フィーチャ(Feature)とは
フィーチャは、システムやプロダクトが持つ機能や特徴のことです。技術的な観点から「何ができるか」を表現します。
フィーチャの特徴
- 機能中心:システムが持つ具体的な機能
- 技術的:開発者視点での実装内容
- 手段:目的を達成するための方法
フィーチャの例
× ログイン機能
× 検索機能
× 通知機能
× レスポンシブデザイン
× APIの実装
効能(Benefit)とは
効能は、フィーチャによってユーザーが得られる価値や利益のことです。ユーザー視点から「なぜ必要なのか」「どんな価値があるのか」を表現します。
効能の特徴
- 価値中心:ユーザーが得られる利益
- ユーザー視点:顧客の課題解決や満足度向上
- 目的:なぜその機能が必要なのか
効能の例
○ セキュアにアクセスできる
○ 欲しい情報を素早く見つけられる
○ 重要な更新を見逃さない
○ どのデバイスでも快適に利用できる
○ 他システムと連携してワークフローを効率化できる
違いの図解
アジャイル開発での重要性
ユーザーストーリーでの活用
アジャイル開発では、ユーザーストーリーで効能を重視します:
❌ フィーチャ中心の書き方
ログイン機能を実装する
✅ 効能中心の書き方
As a ユーザー
I want セキュアにシステムにアクセスしたい
So that 安心してサービスを利用できる
プロダクトバックログでの整理
| 項目 | フィーチャ | 効能 |
|---|---|---|
| 優先順位 | 技術的な実装順序 | ビジネス価値順 |
| 評価基準 | 機能の完成度 | ユーザー満足度 |
| コミュニケーション | 開発チーム内 | ステークホルダー全体 |
実践的な変換例
ECサイトの例
| フィーチャ | 効能 |
|---|---|
| 商品検索機能 | 欲しい商品を素早く見つけられる |
| カート機能 | 複数商品をまとめて購入できる |
| レビュー機能 | 他の購入者の意見を参考にして安心して買い物できる |
| 決済機能 | 安全で便利に支払いができる |
社内システムの例
| フィーチャ | 効能 |
|---|---|
| 承認ワークフロー | 業務の進捗を可視化し、承認を効率化できる |
| 通知システム | 重要なタスクを見逃さず、対応漏れを防げる |
| ダッシュボード | 業務状況を一目で把握し、適切な判断ができる |
| 権限管理 | セキュリティを保ちながら必要な情報にアクセスできる |
アジャイルチームでの活用ポイント
レトロスペクティブで (振り返りで)
- フィーチャ:実装した機能の振り返り
- 効能:ユーザーに提供できた価値の振り返り
ステークホルダーとの会話で
- フィーチャ:開発の進捗報告
- 効能:ビジネス価値の説明
まとめ
アジャイル開発では、フィーチャ(機能)から効能(価値)への視点転換が重要です。技術的な実装だけでなく、ユーザーにとっての価値を常に意識することで、本当に必要なプロダクトを開発できます。
フィーチャ(何を作るか) → 効能(なぜ作るか)
この視点転換により、チーム全体がユーザー中心の開発を実践できるようになります。