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Google Play で自宅住所を晒さずにアプリを出す方法

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Last updated at Posted at 2026-05-19

Google Play で自宅住所を晒さずにアプリを出す方法

本記事について
本記事は筆者自身の体験談ではなく、X で見かけたある一連のポストと note 記事をきっかけに、本当にそうなのか・どう対策すべきかを調べてまとめた俯瞰メモです。
きっかけになったポスト・記事の著者の方々、および対策フローを残してくださっていた先人 15 名超の個人開発者の方々に、深い敬意と感謝を込めてリンクしています。彼らの労力なしに本記事は存在しません。本当にありがとうございました。記事末尾の「謝辞・出典」を必ず参照ください。

なお、本記事は Claude Code に調査・構成を手伝ってもらいました。

本記事を書いたきっかけ

X で見かけた、さんぽこーど さん(@YuMe_UTSUT)のこのポスト:

やっと完成してストアにリリースしたんだけど、住所氏名フルで出て慌てて公開停止した。GooglePlayストアで稼ごうと思ったら、バーチャルオフィスとやらを持たなきゃいけないらしい🫠どんどんハードル上がってく。流石に名前は本名で行くしかないかな・・・。個人開発の方々どうしてますか?

そしてこの引用リプで もふふミルク さん(@Akiyu0901)が紹介していた、ご自身の note 記事:

個人開発でGoogle Playに課金を追加したら、自宅住所が世界中に公開されていた話|もふふミルク

note 記事には Google サポートと長期間やり取りした上で確認された「課金の有効化は不可逆。課金を削除しても、アカウントは永久に収益化済みのまま。住所変更も収益化プロファイル削除も不可。唯一の解決策は新規アカウント+アプリ移管」という重い事実が記されていました。

「これは本当か、どこまで深刻か、現実的にどう対応すべきか」を調べた結果が本記事です。結論から言うと、お二人の体験はすべて事実で、複数の他開発者の体験談・Google 公式ドキュメントとも整合していました。

結論(先に)

  • Google Play Console は個人アカウントで一度でも収益化(広告・IAP・有料配信のいずれか)すると、本名と完全住所が全世界に公開され、後から取り消す手段がない
  • 対策ルート:バーチャルオフィス契約 → 個人事業主として開業届 → DUNS ナンバー取得 → Play Console を「組織」アカウントで登録
  • 公開されるのは屋号・バーチャルオフィスの住所・業務用 SIM の番号のみ。本名・自宅・私用番号は出ない
  • 初期費用 ¥3,300〜¥13,800、年間ランニング ¥7,920〜¥19,800、所要 約 20 日
  • 「Google はバーチャルオフィスを拒否する」噂は Google ビジネスプロフィール(マップ)の話。Play Console とは別物

1. 何が公開されて、何が取り消せないのか

公式ヘルプ(連絡先情報の要件)と複数の体験談を突き合わせると、次のようになります。

アカウント種別ごとの公開情報の対比

アカウント種別 Play Store で公開される情報 非公開のまま
個人 / 非収益化(広告も IAP も無し) デベロッパー名(自由設定可)、国、デベロッパーメール 戸籍上の氏名、完全住所、確認用電話番号
個人 / 収益化あり 上記+戸籍上の氏名、完全住所 確認用電話番号
組織 / 個人事業主含む 組織名(屋号)、組織住所、組織電話番号、デベロッパーメール 担当者氏名、Google 連絡用メール/電話

「取り消し不可」のからくり

これが本記事の出発点であり、最も重要なポイントです。

  • 収益化フラグは一度オンになると戻せない:phicdy 氏 (記事) によれば、テスト用に IAP を実装したサンプルアプリを 1 つ上げただけでアカウント全体が収益化扱いになり、解除手段が無かったとのこと
  • 2023年8月31日以降に作成されたアカウントは本人確認完了の時点で氏名・住所が「読み取り専用」になり、Play Console 上では編集不可
  • 個人アカウントを組織アカウントへ種別変更はできない。組織にしたい場合は新規に組織アカウントを作成し、旧アカウントからアプリを移行するしかない
  • アプリ移行時の罠:IAP 実装済みアプリを新アカウントに移すと、移行先の収益化フラグも自動でオンになる

つまり「個人で気軽に登録してアプリ出してみよう」が一度でも収益化を踏むと、後戻りできない地雷を踏む構造になっています。


2. 重要な混同への注意

検索すると「Google はバーチャルオフィスを審査で落とす」という記事が大量に出てきますが、これは Google ビジネスプロフィール(Google マップの店舗情報)の話で、Google Play Console は別物です。

Google ビジネスプロフィール(Maps) Google Play Console
バーチャルオフィスの可否 拒否される 受理される
検証方法 はがき・電話・現地確認 DUNS ナンバー+開業届の整合性

この混同で「やめておこう」となるのは大変もったいないので、最初に明示しておきます。


3. 対策の全体像

合計の目安は 20 日程度。律速は DUNS ナンバーの Google DB 反映待ちです(黄色のステップ)。


4. 各ステップ詳細

Step 1: 屋号を決める

  • 英字併記必須(例:「○○制作所 MARUMARU-LAB」)。DUNS の英字表記とマッチさせるため
  • 「株式会社」「合同会社」など法人格は使えない
  • バーチャルオフィスは同じ住所に多数の事業者が居るので、屋号の重複に注意。Google 検索で「{候補名} 法人」を事前にチェック

Step 2: バーチャルオフィス契約

サービス 月額 初期費用 備考
GMO オフィスサポート ¥660〜 ¥0 初期費用ゼロ、上場企業運営
DMM バーチャルオフィス ¥660〜 ¥10,500 郵便転送が安いプランから付く
Karigo ¥3,300〜 ¥5,500〜 拠点多、銀行口座開設実績

審査は 1〜2 営業日。事業内容欄に「Android アプリの開発・公開・販売」と明記すれば通ります。

Step 3: 業務用 SIM

組織アカウントは電話番号が Play Store に公開されるので、私用番号は使えません。

  • povo2.0 が最安:基本料 ¥0。ただし 180 日ごとにトッピング購入(最安 ¥390)しないと番号失効。カレンダーリマインダー必須
  • 失効リスクを取りたくないなら LINEMO ベストプラン(3GB ¥990/月)あたり

Step 4: 開業届を e-Tax で電子提出

2025 年からの重要変更(hothukurou 氏の記事より):

  • 紙提出時の受領印が廃止された
  • Google への提出書類として「受信通知(電子申請証明書)」が必要
  • Web 版 e-Tax では開業届を提出できない。e-Tax ソフト版(ダウンロード型)か freee 開業/マネーフォワード経由で電子申請

記入時のポイント:

  • 納税地は自宅住所(バーチャルオフィスではない)
  • 事業所にバーチャルオフィスの住所を記入。「働く場所」を聞かれて「自宅」を選ぶと事業所も自宅になるので注意
  • 屋号は Step 1 と完全一致(英字併記含む)
  • 青色申告承認申請書も同時提出推奨(最大 65 万円控除)

提出後、e-Tax のメッセージボックスに届く受信通知を PDF 化し、開業届の控え PDF と結合して保管します。

Step 5: DUNS ナンバー取得

  • 申請先:日本では東京商工リサーチ(TSR)経由
  • 費用:¥3,300(税込)程度
  • 取得:申請から 7〜14 日。さらに Google 側 DB への反映に数日〜10 日かかる
  • 反映前に Play Console で入力すると「D-U-N-S ナンバーを検索できませんでした」エラーが出ますが、待つしかない

Step 6: Play Console 組織アカウント登録

  1. Play Console で新規アカウント作成
  2. 種別「組織」を選択
  3. 屋号、組織住所(バーチャルオフィス)、業務用電話番号、メールを入力
  4. 登録料 $25(一回のみ)
  5. 提出書類:DUNS ナンバー、開業届 PDF(受信通知結合済み)、本人確認書類、バーチャルオフィス契約書

審査は順調なら 1〜2 営業日。却下を何度も繰り返すとアカウント停止リスクありなので、書類は慎重に。

Step 7: 旧個人アカウントからのアプリ移行

既存アプリがある場合のみ:

  1. 旧アカウントの設定でアカウント名を区別用に変更
  2. 「アプリの移行」で新組織アカウントを指定
  3. 新組織アカウントで承認
  4. 約 48 時間で完了

移行されないもの:収益レポート、テスターグループ、注文履歴。


5. ハマりどころと対処

症状 原因 対処
DUNS を入れてもエラー Google DB 反映前 数日〜2 週間待つ
「組織として確認できない」と却下 受信通知が添付されてない 開業届 PDF と結合して再提出
バーチャルオフィスの審査落ち 事業内容欄が曖昧 「Android アプリの開発・公開・販売」と具体的に書く
屋号と DUNS の表記不一致 日本語のみで申請した 英字併記を入れる
個人アカウントを組織に変更したい 不可 新規組織+アプリ移行
収益化を無効化したい 不可 諦めるか、新アカウントで非収益化のみ運用

6. コスト感(2025〜2026 時点)

組織アカウント化に必要なコスト

項目 サービス例 初期 年間
バーチャルオフィス(住所のみ) GMO オフィスサポート ¥0 ¥7,920
同(郵便転送あり) GMO 月1回転送 ¥0 ¥19,800
DUNS ナンバー TSR ¥3,300
Play Console 登録 Google $25
業務用 SIM povo2.0 ¥0 ¥0(要トッピング)
開業届 freee 開業 ¥0 ¥0

初期 ¥3,300〜¥13,800 / 年間 ¥7,920〜¥19,800

年 1 万円程度の保険で本名と自宅を守れます。事故った場合の取り返しのつかなさと比べれば破格です。


7. Apple App Store も要注意

EU 向け App Store の商品ページは Digital Services Act 対応で開発者の氏名・住所・連絡先メール・電話番号が公開されます。Individual で登録すると Developer Name = 戸籍名。

iOS でも EU 配信するなら、Apple Developer Program を Organization で登録するのが推奨です。


まとめ

  • Google Play の住所公開問題は実在し、取り消し不可
  • 個人事業主+バーチャルオフィス+組織アカウントが定番の逃げ道
  • 年 1 万円・3 週間・書類いくつかで自宅と本名を守れる
  • 「Google はバーチャルオフィス拒否」噂はマップ側の話、Play Console は受理

これから個人開発で Google Play に出す方は、最初から組織アカウントで登録するのが結局一番ラクです。


謝辞・出典

冒頭でも書きましたが、本記事は私個人の体験ではなく、X で見かけたポストと note 記事をきっかけに、先人の方々が公開してくださっていた多数の記事を読み込んで全体像を統合したものです。それぞれの記事には実際の手続きで詰まった点、解決策、費用、所要時間といった生きた情報が詰まっていて、本記事はその上に乗っているに過ぎません。

特に以下の方々の記事には繰り返しお世話になりました。心より感謝申し上げます。

本記事を書くきっかけになったポストと記事

  • さんぽこーど さん(@YuMe_UTSUT)の X ポスト — 「住所氏名フルで出て慌てて公開停止した」というリアルな声。これを見ていなければ問題の深刻さを認識できませんでした
  • もふふミルク さん(@Akiyu0901)の引用リプ — 「同じです、note にまとめたので」と即レスしてくださっていた連帯の発信
  • もふふミルク さんの note 記事 個人開発でGoogle Playに課金を追加したら、自宅住所が世界中に公開されていた話 — Google サポートとの長期やり取りから「課金は不可逆」「収益化プロファイル削除不可」「バーチャルオフィスへの住所変更不可」「唯一の解決策は新規アカウント+アプリ移管」という重い事実を引き出し、共有してくださった一次資料。本調査の出発点

お二人とも、ご自身の苦い経験を惜しみなく共有してくださったことで、後続の個人開発者が同じ罠を回避できます。本当にありがとうございます。

体験談記事(実務フローで特に参考にさせていただきました)

公式リファレンス

DUNS ナンバー関連

バーチャルオフィス比較

情報を公開してくださった全ての方に改めて感謝申し上げます。

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