Next.js とは?
Next.js は、React をベースにしたオープンソースの Web フレームワークです。シンプルに静的サイトから複雑な Web アプリケーションまで対応し、サーバーサイドレンダリング(SSR)、静的サイト生成(SSG)、API ルート、コードスプリッティング、画像の最適化など、モダンな Web 開発に必要な機能を標準で提供します。
Next.js の特徴
- SSR と SSG:サーバーサイドレンダリングと静的サイト生成
- ISR:インクリメンタル静的再生成
- API Routes の統合
- 自動的なコード分割と最適化
- ファイルベースのルーティング
- TypeScript サポート
- Image Optimization(画像の最適化)
- 最適な開発者体験とエコシステム
1. SSR と SSG:サーバーサイドレンダリングと静的サイト生成
Next.js の最大の強みの一つが、サーバーサイドレンダリング(SSR)と静的サイト生成(SSG)の両方に対応している点です。
- サーバーサイドレンダリング(SSR)
ユーザーリクエストに応じて、サーバー側でページを動的に生成し、完全な HTML を返します。これにより、初期表示が速く、SEO にも有利です。 - 静的サイト生成(SSG)
ビルド時に HTML を生成して配信する方式。これにより、ページロードが非常に高速になり、トラフィックが多い Web サイトに適しています。
2. ISR:インクリメンタル静的再生成
Next.js では、静的サイト生成(SSG)に加え、 インクリメンタル静的再生成(ISR) というユニークな機能もあります。ISR では、静的ページをリクエストに応じて定期的に再生成でき、ビルド全体をやり直す必要がありません。更新頻度の高いコンテンツでも静的なパフォーマンスを維持できます。
3. API Routes の統合
Next.js では、API ルートを簡単に作成できる機能が標準で用意されています。これにより、バックエンド API の作成や、サーバーレスな機能を持つアプリケーションの構築が容易になります。別のバックエンドサービスを用意する必要がなく、簡単なデータ処理や認証機能も、フロントエンドと同じコードベースで管理できます。
4. 自動的なコード分割と最適化
Next.js は、ページ単位で自動的にコード分割(Code Splitting)を行います。これにより、ユーザーがアクセスしたページだけに必要なコードが読み込まれるため、初期読み込み時間が短縮されます。各ページのバンドルサイズ(Web ページを読み込むために必要なリソースのサイズ)が小さく、パフォーマンスが向上します。キャッシュも活用すれば、リロードやナビゲーションが高速化されます。
5. ファイルベースのルーティング
Next.js のファイルベースのルーティングは、開発者が効率的かつ分かりやすくルートを管理できるシンプルな仕組みです。pages/ディレクトリ(page-route)や app/ディレクトリ(app-route)に配置されたファイルやフォルダが自動的にルートとして使用されるため、ルーティングの設定を手動で行う必要がなく、管理が簡素化されます。
具体例(app-route の場合):
- app/page.js → / に対応
- app/about/page.js → /about に対応
6. TypeScript サポート
Next.js は、TypeScript をネイティブサポートしており、TypeScript での開発もスムーズに行えます。プロジェクトのセットアップも簡単で、next dev を実行するだけで必要な設定が自動的に行われます。
7. Image Optimization(画像の最適化)
画像の最適化は Web パフォーマンス向上に重要な要素です。Next.js は標準で Image Optimization 機能を提供しており、次のような効果が得られます。
- ユーザーのデバイスや画面サイズに応じて、必要なサイズや形式の画像をオンデマンドで提供
- Lazy Loading(遅延読み込み)に対応
- WebP 形式などの次世代フォーマットの使用(WebP は、従来の JPEG や PNG よりもファイルサイズが小さく、読み込み速度が速い)
8. 最適な開発者体験とエコシステム
Next.js は、効率的な開発者体験を重視しています。ホットリロード、詳細なエラーメッセージ、自動ビルドなどの機能を持ち、開発者が快適に作業できるように設計されています。また、Vercel によって開発されているため、デプロイも簡単です。(無料アカウントでも商用目的でなければデプロイ可能)
Next.js 市場動向(2024/10/07 時点)
SOKUDAN が公開した 2024 年最新のフリーランス・副業における「年収が高いプログラミングフレームワークランキング」で、Next.js は 6 位にランクインしています。
ちなみに、2023 年の State of JavaScript で発表されたメタフレームワークのランキングでは、Next.js は 1 位に輝いており、その人気と実力を証明しています。
さいごに
Next.js は、その多彩な機能と強力なパフォーマンスにより、フリーランスや副業市場で高い評価を得ています。
今後も、Web 開発において Next.js の需要はますます高まることが予想され、フリーランスや企業において重要な役割を担うフレームワークとして成長を続けると考えられます。