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【ネットワーク】Route53 Resolver Outbound Endpointを経由した通信のIPアドレス

Last updated at Posted at 2025-06-10

はじめに

AWS環境からAWS外にあるDNSサーバへ名前解決を行うために、Route53 Resolver Outbound Endpointを利用する機会がありました。
DNSサーバへの通信要件を決定するために、Route53 Resolver Outbound Endpointを経由した通信のIPアドレスが変換されるか気になったため、検証しました。

※本記事は、【ハンズオン】Route53 Resolver Inbound/Outbound Endpoint の環境を前提に記載しています。

目次

  1. 構成の確認
  2. IPアドレスの確認
  3. IPアドレスの変換
  4. まとめ
  5. 参考文献

構成の確認

検証を行う構成は以下の通りです。構築手順の詳細は、【ハンズオン】Route53 Resolver Inbound/Outbound Endpoint を参照ください。

Route53Inbound/OutboundEndpointと転送ルールを使用して大阪EC2からプライベートドメインが付与されたオハイオEC2にpingを送信して、IPアドレスを確認します。

構成図
構成図.png

IPアドレスの確認

早速結論ですが、オハイオEC2へのリクエストにおける送信元IPアドレスは、大阪EC2のIPアドレスになります。Route53 Resolver Inbound/Outbound Endpointでは、IPアドレスの変換が行われません。

【ハンズオン】Route53 Resolver Inbound/Outbound Endpoint を確認いただいた方はお気づきだと思いますが、そもそもオハイオEC2に設定しているセキュリティグループのインバウンドでは大阪EC2のサブネットを許可しています(Route53 Resolver Inbound/Outbound EndpointのIPアドレスを許可していません)。

確認のため、大阪EC2からオハイオEC2にpingを送信しつつ、オハイオEC2でtcpdumpを利用してネットワーク通信をキャプチャしました。
pingとtcpdumpは、EC2にSession Manager経由で接続して実行しました。

大阪EC2 → オハイオEC2 にping
大阪→オハイオ_ping.png

オハイオEC2 でtcpdump
※大阪EC2のプライベートIPは、172.31.1.159
オハイオ_ec2_dump.png

IPアドレスの変換

では、「送信元のIPアドレスを隠したい」「別のIPに変換したい」などの要件に備え、NAT Gatewayを利用して、送信元のIPアドレスを変換できるか追加で検討しました。
今回はプライベートNAT Gatewayを利用しました。

検討した構成は以下です。

追加検証の構成図
構成図.png

始めに、大阪リージョンにNAT Gateway用サブネットを作成し、プライベートNAT Gatewayを設置しました。
大阪 NAT Gateway用サブネット
大阪_サブネット_nat.png

大阪 NAT Gateway
大阪_nat.png

続いて、大阪EC2 → オハイオEC2への通信経路を確保します。
大阪VPCからオハイオVPCへのリクエスト時、先ほど作成したプライベートNAT Gatewayを経由するよう設定したルートテーブルを作成し、大阪EC2用サブネットに関連付けました。

大阪EC2用サブネット ルートテーブル
大阪_ec2_rt.png

オハイオEC2のセキュリティグループにて、大阪 プライベートNAT GatewayのIPアドレスを許可するインバウンドルールを追加しました。

オハイオEC2用セキュリティグループ
オハイオ_ec2_sg.png

最後に確認のため、大阪EC2からオハイオEC2にpingを送信しつつ、オハイオEC2でtcpdumpを利用してネットワーク通信をキャプチャしました。
pingとtcpdumpは、EC2にSession Manager経由で接続して実行しました。

大阪EC2 → オハイオEC2 にping
大阪→オハイオ_ping.png

オハイオEC2 でtcpdump
※大阪EC2のプライベートIPは、172.31.1.159
大阪→オハイオ_ping_nat.png

無事、オハイオEC2への送信元IPアドレスが、大阪 プライベートNAT GatewayのIPアドレスになっていることを確認でき、リクエスト元である大阪EC2のIPアドレスから変換されていることが確認できました。

まとめ

Route53 Resolver Outbound Endpointを経由した通信のIPアドレスは、エンドポイントで変換されることなく、送信元IPアドレスが維持されることがわかりました。

また、なんらかの理由で別のIPアドレスに変換したい場合は、NAT GatewayによるIPアドレス変換が利用可能であることがわかりました。

本記事がどなたかの参考になれば幸いです。

参考文系

超絶初心者むけtcpdumpの使い方

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