1. はじめに
都立中央図書館(港区南麻布)は「国内の公立図書館では最大級の約232万冊を所蔵しており、このうち、新しい図書を中心に約35万冊を開架1」している図書館です。JIS規格票に加えてISOやIECの英和対訳版も揃っていたり日科技連出版や日本規格協会をはじめとする品質エンジニアに役立つ書籍が多数所蔵されています2。また、開架書庫が充実していて「ついで読み」ができるのも魅力です。
2. インシデント報告の理論と実践
「インシデント報告の理論と実践」は都立中央図書館で日科技連出版で蔵書検索し、タイトルから不具合の混入防止や流出防止の検討に役立ちそうと思った本です。インシデントの収集、分析、再発防止にフォーカスした書籍で、2階の509.8(工業災害・労働災害・工場安全)の棚にあります34。インシデントの分析手法として「ハインリッヒの法則」、「スイスチーズモデル」、「ラスムッセンのリスクマネジメントフレームワーク」を概観する第1章、第2章は品質エンジニアなら誰でも目を通すのがおススメです。
3. 産業現場のノンテクニカルスキルを学ぶ
「産業現場のノンテクニカルスキルを学ぶ」は製油所や化学プラントなどの工場をはじめとする現場業務の事故防止や保安安全活動にフォーカスした書籍です。インシデント報告の理論と実践と同じ509.8の棚にあり5タイトルが気になって読んでみたのですが、この本で取り上げられている「危険敢行性」はソフトウェア開発も無縁ではないと思いました。
一方、「危険感受性」と関係なく、実際の行動において不安全なことを意識的に、あるいは無意識にやってしまうことがある。設備を止めなくても作業できるだろう、朝の危険予知ミーティングでその危険作業を取り上げたが、そこまでしなくていいだろうと考えたなどなど。よく考えれば危険とわかっていても「やってしまう」ことは作業現場以外の日常生活でもしばしばある。「駆け込み乗車はおやめください」と放送があっても出発間際の電車に乗るため、階段を駆け下りる。
この危険なことでも「やってしまう」傾向を「危険敢行性」といい、「効率の良さを求める本能(誰もが持っている身体のエネルギー消費を最小限にするための本能)」とでもいえるものである。
しかし、私たちの職場で取り扱う物は重かったり、大きなエネルギーを持っており、「やってしまう」ことが大きな災害に結び付いたことがあった。作業の要所要所で用心深く行動することが災害防止には不可欠である。(pp.242-243)
ソフトウェアの設計や品質保証の業務で重たいものや大きなエネルギーを持つものといえば試験設備の取り扱いやたまに発生するサーバの無停電電源装置の設置・交換があるし、バグの重要度や優先度を小さめに見積もって修正を先送りにするのも危険敢行性に当てはまるでしょう。
開架書庫で背表紙を眺めて目に留まった書籍はそれが異業種向けでも自分事として読むと新しい視点が得られると改めて思いました。
4. アクセス
最寄りの交通機関6は都営バス橋86系統(目黒駅前〜新橋駅前)愛育クリニック前停留所から徒歩2分、あるいは東京メトロ日比谷線広尾駅から坂道を登りながら徒歩8分です。日比谷線への乗り継ぎが不便な場合は都営バス 品97系統(品川車庫前~新宿駅西口)も押さえるのがおススメです。
横浜から行く場合は次のように乗換は1回で済みます。
- 横浜—[東横線]—中目黒—[日比谷線]—広尾(487円)
- 横浜—[湘南新宿ライン]—恵比寿—[日比谷線]—広尾(618円)
ところが川崎から電車だけで行こうとすると乗換が2回以上発生します。
- 川崎—[東海道線]—品川—[山手線]—恵比寿—[日比谷線]—広尾(519円)
- 川崎—[東海道線]—新橋—[銀座線]—銀座—[日比谷線]—広尾(519円)
- 川崎—[京浜東北線]—田町—[山手線]—有楽町—[徒歩]—日比谷—[日比谷線]—広尾(519円)
- 川崎—[南武線]—武蔵小杉—[東横線]—中目黒—[日比谷線]—広尾(614円)
- 京急川崎—[京急本線]—泉岳寺—[浅草線]—東銀座—[日比谷線]—広尾(563円)
ここで品川から都営バス7を利用すると乗換が1回で済み費用も安くなります8。
- 京急川崎—[京急本線]—品川—[徒歩]—品川駅高輪口—[都営バス・品97]—広尾駅前(450円)
なお、橋86系統9は本数が少なく川崎からは費用も増えますが広尾駅から坂道を登らずに済むルートで覚えておくと役立つかもしれません。
- 川崎—[東海道線]—新橋—[徒歩]—新橋駅前—[都営バス・橋86]—愛育クリニック前(551円)
また、都立中央図書館から品川駅へは4km弱のゆるい下り坂で、行きは公共交通機関、帰りは徒歩で運動不足解消を図るのもおススメです。
5. 食堂・カフェ
5階にカフェテリアがあり有栖川食堂のほか持参したお弁当も食べられます10。また、1階にカフェ(有栖川珈琲)があります。注意点は、1.土日は有栖川食堂、有栖川珈琲ともお休み、2.カップラーメンなどに必要なお湯の提供はない、3.汁物の持ち込みはご遠慮ください、です。
広尾駅前は上島珈琲店やスターバックスなど全国チェーンのカフェも含め飲食店はいろいろありますが全国チェーンのファーストフードとなるとケンタッキー・フライド・チキンやリンガーハット、CoCo壱番屋くらいで近隣だと恵比寿や六本木、麻布十番が充実しています。マクドナルド広尾店は2020年9月30日に閉店していてちょっと小腹がすいたので駅前のマクドへというわけにはいかないため、特に土日はあらかじめ腹ごしらえ作戦が大事です。
6. おわりに
都立中央図書館は平日は午前10時~午後9時、土日祝日は午前10時~午後5時30分と国立国会図書館よりも遅くまで開館していたり品質エンジニアにとって開架書庫の充実ぶりはたいへんありがたいです。また、国立国会図書館の関西館にあって東京本館にないものが都立中央図書館にあったりもして上手に併用したいところです。
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例えば2026/6/30時点で出版年を「2020~2026」、出版者を「日科技連出版」「日本規格協会」で詳細検索するとそれぞれ94件、515件がヒットします ↩
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https://catalog.library.metro.tokyo.lg.jp/winj/opac/switch-detail-iccap.do?bibid=1154325643 ↩
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https://catalog.library.metro.tokyo.lg.jp/winj/opac/switch-detail.do?lang=ja&bibid=1153052107 ↩
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費用は2026/6/30時点。京浜東北線は快速運転を想定。また、青砥行きの京急本線であれば乗換は東銀座の1回ですが京急、都営、東京メトロの3路線を経由するため費用は高くなります。 ↩