2026年10月、これまで「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」と呼ばれてきた試験の正式名称が"「高度情報技術試験」"となることが、経済産業省の省令案で示されました。本記事は、新しい名称で内容を整理し直したものです。
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はじめに
2027年度から始まる「高度情報技術試験」のシステム区分。クラウド・セキュリティ・アジャイル・AIといった、現代のエンジニアが日々関わる技術領域が幅広く出題される区分です。
本記事では、システム区分のシラバス・出題傾向・効率的な対策方法を解説します。インフラエンジニア・クラウドエンジニア・セキュリティエンジニアの方はぜひ参考にしてください。
本記事は個人として調査・まとめたものです。シラバスの内容はIPA公式のシラバス案(Ver.0.2)をもとにしていますが、試験制度の詳細は今後変更される可能性があります。最新情報はIPA公式サイトをご確認ください。
出典:IPA 新試験制度のサンプル問題について
システム区分の対象者像
高度情報技術試験のシステム区分は、技術系IT人材を対象としています。
こんな方が対象
- クラウドインフラの設計・構築・運用を担うエンジニア
- ネットワーク・セキュリティの設計・運用担当者
- アジャイル・DevOps開発に関わる開発者・SRE
- IoTシステムの設計・開発者
- AI・データ活用システムの構築者
業務でこれらの領域に関わっている方なら、知識面ではアドバンテージがある試験といえます。ただし、科目B(シナリオ型問題)では技術知識だけでなく、事業・コスト・リスクを考慮した総合的な判断力が求められます。
シラバスの出題分野:7大テーマ
IPA公式シラバス案(Ver.0.2)をもとに、システム区分の主な出題分野をまとめます。
① クラウドコンピューティング・インフラ設計
【含まれるトピック】
・クラウドサービスモデル(IaaS/PaaS/SaaS/FaaS)
・クラウド移行戦略(Lift & Shift, Re-Platform, Re-Architect等)
・マルチクラウド・ハイブリッドクラウド
・コンテナ・オーケストレーション(Docker, Kubernetes)
・サーバーレスアーキテクチャ
・クラウドコスト最適化(FinOps)
出題で問われること:クラウドの技術的特性を理解した上で、要件(可用性・コスト・拡張性・セキュリティ)を満たす最適な構成を選択する能力。
② ネットワーク・通信
【含まれるトピック】
・ネットワークアーキテクチャ設計
・SDN(Software Defined Networking)
・ゼロトラストネットワーク
・5G・次世代通信技術
・CDN・エッジネットワーク
③ 情報セキュリティ
【含まれるトピック】
・セキュリティアーキテクチャ設計
・ゼロトラストセキュリティ
・脅威インテリジェンス・インシデント対応
・SIEM・SOC・セキュリティ監視
・クラウドセキュリティ(CSPM・CWPP等)
・脆弱性管理・ペネトレーションテスト概念
・コンプライアンス対応(GDPR・個人情報保護法等)
セキュリティはシステム区分の中で出題比重が高いと予想されます。技術的な対策手法だけでなく、リスクベースアプローチ・セキュリティガバナンスの観点も重要です。
④ アジャイル開発・DevOps
【含まれるトピック】
・スクラム・カンバン等のアジャイルフレームワーク
・CI/CD(継続的インテグレーション・デリバリー)
・Infrastructure as Code(IaC:Terraform, Ansible等)
・サイト信頼性エンジニアリング(SRE)
・DevSecOps(開発・セキュリティ・運用の統合)
⑤ IoT・エッジコンピューティング
【含まれるトピック】
・IoTシステムアーキテクチャ
・エッジコンピューティング・フォグコンピューティング
・IoTセキュリティ
・センサー・デバイス管理
⑥ データ管理・データ基盤
【含まれるトピック】
・データアーキテクチャ設計
・データレイク・データウェアハウス・データメッシュ
・データ品質管理・データガバナンス
・ストリーミング処理(Apache Kafka等の概念)
⑦ AI・機械学習の実務的活用
【含まれるトピック】
・MLOps(機械学習モデルの運用)
・生成AI・LLMの業務活用
・AIシステムの倫理・ガバナンス
・AIセキュリティ・プライバシー保護
データ・AI区分とシステム区分でAI関連の出題が重なる部分もありますが、システム区分ではAIシステムの構築・運用・セキュリティの観点が中心となります。
科目Bの問題形式:シナリオ型の特徴
システム区分の科目Bは、実務的なシナリオに基づく四肢択一問題です。
問題の典型パターン
パターン①:アーキテクチャ選択型
【状況】
A社は基幹業務システムをオンプレミスからクラウドへ移行する予定。
要件:
- 99.99%の可用性
- 月次のコストを現行比30%削減
- 3ヶ月での移行完了
次のクラウド移行アプローチのうち、最も適切なものはどれか。
パターン②:インシデント対応型
【状況】
B社のSOCチームがSIEMで異常なログインパターンを検知した。
外部からの不審なアクセスが複数のアカウントで確認されている。
この状況でまず取るべき対応はどれか。
パターン③:技術選定型
【状況】
C社のエンジニアチームはマイクロサービスへの移行を進めている。
サービス間通信の方式を選定する必要がある。
スケーラビリティ・疎結合・障害分離を重視する場合、
最も適した通信方式はどれか。
共通して「制約条件をふまえた最適解」を問う形式です。技術知識だけでなく、「なぜその選択が最適か」の根拠を持つことが重要です。
システム区分の学習優先度
時間が限られている場合、以下の順序で学習を進めることをおすすめします。
優先度:高
① セキュリティ(出題頻度が高い・重要度大)
② クラウド(現代インフラの主軸・出題範囲広い)
優先度:中
③ アジャイル・DevOps(開発現場での実務と直結)
④ ネットワーク(基礎として押さえておく)
優先度:やや低
⑤ IoT・データ・AI(基礎概念の理解でカバー可能)
問題演習で実力を確認する
シラバスを読んだ後は、実際の問題を解いて理解度を確認することが重要です。
使える無料リソース
① IPA公式サンプル問題(科目B)
2026年8月31日公開。実際の試験に近い形式を体験できます。
→ IPA サンプル問題ページ
② 高度情報技術試験 問題演習道場(無料・160問)
シラバス準拠のオリジナル演習問題を収録。システム区分は75問。全問解説付き。
| 区分 | 問題数 |
|---|---|
| IPA公式サンプル(システム) | 6問 |
| オリジナル演習(システム区分) | 75問 |
| 合計 | 81問 |
演習できる主なジャンル(システム区分)
- クラウド・インフラ設計
- セキュリティ・インシデント対応
- アジャイル・DevOps
- ネットワーク設計
- IoT・AI活用
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まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | クラウド・NW・セキュリティ・アジャイルに携わるエンジニア |
| 出題分野 | クラウド・セキュリティ・アジャイル・NW・IoT・データ・AI |
| 科目B形式 | シナリオ型・四肢択一(判断力・総合力を問う) |
| 学習の優先度 | セキュリティ>クラウド>アジャイル・DevOps |
| 今できること | サンプル問題・問題演習道場で現状把握 |
高度情報技術試験のシステム区分は、技術の幅広さと実務的な判断力の両方が問われます。シラバスに沿って体系的に学び、問題演習で「判断の型」を身につけることが合格への近道です。
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