いません。

最初の評価では、実在の秘密情報を含まない資料を使い、人による確認を前提に、対象の作業を絞って検証するのがおすすめです。

参考情報

9. まとめ

Copilot for legalのポイントは、法務向けの支援を、Wordの文書作業やCoworkの複数ステップの仕事へつなげることです。

導入を考える際は、次の三つを分けると整理しやすくなります。

  1. Microsoft製の法務スキル: ライセンス、利用場所、プラグイン設定を確認する。
  2. パートナー製プラグイン: 外部サービスの契約とデータ条件を確認する。
  3. 人の判断: 根拠、社内基準、修正の意味、最終承認を担当者が確認する。

最初から契約審査全体を任せるのではなく、根拠をたどれる確認一覧や、レビュー可能な修正案から始める。その進め方が、実務での評価に向いていると考えます。

参考リンク

  • Introducing Microsoft Copilot for legal — Microsoft Community Hub、2026年10月15日公開・更新。一般提供の発表、WordとCoworkの役割、パートナー製プラグイン、別途プレビュー予定の機能(第1・3・4・7・8章)。
  • Get started with Copilot for legal — Microsoft Support、公開日・更新日は取得できた本文に記載なし。2026年10月27日確認。ライセンス、操作手順、プレイブック、変更履歴、専門家による確認の必要性(第3・4・6・8章)。
  • Enterprise data protection in Microsoft Copilot and Microsoft Copilot Chat — Microsoft Learn、文書日2026年5月29日、取得データの更新日8月18日。製品名称の移行、アクセス権、学習利用、契約条件、Web検索のデータ取り扱い(第3・7章)。

本記事について

本記事は、公開情報をもとに内容を整理し、できるだけ分かりやすく解説することを目的として作成しています。記載内容は個人の見解であり、所属組織の公式見解を示すものではありません。少しでもお役に立てればうれしいです。

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