概要
ServiceNowのハッカソンで、2025年のテーマとして「AI Agent」を活用した作品開発に挑戦することになりました。 開発とプレゼン資料作成に与えられた期間は、およそ2週間。学習も開発も時間が限られる中、私が編み出した 「マニュアルや設定方法のネット記事を一切読まずに、生成AIと共にGUI開発を進める」 というアプローチが、今回の主題です。
結局何をやったのか
a)複数のDeepResearchをする
b)ServiceNow Universityのテキストを収集する
c)OOTBのAI Agentのいくつかの設定をダウンロードする
d)生成AIにインプットデータとして読み込ませる
e)スクリーンショットを見せながら開発をする
実践したのは、これだけです。
ご存知の通り、ServiceNowは設定画面が非常に多く、1つのことを実現するために複数のテーブルをまたぎ、多くのフィールドに情報を入力する必要があります。さらに、Now Assistが関わると自然言語での指示が求められるため、設定の正しさを確認するのが一層難しくなります。
そこで、「どのように入力すべきか?」という点も生成AIにサポートしてもらった方が効率的ですし、言葉での指示もAIに作成してもらった方が正確な場合もあります。
今回は上記のa,d,eを中心に、皆さまと情報を共有し、半日程度でAI Agentの基礎を作れるようにする方法をご紹介します。
1.DeepResearchをする
まずは、身近な複数の生成AIツールでDeepResearchを行います。私はOpenAI・Gemini・Grokを活用しました。
「ServiceNowのAI Agentについて設定方法を調べて。2025年。Yokohamaバージョン。ITSM、HRSDを中心にする。Virtual Agentは除外する」
このように具体的な指示を出します。DeepResearchの際、AI Agentの設定を探しているにもかかわらず、Virtual Agentの記事が混ざってしまうことが多いため、「除外する」という指示は非常に重要です。
また、最初のDeepResearchでは概念的な記事が集まりがちです。そのため、その結果をもとに、もう一段階 「具体的な設定方法について調べて」と深掘りの指示を出す ことで、より実践的なインプットが収集できます。
2.収集した結果を生成AIに読み込ませる
収集した情報を、生成AIのインプットとして読み込ませます。通常の会話ではAIが初期の情報を忘れてしまうことがあるため、システムプロンプトやプロジェクトインプット機能(Gemなど)に設定し、常に情報を参照できる状態にしておくことがポイントです。
私が収集した情報の一部を、以下に共有しておきます。 本来はさらに具体的な情報も必要になりますが、その部分は「自社の秘伝のたれ」として、今回は非公開とさせてください。 とはいえ、このファイルを読み込ませるだけでも、開発の土台作りは十分に可能です。
HTMLファイルにして読みやすくしてます。開発のインプットとしてよりも概念の理解として役に立つ資料です。(これで1記事書いても良かった気もします💦)
3.生成AIと開発をする
では、実際に開発をしてみましょう。
OpenAIのChatGPTに先ほどのファイルを貼り付けます。
作りたいテーマも一緒に送りましょう。

Youtubeやセミナーでは概念的な説明は多くても、複数のテーブルをまたぐ具体的な設定となると「どこで何をすればいいか」迷いがちです。このようにステップバイステップで教えてくれるのは、本当に心強く、効率的です。

AI AgentのInstructions(指示)設定は、自然言語で一連の動作を定義する必要があるため、この部分をAIが生成してくれるのは非常に助かります。

最初の説明だけではカバーしきれない部分は、現状のスクリーンショットと設定テキストを送ることで、さらに詳細な設定を教えてくれます。

こんな風に教えてくれます。自分が躓いているところに合わせていま何をすべきかを教えてくれるのですぐに次のステップに進めます。

Toolの選定も「何を使えばいい?」という疑問に答えてくれるので、迷う時間や誤りが無くなります

こんな感じでAI Agentがうまく動きます。
実際は1回ではうまくいかないので、テスト画面で出たエラーを生成AIに問い合わせてエラーを解消するといいです。

あと、すべて作り切った後に、AI Agentの「Instructions」を改めて最適化(書き直す)と、成功率が格段に上がります。
さいごに
一部簡略化してお伝えしましたが、AI Agentで何をやったらいいか分からない。という方はこの方法で一歩抜け出せると思います。 また、PoCが各社で盛んですのでPoCをするには十分な設定方法だと思います。
生成AIの回答を充実させるにはさらに具体的なインプットが必要ですので
今回の方法だと6,7割の完成にたどり着けるとお考えいただけると助かります。


