社内でAmazon Bedrockを使用したAPIを作成するというオリジナルのハンズオンをやってみて得た経験や反省についてまとめた。
きっかけ
AWS認定をたくさん取ったは良いものの、仕事としては企画チックなことが多くあまり実際のサービスを触れずにモヤモヤしていた。
なかなか手が動かす機会が仕事ではないため、社内の技術系有志活動に参加し色んなハンズオンやLTに参加する中で、自分でAWSハンズオンを企画することで手も動かせてアウトプットにもなるのではないかと思い、今回実施してみた。
企画と準備
まずはどんなハンズオンにするか検討した。世間的、社内的に関心の高い生成AIを使って、かつ、AWSの便利さや手軽さを体験出来て、動いていることが分かりやすいものということで、サーバレスサービスを組み合わせたAPIという選択をした。
内容がざっくりと決まったので、自分でAPIを作成しながらハンズオンの資料を作成した。
作成した際の記事はこちら
今回はAWSやプログラムもあまり書いたことないみたいな方でも参加できるようにコードの作成についてはハンズオンに含めず、あらかじめこちらで作成しておいたコードをお渡ししてプロンプトだけ修正してもらう形をとった。
募集の際は参加人数の制限をした。これはハンズオン中に上手く行かないことがあった場合にフォローできるのが私しかいないというのと、私個人の環境を使っているためあまり人数が多すぎるとIAMユーザーの管理やリソースの管理、コストがかかってしまいそうだったという理由で15人という比較的少ない人数で募集した。
また、事前に一度有志団体のメンバーに対して当日と同じ流れでハンズオンを実施した。これはそもそも時間内にハンズオンが収まるかどうかと資料や手順に分かりにくいところがないかを確かめるためである。正直この事前の実施はかなり重要だと感じた。事前の実施によって改善点がかなり多く出たため、よりよいハンズオンにつながったと思う。
出た改善点としては以下の通り。
- 資料の誤字・脱字
- 手順の抜け漏れ
- IAMポリシーの抜け漏れ
- 参加者の進捗を確認するポイント
ハンズオン当日
最終的に10人の方が参加してくださり、更にその方々の熱量が高くハンズオン中もたくさんの質問がもらえた。
質問に関してはハンズオンの内容そのものというよりは、「こういう場合はどうするのか」的なハンズオンで使っているサービスに関連した質問が多かった。
共有画面の内、半分は資料を、もう半分は実際の画面を出しながらハンズオンを進めた。私自身も参加者に配布したIAMユーザーと同じものを使いながら進めることで、操作が分かりやすくなるように心がけた。
実施中はスライドにここまで出来たら挙手という表示を出すことで、参加者同士の足並みをそろえながら進められた。
ただ、Lambdaのテストの際に参加者全員で一斉にテストを行ったためかToo Many Requestsが出てしまうというトラブルがあった。ここに関しては最終的に順番に1人ずつテストを実施することで解決した。その後の実際にAPIを叩くところでも数人ずつで実施して乗り越えた。これは今後どのようにすればいいか考えないといけない。
ハンズオン後
ハンズオン後、真っ先に配布していたIAMユーザーの削除を行った。たくさん使われると私の財布が空になるため、少しだけ遊んでもらえるようにハンズオン後1時間は有効にしておいて、その後すぐに削除した。15のIAMユーザーのパスワード変更をコンソールで実施したが、めちゃめちゃめんどくさかったのでここは今後CLIスクリプトで出来るようにしたい。
また、アンケートと当日に頂いた質問に関する回答の配布を行った。アンケートでは開催時間やハンズオンの良かった点・悪かった点、今後開催してほしい勉強会の内容について記載してもらっている。
かかった費用
今回、10人中ほとんど全員が私の環境でハンズオンをしていたが、それでもかかった費用はわずか0.04ドル、およそ数円ほどだった。普段そんなに利用していないので無料枠もあったからだと思うが、にしても費用がかからな過ぎていて驚いた。
やってみた感想
今回初めてハンズオンを開催してみて、思っていた以上に得られるものが多かった。
ハンズオンの資料を作る過程で手も動かすことができるだけでなく、当日もらった質問への返答を考えることでより自分のAWSへの理解が深まったと思う。
また、この当日に頂いた質問は恐らく仕事をする上でも顧客からもらう質問に近いものなのではないかと思い、仕事でも役立ちそうな気がしている
反省点としては、募集の際に以下の文章のみで募集していたが、ハンズオンを終えた後にこんなものが今回作れるとは思っておらず驚いたという感想をいただき、ハンズオンで何が作れるのかをイメージ図や実際の動作画面を提供したほうが、親切だったのかなと感じた。
あとは今回かなり細かく足並みを揃えることを意識したが、ちょっと多すぎた気もしている。これは今後もハンズオンをやって感覚をつかむしかない。
次の野望
アンケートにおいてやはり機械学習系の希望が多かったので、何か機械学習系のサービスを使って何か作れないかと検討している。案としては
- Lexを使ったチャットボットの作成
- TranslateやPollyを使った翻訳&発話システム
などを検討中。
個人的にチャットボット開発に興味があるのでLexを触ってみたい感じはある。
なんせ早めにまた勉強会を開催したい。