この記事で分かること
2026-09-22 の Claude Opus 5.5 公開と同時に、Anthropic は次の3つを出しました。
- 「Prompting Claude Opus 5.5」(日本語版あり)
- 「What's new in Claude Opus 5.5」
- 移行ガイド
2026-09-30 にこれらを読み、Opus 5 のころの書き方で公式が「やめて」「変えて」と書いた8つを、原文と Before/After つきで並べます。最後に、公式のとおり「中」にした Opus 5.5 と Opus 5「高」を同じバグ修正で比べた実測と、今日やる設定のチェックリストを載せています。
claude.ai でモデルとエフォートを切り替える画面(スクショ6枚)は、こちらにまとめました。
先に一覧
結論:8つの一覧
| # | やめる → 変える | 原文の強さ | 対象 |
|---|---|---|---|
| 1 | Opus 5 の effort を持ち越す → medium から自分の eval で測る |
言い切り | 設定 |
| 2 | 「よく考えてから答えて」 → 外すのを検討 | consider | プロンプト |
| 3 | 「推論を書き出せ」「考えずに答えて」 → 消して low から |
言い切り | プロンプト |
| 4 | プロンプトで思考を減らす → effort を下げる | 推奨 | 設定 |
| 5 | 「AIっぽさを避けて」 → 避けるパターンを名指し | 推奨 | プロンプト |
| 6 | text だけの end_turn を完了扱い → 報告として読み、自動継続は2〜3回まで |
言い切り | エージェント |
| 7 |
thinking の disabled / budget_tokens → 省略か adaptive
|
400 | API |
| 8 |
tool_choice の any / tool → auto + strict
|
400 | API |
前提となる基本情報です。
- モデル ID:
claude-opus-5-5 - 料金:入力 $4 / 出力 $20 per MTok(Opus 5 は $5 / $25)
- 既定の effort:
medium(Opus 5 はhigh)
- 以下の英文は原文からの短い引用、日本語はその要約です
- Before/After のプロンプト文は筆者の作例です
- Python は公式ドキュメントの書き方に合わせたもので、筆者は API では実行していません
1. effort を Opus 5 から持ち越さない:medium から自分の eval で測り直す
- プロンプトガイドの「Calibrate effort」:Opus 5 の設定を "rather than carrying over"(日本語版では「引き継ぐのではなく」)、
mediumから始めて自分の eval で数段試す - What's new:"re-run your sweep"

出典:Claude Docs「Prompting Claude Opus 5.5」の該当箇所(黄色のマーカーは筆者)
同じ名前でも中身が違うからです。What's new によると既定が medium に下がり、同じ effort でも Opus 5 より1ターンの思考量が多い傾向があります(特に xhigh / max)。だから値は持ち越さず、medium を明示して測り直します。 xhigh と max は品質の向上を測れたときだけ、ともガイドは書いています。
Before(Opus 5 のころ)
m = client.messages.create(
model="claude-opus-5-5",
max_tokens=16000,
output_config={"effort": "high"}, # Opus 5 で決めた値のまま
messages=messages,
)
After(Opus 5.5)
m = client.messages.create(
model="claude-opus-5-5",
max_tokens=16000,
output_config={"effort": "medium"}, # 明示して、eval で low / high と比べる
messages=messages,
)
2. 「よく考えてから答えて」はシステムプロンプトから外すのを検討する
チャット用のシステムプロンプトにある「よく考えて」類について、ガイドは "consider removing them"、外すと "replies start sooner" としています。

出典:Claude Docs「Prompting Claude Opus 5.5」の該当箇所(黄色のマーカーは筆者)
adaptive thinking が常時オンで、考える量は effort が決める作りになったためです。ただし8つの中でここだけは "consider" なので、外した版と残した版を同じ質問セットで比べてから決めます。
Before(Opus 5 のころ)
あなたは社内ヘルプデスクのアシスタントです。
回答する前に、ステップごとによく考えてから答えてください。
回答は日本語で、3文以内にまとめてください。
After(Opus 5.5)
あなたは社内ヘルプデスクのアシスタントです。
回答は日本語で、3文以内にまとめてください。
3. 「推論を書き出せ」「考えずに答えて」は消して、low から測る
thinking 無効で運用していたプロンプト向けの節です。
- 推論を本文に書き出させる指示:"remove that instruction"
- effort:"Start at
loweffort and measure" - 思考を禁じるルール:"remove the no-thinking rule either way"

出典:Claude Docs「Prompting Claude Opus 5.5」の該当箇所(黄色のマーカーは筆者)
Opus 5.5 は thinking を無効にできない(7番)ので、無効が前提の指示は前提ごと消えています。速さのために thinking を切っていたなら、置き換え先は low です。
Before(Opus 5 のころ)
最終回答の前に、<reasoning> タグの中に推論を順に書き出してください。
考え込まずに、すぐ答えてください。
次の問い合わせを「請求」「技術」「その他」のどれかに分類してください。
After(Opus 5.5)
次の問い合わせを「請求」「技術」「その他」のどれかに分類してください。
Before(Opus 5 のころ)
thinking={"type": "disabled"},
After(Opus 5.5)
output_config={"effort": "low"}, # 速さを取るなら、まず low で測る
4. 思考を減らしたいなら、プロンプトより先に effort を下げる
ガイドは、思考を減らしたいときはプロンプトで指示するより先に effort を下げるよう勧めています(要約)。

出典:Claude Docs「Prompting Claude Opus 5.5」の該当箇所(黄色のマーカーは筆者)
3番と4番は、深さのつまみが effort に一本化されたという同じ話です。effort のページでは low はサブエージェント向けとされているので、分類や抽出を任せる子エージェントから下げます。
Before(Opus 5 のころ)
m = client.messages.create(
model="claude-opus-5-5",
max_tokens=4000,
system="簡単な質問が多いので、考えすぎずに即答してください。",
messages=messages,
)
After(Opus 5.5)
m = client.messages.create(
model="claude-opus-5-5",
max_tokens=4000,
system="社内FAQに答えるアシスタントです。",
output_config={"effort": "low"},
messages=messages,
)
5. 「AIっぽさを避けて」ではなく、避けたいパターンを名指しする
「Frontend design defaults」の節で、一般的な「AIっぽさを避けて」は "mostly swaps one default for another"、つまりある定番を別の定番に替えるだけだとしています。

出典:Claude Docs「Prompting Claude Opus 5.5」の該当箇所(黄色のマーカーは筆者)
出力を見て守れたか判定できる粒度で書くのがポイントです。 並べるのは、自分のプロダクトで何度も出てきた定番です。
Before(Opus 5 のころ)
汎用的なAIっぽいデザインは避けてください。
After(Opus 5.5)
次のものは使わないでください。
- 紫から青へのグラデーション背景
- 見出しの頭に付ける絵文字
- すべてのカードを同じ角丸と影でそろえるレイアウト
列挙の中身は筆者の作例です。
6. text だけの end_turn を完了とみなさない。自動継続は2〜3回で止める
「Unattended agentic runs」の節の要点です。
- text だけで終わる
end_turnは完了の証拠ではなく報告として扱い、タスクリストで残りを確かめる - 自動の続行は "stop after two or three automatic continuations"
- バックグラウンドの処理が動いている間も "don't treat the task as done yet"

出典:Claude Docs「Prompting Claude Opus 5.5」の該当箇所(黄色のマーカーは筆者)
止まった=完了ではないので、ループ側で残りを確かめ、自動の続行に上限を置きます。
Before(Opus 5 のころ)
while True:
resp = run_turn(messages)
if resp.stop_reason == "end_turn":
break # 止まったら完了
After(Opus 5.5)
MAX_CONTINUATIONS = 3
continuations = 0
while True:
resp = run_turn(messages)
if resp.stop_reason == "end_turn":
if not remaining_tasks():
break # タスクリストが空なら完了
if continuations >= MAX_CONTINUATIONS:
mark_incomplete() # 上限。完了ではなく人に回す
break
continuations += 1
messages.append(nudge("タスクリストの残りを続けてください"))
-
run_turnなどは説明用の擬似コードです - 上限に達したときの扱いまではガイドにないので、
mark_incomplete()のように完了と分けて記録すると安全です
7. thinking の disabled と budget_tokens をコードから消す(400)
What's new の見出しは「Thinking can't be disabled」です。{"type":"disabled"} と {"type":"enabled","budget_tokens":N} はどちらも 400 になるので、thinking は省略するか adaptive にします。

出典:Claude Docs「What's new in Claude Opus 5.5」の該当箇所(黄色のマーカーは筆者)
max_tokens には思考の分も含まれるので、budget_tokens で思考を抑えていたなら max_tokens も見直します。
Before(Opus 5 のころ)
thinking={"type": "enabled", "budget_tokens": 8000},
After(Opus 5.5)
thinking={"type": "adaptive"}, # 省略してもよい
output_config={"effort": "medium"}, # 深さは effort で決める
8. tool_choice の any / tool(ツールの強制)をやめる(400)
What's new の見出しは「Forced tool use is not supported」です。代わりは次のどちらかです。
-
autoとstrict: trueの組み合わせ - structured outputs

出典:Claude Docs「What's new in Claude Opus 5.5」の該当箇所(黄色のマーカーは筆者)
強制ツールを「必ず JSON で返させる」ために使っていたなら、ツールを経由せず structured outputs に寄せるほうが目的に素直です。
Before(Opus 5 のころ)
tools = [{
"name": "record_ticket",
"input_schema": {...},
}]
tool_choice = {"type": "tool", "name": "record_ticket"}
After(Opus 5.5)
tools = [{
"name": "record_ticket",
"strict": True,
"input_schema": {...},
}]
tool_choice = {"type": "auto"}
ほかにも変わった点
- 応答の先頭ブロックを text と決めつけない。thinking ブロックで始まるので、
content[0].textではなく各ブロックのtypeで選ぶ -
computer_20251124は Claude API と Google Cloud で 400。computer_toolset_20260801へ(Bedrock は従来どおり) - 別モデル(Fable など)の thinking ブロックは持ち越せない
- ツール呼び出しの合間のテキストは thinking ブロックで返り、既定の
displayでは空。進捗を表示していたならdisplay: "updates"(beta) -
max_tokens128,000 は、エージェント用途で Anthropic のテストでうまくいった実績。決まりではない - トップレベルの effort をリクエスト間で変えるとキャッシュが無効になる。途中で変えるなら per-message effort(beta)
- 貼り付けテキストは
<pasted_content id="...">で囲み、扱いをシステムプロンプトに書く
1つ目の直し方の例です。
for b in m.content:
if b.type == "text": # 先頭が text とは限らない
print(b.text)
公式のとおり試した:Opus 5.5「中」vs Opus 5「高」
1番の「medium から」の根拠は、ガイドの「medium で Opus 5 の high と同等以上、ステップもトークンも少ない」という主張です。これを claude.ai(Max プラン)で1課題だけ確かめました。エフォートは、各画面でおすすめと表示される「中」と「高」です。
課題は、合計が1円多くなる + 1 のバグを入れた関数です。
次の Python 関数の問題点を挙げ、直したコードと、pytest のテストを3つ書け。説明は日本語で短く。
def split_budget(total_yen, weights):
"""total_yen を weights の比で配分し、合計が total_yen に一致する整数のリストを返す"""
s = sum(weights)
parts = [total_yen * w // s for w in weights]
parts[0] += total_yen - sum(parts) + 1
return parts
送信から返答完了までをブラウザで測りました(1回目は新しいチャット、2回目は「再試行」)。
| 条件 | 1回目 | 2回目 | 回答の長さ | 挙げた問題点 |
|---|---|---|---|---|
| Opus 5.5・中 | 17.3秒 | 18.3秒 | 約1,800〜2,000字 | 3〜4個 |
| Opus 5・高 | 46.0秒 | 39.2秒 | 約2,900字 | 6〜7個 |
どちらも + 1 を1番目に挙げ、端数を最大剰余法で配る形に直しました。ただし作りは分かれました。
Opus 5.5 は整数の余り(%)で配る短い版で、不正な入力は ValueError、float は「前提外」と注記するだけでした。
Opus 5 は Fraction で厳密に計算し、ジェネレータ・float・負の金額まで受ける形でした。
手元の pytest では、Opus 5.5 のコードとテストが 6 passed、Opus 5 が 10 passed(parametrize 込み)でした。元のバグ入りコードに当てるとどちらも全件 failed で、どちらのテストもバグを捕まえています。
読み方
- 平均は 17.8秒と 42.6秒で、平均の比で約2.4倍の差
- 本命のバグと直し方は同じだったので、この課題では「中」で Opus 5「高」と同じ結論に届いた、とまでは言える
- 入力の型まで守りたいコードなら、Opus 5「高」の答えのほうが手直しは少なく済んだ
- 1課題・各2回の参考値で、回線や混雑の影響を含みます
- Opus 5.5「高」との比較はしておらず、トークン数も claude.ai では見えません
- 網羅性が要る課題では、公式の言うとおり自分の eval で effort を上げて比べる余地が残ります
今日やる設定チェックリスト
-
output_config.effortを明示(まずmedium)し、自分の eval でlow/highと比べる - システムプロンプトの「よく考えて」類を外した版と、残した版を比べる
-
「推論を書き出せ」「考えずに答えて」を消す(thinking 無効で運用していたなら
lowから) - 思考を減らす指示は、プロンプトではなく effort に置き換える
- フロントエンドの「AIっぽさを避けて」を、避けたい具体パターンの列挙に書き換える
-
エージェントループで、text だけの
end_turnを完了にしない。自動継続は2〜3回で止める -
thinkingのdisabled/budget_tokensを消す -
tool_choiceのany/toolをauto+strictか structured outputs に替える -
content[0].textを、typeで選ぶ形に直す -
computer_20251124をcomputer_toolset_20260801に替える(Claude API / Google Cloud) - 途中で effort を変えているなら per-message effort(beta)にする
まとめて直すなら、移行ガイド冒頭によると Claude Code で次を実行すれば自動移行のスキルが動きます(筆者は試していません)。
/claude-api migrate this project to claude-opus-5-5
Claude Code のモデル指定は、公式の Model configuration によると次の3通りです。別名 opus と default が Opus 5.5 を指します。
/model opusclaude --model claude-opus-5-5-
~/.claude/settings.jsonの"model": "opus"
claude.ai でモデルとエフォートを選ぶ画面と、無料で試せるか(Free プランでは選べません)は、こちらに画像つきでまとめました。




