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「クレーム対応は評価されない」転職活動で痛感したCSの市場価値

Last updated at Posted at 2025-12-08

はじめに

 皆さんはじめまして!私は2025年4月に転職活動を始め、6月半ばに終了。今年の8月から今の会社で働いています。新卒から一貫してカスタマーサポート(CS)領域の仕事に関わってきたこともあり、今回の転職でもCS関連のポジションを軸に活動していました。そこで実際の転職活動を通じて感じたことも含めて、いまのCSの転職市場を振り返ってみたいと思います。

正直に言って、
CSを軸とした転職のキャリアアップは楽じゃない・・・!

この記事はこんな人におすすめ!
・CSで転職ってぶっちゃけどうなのか気になる
・CSのスキルアップの手段を模索している

CS転職市場の現状と背景

 直近5年の2019〜2024年を見ていると、まず2020年のコロナ禍で求人が一時落ち込みましたが、2021年以降は景気回復と共に求人が増加。皆さんもニュースなどでよく見かけた通り、特に2022〜2023年は業務回復と人手不足が重なり、有効求人倍率や新規求人が上昇した局面がありました。
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/24/1-2.html?utm_source=chatgpt.com

 CSの代表的な職種でもあるコールセンター(受電・アウトソーシング)サービス市場は2024年度に前年度比で減少した一方、同職種のソリューション市場は拡大しており、2024年度のサービス市場は約1兆517億円、ソリューション市場は約4,190億円と報告されています。つまり「オペレーション受託」はやや縮小する局面がありながら、「効率化・自動化投資」は伸びている、という状況でした。
参考:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3953?utm_source=chatgpt.com

CSを軸とした転職活動で直面した2つの壁

①求人はわずか3分の1。年収アップを拒む構造

 市場の動きから、コールセンター業界では「効率化・自動化への投資」が進んでおり、私も実際にサービス全体がその方向へシフトしていることを感じていました。
 しかし、この効率化の流れは、人が担っていた業務領域のスリム化を生みやすく、結果として“キャリアアップにつながるポジションそのもの”が増えにくい という側面があり、実際にCS領域で“次のステップ”につながる求人を調べてみると、営業職やマーケティング職と比べると、同等クラスの募集は体感で1/3以下ほど。実際にエージェントから紹介された求人もカスタマーサクセスと言われる営業職に近いものが多かったです。

エージェントとの面談の際も、

「実際に年収アップを望むなら、売上を直接上げる職種じゃないと厳しいですよ」

と言われたこともあり。

 このような現実の背景には、市場の動向に加えてCSという職種の特性もあると考えています。CSは事業部門に属することが少なく、どうしてもコスト抑制に働きやすい。さらに、CSの採用は他の職種に比べ即戦力になりにくく、採用側も「前職での経験=すぐ戦力化」とは見なしづらい。理由は、CSの価値の一つにその会社の歴史、プロダクト理解、顧客文脈の把握といった“社内固有の知識”に依存する傾向があるためです。まさに他の職種と比べて勤続年数がものを言いやすい職種のため、企業は教育コストを考え、経験者採用に慎重になるのだと思います。今回の転職を通じて、そもそも市場に出てくるCSのキャリアアップとなるポジションが限られている現実をあらためて痛感しました。

②美談だけでは通用しない面接

 限られたポジションの中でも、いくつか面接には進むことができました。ただそこでもう一つの壁に当たります。それは「数字と施策の結びつき」を示す手札が少なかった点です。
 私は新卒で大手メーカーのクレーム対応を専門的に行っていた経験がありますが、面接でその話は入り口としてはよいものの、深く掘り下げられることはほとんどありませんでした。「どうクレーム対応したのか」「リスク管理はどうしていたか」といった話よりも、面接で求められたのは数字や成果に関する具体的な実績です。(特に売上に関する数字です)

たとえば、

・CS業務に携わりながら売上を伸ばした経験は何ですか?
・LTVを延ばすために実施した施策を教えてください
・設定したKPIに対してどう達成したか、未達の場合はどう改善しましたか?

といった質問が面接では中心でした。

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人材確保も投資なので、当然と言えば当然なのですが、業界によってはCS業務から離れている質問の印象もあります。私自身、CS業務を中心に行っていると、どうしても売上から遠い位置にいるため、具体的な成果を示すのに苦労しました。しかし、この経験を通じて、CSの業務を語る際も、単なる対応事例ではなく、どのような工夫で成果(数字)に貢献したのかを具体的に示す重要性も同時に痛感しました。逆に、CS業務そのものでなくても、「数字を伸ばした経験」は面接官に前向きに聞いてもらえたという印象もあり、成果主義の原則を改めて実感する転職活動となりました。

余談ですが新卒の時にいた会社の先輩からは、

「どれだけクレーム対応をしても評価はされない。」

って言っていたのを思い出しましたね。

それを聞いていたので、クレーム対応以外の業務でデータ分析系の業務を率先してやるようにしていました。もともと数字が好きということもありましたが、お客様満足度アンケートの分析やサブスク解約率の分析をやっていて、今回の面接ではかなり役立ちました。
(当時のO先輩ありがとうございます!)

これからすべきことは何か

 今回の転職活動を通じて感じたのは、CSといえど市場で評価されるには数字と施策が重要ということです。つまり今のCSの経験を成果として言語化できるかどうかが市場価値の観点で大切になってくると思っています。

 今できることとして、意図的に今の業務を整理する意味でも職務経歴書の更新が良い手段だと今回の転職活動を通じて知りました。以前は、職務経歴書は“転職する時だけ書くもの”だと思っていました。しかし、実際は今の業務が市場価値のある経験なのかを客観的に見直すツールであるとも感じています。年に一度振り返るだけでも、自分のキャリアの輪郭や強みは大きく変わります。
 
例えば、

・今の仕事の中で何を実績として職務経歴書に追記できるのか
・面接で聞かれたときに今の業務で語れるエピソードがあるのか

を書き出してみるなど!

 もちろん、職務経歴書に書けない仕事に価値がないわけではないことは重々承知です!ただ、社内評価と市場評価の両面を意識しながら経験を積み重ねていくことで、より広いキャリアの選択肢を持てるようになるのではないでしょうか。

 最後に、自分が今回の転職活動で経験したことをどこかでまとめたいと思っていたので、今回が良い機会でした。参考になれば幸いです!

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