調査・確認基準日:2026年8月19日
本記事は、継続的に更新される製品仕様を2026年8月19日時点で固定して整理したものです。CLIやデスクトップアプリの版数、利用できる機能、契約プランごとの提供範囲は、その後変更されている可能性があります。
はじめに
ChatGPTとClaudeの開発・業務支援機能を比較しようとすると、次の名称が一度に出てきます。
- ChatGPT、ChatGPT Work、Codex
- Claude Chat、Claude Cowork、Claude Code
- Web、デスクトップアプリ、モバイル、CLI、IDE拡張
- Local、Cloud、Remote、SSH
- Windowsネイティブ、WSL2、Linux
これらは同じ分類軸の名前ではありません。
たとえば「CodexのWindows版とWSL2版」という表現は厳密には正しくありません。別製品が二つあるのではなく、CodexのエージェントやCLIをWindows環境で実行するか、WSL2のLinux環境で実行するかの違いです。
本記事では、ChatGPT/CodexとClaude/Claude Codeを、次の4軸に分離して整理します。
1. まず「何をする製品か」で分ける
大まかな対応関係は次のとおりです。
| 用途 | OpenAI | Anthropic | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| 通常の対話 | ChatGPT Chat | Claude Chat | 質問、相談、要約、文章作成 |
| 複数工程の業務 | ChatGPT Work | Claude Cowork | 調査、分析、文書、表計算、資料作成 |
| ソフトウェア開発 | Codex | Claude Code | リポジトリ、コード、テスト、Git、CI/CD |
これは完全な一対一対応ではありません。
Codexで技術調査や設計文書を作成することもできます。Claude Coworkでファイル整理やコード実行を含む業務を処理することもできます。
ただし、中心となる用途は明確に異なります。
Chat
Chatは、利用者との対話を中心にした機能です。
質問への回答
要約
文章の推敲
アイデア整理
短い調査
設計上の壁打ち
Work/Cowork
WorkとCoworkは、単発の回答ではなく、複数の工程を進めて成果物を完成させる業務エージェントです。
資料を集める
→ 内容を整理する
→ 分析する
→ 表やグラフを作る
→ 文書やプレゼンテーションにまとめる
OpenAIはChatを日常的な対話、Workを長時間・複数工程の業務と完成成果物、Codexをソフトウェア開発向けとして区別しています。新しいChatGPTデスクトップアプリでは、ChatとWorkがChatGPT側にあり、Codexは独立した開発用ビューとして提供されます。
Claude Desktopも、一般対話のChat、クラウド上の業務エージェントであるCowork、開発向けのCodeという3つの用途を持ちます。
Codex/Claude Code
CodexとClaude Codeは、コードを提案するだけのチャットではありません。
リポジトリを調査する
複数ファイルを変更する
コマンドを実行する
テストを実行する
エラー原因を解析する
Git差分を確認する
Pull Requestを作成・レビューする
CI結果を確認する
Codex CLIは、ターミナル上でファイルの調査、編集、コマンド実行、スクリプトやCIへの組み込みを行えます。Claude CodeもCLI、IDE、デスクトップ、Webという複数の操作面から、同じ開発エージェントを利用する構成です。
2. 「Web版」「アプリ版」「CLI版」は別製品とは限らない
Web、デスクトップ、CLI、IDEは、主に操作インターフェースの違いです。
| 操作面 | Codex | Claude Code | 向いている作業 |
|---|---|---|---|
| Web | Codex cloud | Claude Code on the web | クラウド上の長時間・並列処理 |
| デスクトップ | ChatGPTデスクトップのCodex | Claude DesktopのCode | 複数セッション、差分、プレビュー |
| CLI | Codex CLI | Claude Code CLI | ターミナル、自動化、SSH、CI/CD |
| IDE | Codex IDE extension | Claude Code IDE連携 | 開いているコードの修正・レビュー |
| Remote | Codex Remote | Claude Code Remote Control | 稼働中のローカル処理を別端末から操作 |
Web
OpenAI側では、通常のChatGPT WebでChatとWorkを利用します。
Codexは通常のChatGPT Web会話の選択モードではなく、Web上の開発タスクは主にCodex cloudで実行します。Codex cloudは、隔離されたクラウド環境で複数のコーディングタスクを並列実行し、差分の確認やPull Request作成へ進める仕組みです。
Claude側では、通常のClaude Webとは別にClaude Code on the webがあり、Anthropic管理のクラウド環境で開発タスクを実行できます。
デスクトップアプリ
2026年7月9日、従来のCodexアプリは新しいChatGPTデスクトップアプリへ統合されました。
ChatGPTデスクトップアプリ
├─ ChatGPT
│ ├─ Chat
│ └─ Work
└─ Codex
Codexのプロジェクトや履歴は、ChatGPT側のChat/Workとは分離されています。
Claude Desktopは次の構成です。
Claude Desktop
├─ Chat
├─ Cowork
└─ Code
Codeタブでは、複数セッション、Git worktree、差分レビュー、ターミナル、ファイル編集、プレビュー、Pull Request監視などをGUIで管理できます。
CLI
CLIは、ターミナルから直接エージェントを操作するインターフェースです。
SSH先での利用
tmux/zellijでの長時間処理
シェルスクリプト
非対話実行
CI/CD
ログ保存
定型処理
GUIを使わず、実行コマンド、作業ディレクトリ、環境変数、終了コードを明示できるため、再現性と自動化に向きます。
IDE拡張
IDE拡張は、現在開いているファイル、選択範囲、エラー表示などを利用しながら作業するインターフェースです。
特定関数の修正
表示中のエラーの調査
インライン差分の確認
小規模なリファクタリング
コードの説明
大きな自律タスクはデスクトップやクラウド、細かな対話的修正はIDE、定型処理はCLIという分担が扱いやすい構成です。
3. 操作している場所と、処理が動く場所は別
デスクトップアプリを使用していても、処理がクラウドで実行される場合があります。
反対に、スマートフォンやWebから操作していても、実際のコマンドとファイル操作は手元のPCで動いている場合があります。
| 実行方式 | 処理場所 | PC停止後の継続 | ローカル資源 |
|---|---|---|---|
| Local | 手元のPC | 不可 | 利用可能 |
| WSL2 | 手元PC上のLinux VM | 不可 | WSL2内を利用可能 |
| SSH | 接続先サーバー | 接続先次第 | 接続先の資源 |
| Cloud | ベンダー管理環境 | 可能 | 原則として直接利用不可 |
| Remote Control | 手元または接続先PC | 不可 | ホスト側の資源を利用 |
Local
ローカル実行では、対象PC上の次の資源を利用できます。
ローカルファイル
Gitリポジトリ
社内VPN
ローカルDB
端末に導入済みのCLI
デスクトップアプリ
認証済みブラウザ
一方、PCを停止またはスリープするとローカル処理は継続できません。ログアウト後に処理が継続するかは、デスクトップアプリ、CLI、tmux、サービス化などの実行方式に依存します。
Cloud
クラウド実行では、OpenAIまたはAnthropicの管理環境で処理します。
PCを停止しても処理を継続できる
複数端末から結果を確認できる
複数タスクを並列実行しやすい
ローカルPCから処理環境を分離できる
ただし、ローカルファイル、ローカルアプリ、社内VPN、ローカルDBへ直接アクセスできるとは限りません。
RemoteはCloudと同じではない
Codex RemoteとClaude Code Remote Controlは、クラウド上へ実行環境を移す機能ではありません。
スマートフォンまたは別PC
│
│ 指示・確認
▼
稼働中のローカルPC
├─ ファイル操作
├─ コマンド実行
└─ 開発ツール
Codex Remoteでは、接続先のChatGPTデスクトップアプリが動作するMacまたはWindows PCを、モバイルなどから操作します。ホストPCは起動し、オンラインである必要があります。
Claude Code Remote Controlも、ブラウザやモバイルをローカルのClaude Codeセッションへ接続します。ファイル操作やコマンド実行は引き続きローカルPC上で行われます。
4. WindowsネイティブとWSL2を分けて考える
WindowsとWSL2は、CodexやClaude Codeの製品名ではありません。
エージェントが使用するOS、シェル、ファイルシステム、Git、言語ランタイムの違いです。
Windowsネイティブ
├─ PowerShell/CMD
├─ C:\... のWindowsパス
├─ Windows用Git
├─ Windows SDK
└─ Windows固有ツール
WSL2
├─ Bash/Zsh
├─ /home/... のLinuxパス
├─ Linux用Git
├─ Linuxパッケージ管理
└─ Linuxツールチェーン
CodexをWindowsネイティブで実行する
Windows版ChatGPTデスクトップアプリは、既定ではWindowsネイティブのCodexエージェントを使用します。
この場合、コマンドはPowerShellで実行され、Windows用のサンドボックスが適用されます。Windows固有の開発や管理作業に適しています。
PowerShell
Windows Server
Active Directory
.NET
WinUI
Windows固有API
Windowsアプリのビルド
OpenAIは、Windowsネイティブ実行時にWindowsサンドボックスを使い、作業フォルダ外への書込みやネットワーク利用を承認設定で制御する構成を提供しています。
CodexをWSL2で実行する
WSL2を選択すると、Codexエージェント自体がLinux環境内で動作します。
Linux
AWS
Terraform
Ansible
Kubernetes
Podman
Bash
Linuxサーバー向けアプリ
Codex 0.115以降はLinuxサンドボックスがbubblewrapベースになったため、WSL1はサポート対象外です。
ChatGPTデスクトップアプリでは、エージェントの実行環境と統合ターミナルのシェルを別々に設定できます。
たとえば、次の構成も可能です。
Codexエージェント:
WSL2
統合ターミナル:
PowerShell
ターミナルをWSLへ変更しただけでは、Codexエージェント自体がWSL2実行へ変わるとは限らない点に注意が必要です。
Claude CodeをWindowsネイティブで実行する
Claude Code CLIはWindowsネイティブでも実行できます。
ただし、Claude Codeの組み込みBashサンドボックスはネイティブWindowsに対応していません。強い分離が必要な処理、信頼できないリポジトリ、無人実行では、WSL2、コンテナ、仮想マシン、Claude Code on the webなどを選択する必要があります。
Claude CodeをWSL2で実行する
Claude DesktopのCodeタブでは、実行環境として次を選択できます。
Local
Cloud
SSH
WSL2
WSL2を選ぶと、Claude CodeはWSL2ディストリビューション内で動作し、Linux側のファイル、Git、シェル、ツールチェーンを使用します。
リポジトリは実行環境側のファイルシステムへ置く
運用上は、リポジトリの正本をエージェントの実行環境側へ置く方が扱いやすくなります。
Windowsネイティブ実行:
C:\src\<RepositoryName>
WSL2実行:
/home/<LinuxUser>/src/<RepositoryName>
WSL2でClaude Codeを利用する場合、Anthropicは/mnt/c/よりもLinux側の/home/へリポジトリを置くことを推奨しています。
Windows側とWSL2側に同じリポジトリの複製を持つと、次の問題が起こりやすくなります。
どちらが正本か分からなくなる
Git設定が分かれる
改行コードが混在する
ファイル権限が変わる
Node.jsやPythonの依存関係が分かれる
別環境の生成物が混在する
5. デスクトップ、CLI、IDE、Cloudの使い分け
| 要件 | 適する操作面 |
|---|---|
| 複数セッションを一覧管理したい | デスクトップ |
| 差分やプレビューを視覚的に確認したい | デスクトップ |
| SSH先やtmux内で使いたい | CLI |
| スクリプトやCI/CDに組み込みたい | CLI |
| 開いているコードを部分修正したい | IDE |
| PC停止後も処理を続けたい | Cloud |
| 複数案を並列実行したい | Cloudまたはデスクトップ |
| モバイルからローカル作業を確認したい | Remote |
| 未知のコードを隔離したい | Cloud、コンテナ、VM |
デスクトップ
デスクトップアプリは、複数タスクと成果物を視覚的に管理する用途に向きます。
複数セッション
Git worktree
差分レビュー
ターミナル
ファイルプレビュー
アプリの動作確認
長時間処理の進捗確認
CLI
CLIは、再現性、自動化、長時間稼働に向きます。
codex
codex exec
claude
claude -p
実行環境、作業ディレクトリ、環境変数、標準出力、終了コードを明示できることが利点です。
IDE
IDEは、現在開いているコードと密接に連携する用途に向きます。
大規模な自律処理を一つのIDEチャットへ詰め込むよりも、次のように分けた方が管理しやすくなります。
大規模な調査・変更:
デスクトップまたはCloud
定型処理・CI:
CLI
特定ファイルの対話的修正:
IDE
Cloud
Cloudは、ローカルPCの占有を避け、複数タスクを並列実行する用途に向きます。
一方で、クラウド環境へ渡すリポジトリ、環境変数、シークレット、ネットワーク接続範囲を明示的に設計する必要があります。
6. 2026年8月19日時点のCLIバージョン
クライアントのバージョンと、AIモデルのバージョンは別に管理されます。
| 対象 | 2026年8月19日時点 | 公開日 |
|---|---|---|
| Codex CLI | 0.148.0 |
2026年8月18日 |
| Claude Code CLI | 2.1.236 |
2026年8月19日 |
Codex CLI 0.148.0では、TUI会話のMarkdownエクスポート、セッションのfork、archive/restoreなどが追加されました。
Claude Code 2.1.236では、ANTHROPIC_DEFAULT_MODEL環境変数、セッション間通知、ターミナル表示やプロセス起動に関する修正などが追加されています。
実機では次のコマンドで確認します。
codex --version
claude --version
WSL2では、WSL2内のシェルから確認します。
codex --version
claude --version
command -v codex
command -v claude
Windows側とWSL2側へそれぞれCLIを導入している場合、両者は別インストールです。
Windows:
C:\Users\<WindowsUser>\...
WSL2:
/home/<LinuxUser>/...
バージョン、設定ファイル、認証キャッシュ、セッション履歴が異なる可能性があります。
デスクトップアプリ、CLI、IDE拡張も、それぞれ別のバージョンとして記録する必要があります。
7. 用途別の推奨構成
| 作業 | 推奨構成 |
|---|---|
| 一般的な質問・文章作成 | ChatGPT Chat/Claude Chat |
| 調査から完成資料まで | ChatGPT Work/Claude Cowork |
| Linux、AWS、IaC | WSL2内のCodex CLI/Claude Code CLI |
| PowerShell、Windows Server、AD | Windowsネイティブ |
| GUIで複数開発タスクを管理 | ChatGPTデスクトップCodex/Claude Desktop Code |
| SSH先での長時間作業 | CLI+tmux/zellij |
| IDE内の小規模修正 | IDE拡張 |
| PC停止後も継続 | Codex cloud/Claude Code on the web |
| モバイルからローカル作業を操作 | Codex Remote/Claude Code Remote Control |
| 信頼できないコード | Cloud、コンテナ、専用VM |
| 定型処理・CI/CD | CLIの非対話実行 |
Windows 11とWSL2を併用する環境では、次の構成が一つの標準になります。
Windows固有作業:
WindowsネイティブのCodex/Claude Code
Linux・クラウドインフラ作業:
WSL2内のCodex CLI/Claude Code CLI
視覚的な並列管理:
ChatGPTデスクトップ/Claude Desktop
PC停止後も続ける作業:
Codex cloud/Claude Code on the web
8. 障害報告では製品名だけを書かない
「Codexで失敗した」「Claude Codeが動かない」だけでは、実行条件を再現できません。
最低限、次の情報を記録します。
製品:
Codex/Claude Code
操作面:
Desktop/CLI/IDE/Web
実行場所:
Local/Cloud/Remote/SSH
OS環境:
Windows/WSL2/Linux/macOS
クライアント版数:
0.148.0/2.1.236 など
作業ディレクトリ:
C:\src\example
/home/user/src/example
対象branch:
feature/example
対象PR:
PR #123
記録例です。
Codex CLI / Local / WSL2 Ubuntu 24.04 / 0.148.0
作業ディレクトリ: /home/user/src/example
branch: feature/example
PR: #123
Claude Code Desktop / WSL2 / Windows 11 Pro host
Claude Code: 2.1.236
作業ディレクトリ: /home/user/src/example
branch: feature/example
PR: #123
この形式にすると、「Web版かCLI版か」「WindowsかWSL2か」「ローカルかクラウドか」という曖昧さを排除できます。
まとめ
ChatGPT/CodexとClaude/Claude Codeを整理するときは、製品名だけを比較してはいけません。
次の4軸を分けます。
1. 用途
Chat/Work/Cowork/Codex/Claude Code
2. 操作面
Web/Desktop/Mobile/CLI/IDE
3. 実行場所
Local/Cloud/Remote/SSH
4. OS・ランタイム
Windows/WSL2/Linux/macOS
特に重要なのは次の点です。
- ChatGPT WorkとClaude Coworkは一般業務向け
- CodexとClaude Codeはソフトウェア開発向け
- Web、デスクトップ、CLI、IDEは操作面の違い
- Local、Cloud、Remoteは処理の実行場所が異なる
- WindowsとWSL2は別製品ではなく実行環境の違い
- RemoteはCloudとは限らず、ホストPCの稼働が必要
- CLI版数、デスクトップ版数、IDE拡張版数、モデル版数は別管理
作業の目的、実行場所、必要なOS環境を先に決め、その後で製品と操作面を選ぶ方が、実務上の判断を誤りにくくなります。
次の記事では、一般業務エージェントであるChatGPT WorkとClaude Coworkについて、Connector、ファイル操作、ブラウザ操作、Computer Useの違いと、デスクトップを占有する条件を整理します。
参考資料
- ChatGPT Work and Codex - OpenAI Help Center
- Moving to the new ChatGPT desktop app - OpenAI Help Center
- ChatGPT desktop app for Windows - OpenAI Developers
- Codex on WSL - OpenAI Developers
- Codex CLI - OpenAI Developers
- Codex cloud - OpenAI Developers
- ChatGPT & Codex changelog - OpenAI Developers
- Get started with Claude Code Desktop - Anthropic
- Use Claude Code Desktop - Anthropic
- Choose a sandbox environment - Anthropic
- Claude Code troubleshooting - Anthropic
- Claude Code changelog - Anthropic
- Claude Code Remote Control - Anthropic