やることが多すぎて、順番が決まらない。そんな会議の空回りを減らす話です。
うれしいのは、点数づけより早く「本当に決めること」が見える点です。特別な道具は要りません。
目次
- 点数づけが空回りする理由
- くり返すモヤモヤを先に出す
- 従来の点数づけと何が違うか
- チームでどう使うか
- 出典と私の見方
点数づけが空回りする理由
多くのチームは、点数で順番を決めます。候補に点をつけて並べる道具を「フレームワーク」と呼びます。
でもJohn Cutlerさんは、この道具が逆効果になりやすいと言います。細かく分けるうちに、本当の論点が消えるからです。
ふり返りの会でも、道具そのものを疑う声はほぼ出ません。「3点でなく4点にすべきだった」とは、誰も言わないのです。
くり返すモヤモヤを先に出す
ヒントは、何度も話に出るのに決着しない「対立」にあります。対立とは、くり返し起きる、答えの出ない引っかかりです。
[従来の点数づけ]
候補をたくさん出す
│
▼
点数をつけて並べる
│
▼
なんとなく納得(でも動かない)
[この記事のやり方]
くり返す対立を見つける
│
▼
穴埋め文で言葉にする
│
▼
本当に決めることが出る
上の図は2つの進め方を比べています。▼は次の段階へ進む矢印です。上は点数で無理に並べる流れ、下はモヤモヤを先に言葉にする流れです。
従来の点数づけと何が違うか
点数づけの弱点は、数字が主観を隠すことです。主観とは、人それぞれの感じ方です。
別の解説記事に、わかりやすい例があります。同じ「ダークモード」機能を、3人が72点・336点・360点とつけた例です。数字が5倍も開くのに、見た目は客観的です。
Cutlerさんの道具は、点数を出しません。代わりに「なぜ毎回もめるのか」を先に言葉にします。もめる理由が見えれば、その場で決断しやすくなります。ここが新しい点です。
チームでどう使うか
Cutlerさんは、穴埋め文を12個用意しました。空欄を自分たちの言葉で埋めるだけです。たとえばこんな文です。
- 「○○に何度も話が戻るのに、誰も解決策を持っていない」
- 「○○はずっと『あと少し』のままだ」
- 「○○は急ぎに見える。でも理由はあやしい」
- 「○○は大事なのに、人もお金もつかない」
- 「○○は範囲が大きすぎる。小さい代案があるのに」
おすすめの順番はこうです(ここは私の提案です)。
- 次の優先順位づけ会議の前に配る。
- 各自が10分、思いつく空欄を静かに埋める。
- 持ち寄って、何度も出た対立を1〜2個選ぶ。
- その対立だけ、先に決める。
点数づけは、そのあとで使えば十分です。
出典と私の見方
出典は、John Cutlerさんのニュースレターです。名前は『The Beautiful Mess(TBM)』、第436回です。
原文: https://cutlefish.substack.com/p/tbm-436-tension-based-prioritization
点数づけの弱点の例はこちら: https://www.growthmentor.com/blog/prioritization-frameworks
ここからは私の見方です。点数より先に「なぜ決まらないか」を言葉にする。この順番が肝心だと思います。製品開発に限らず、家庭や部活の話し合いにも使えそうです。
今日覚えること
- 決まらないのは、道具より「決める覚悟」が足りないから。
- くり返す対立を穴埋め文にすると、本当に決めることが見える。