はじめに
この記事を開いていただき、ありがとうございます。
Windows / macOS / ChromeOS / iOS・iPadOS / Android の各OSには、見えにくい人向けのアクセシビリティ機能が標準搭載されています。
スクリーンリーダー、拡大鏡、色反転や補正、音声アシスタントを使うことで、より快適に端末を利用できます。
この記事では、それらの機能を 比較表 で整理し、さらに ショートカットキー や 具体的な利用シーン例 を紹介します。
各OSのアクセシビリティ機能比較表
機能カテゴリ | Windows | macOS | ChromeOS | iOS / iPadOS | Android |
---|---|---|---|---|---|
スクリーンリーダー | ナレーター | VoiceOver | ChromeVox | VoiceOver | TalkBack |
拡大表示 | 拡大鏡 | ズーム | 全画面拡大鏡 / ドッキング拡大鏡 | ズーム | 拡大(トリプルタップ / ショートカット) |
表示調整 | フォントサイズ、ハイコントラスト、マウスポインタ調整、カラーフィルタ | カラー反転、透過効果抑制、カラーフィルタ | 色反転、色補正 | フォントサイズ、ボタン形状、透明度調整、カラーフィルタ、動作制御 | ダークテーマ、色反転、高コントラストテキスト、色補正 |
通知関連 | 応答不可(集中モード)、通知制御 | 通知調整 | 通知制御 | VoiceOver読み上げ通知 | 通知制御 |
音声サポート | 読み上げコンテンツ | 読み上げコンテンツ、音声ガイド | Google アシスタント | Siri / 読み上げコンテンツ、バリアフリー音声ガイド | Google アシスタント |
その他 | 詳細なカスタマイズ可 | VoiceOverユーティリティで高度に調整可能 | 教育用途にシンプル | 点字ディスプレイ連携、VoiceOverジェスチャー | テキスト読み上げ、音声コントロール |
具体的な設定方法
画面の内容を読み上げたり、拡大したり、色や表示を調整する機能が標準搭載されています。
それぞれのOSでの 設定場所 を以下にまとめます。
画面に表示された内容を説明する(スクリーンリーダー / 読み上げ)
OS | 機能名 | 設定場所 |
---|---|---|
Windows | ナレーター | 設定 → アクセシビリティ → ナレーター |
iOS / iPadOS | VoiceOver | 設定 → アクセシビリティ → VoiceOver |
iOS / iPadOS | 読み上げコンテンツ | 設定 → アクセシビリティ → 読み上げコンテンツ |
Android OS | スクリーンリーダー TalkBack | 設定 → アクセシビリティ → TalkBack |
macOS | VoiceOver | Appleメニュー → システム環境設定 → アクセシビリティ → VoiceOver |
画面を拡大して見やすくする(拡大鏡 / ズーム)
OS | 機能名 | 設定場所 |
---|---|---|
Windows | 拡大鏡 | 設定 → アクセシビリティ → 拡大鏡 |
iOS / iPadOS | ズーム | 設定 → アクセシビリティ → ズーム |
Android OS | 拡大 | 設定 → アクセシビリティ → 拡大 |
macOS | ズーム | Appleメニュー → システム環境設定 → アクセシビリティ → ズーム |
表示を調整して見やすくする(色反転 / コントラスト調整 / フィルタ)
OS | 機能名 | 設定場所 |
---|---|---|
Windows | ハイコントラスト、カラーフィルタ | 設定 → アクセシビリティ → ディスプレイ |
iOS / iPadOS | 画面表示とテキストサイズ | 設定 → アクセシビリティ → 画面表示とテキストサイズ |
Android OS | ダークテーマ、色補正、色反転 | 設定 → アクセシビリティ → ディスプレイ |
macOS | ディスプレイ調整(カラー反転、透過効果抑制、カラーフィルタ) | Appleメニュー → システム環境設定 → アクセシビリティ → ディスプレイ |
OS別ショートカットキー集
🟦 Windows
-
ナレーター起動/停止:
Win + Ctrl + Enter
-
ナレーターのコマンド一覧:
Caps Lock + F1
-
ナレーター設定:
Win + Ctrl + N
-
拡大鏡オン:
Win + +
-
拡大鏡オフ:
Win + Esc
🍏 macOS
-
VoiceOver ON/OFF:
Command + F5
-
ズーム ON/OFF:
Option + Command + 8
-
ズーム倍率変更:
Option + Command + + / -
🟩 ChromeOS
-
ChromeVox ON/OFF:
Ctrl + Alt + Z
-
全画面拡大鏡 ON/OFF:
Ctrl + 検索キー + m
-
拡大率変更:
Ctrl + Alt + 明るさキー(上下)
📱 iOS / iPadOS
- VoiceOver ON/OFF: サイドボタン or ホームボタン3回押し
- ズーム ON/OFF: 3本指でダブルタップ
- ズーム移動: 3本指でドラッグ
- 画面全体読み上げ: 画面上端から2本指で下にスワイプ
🤖 Android
- TalkBack ON/OFF: 音量ボタン両方長押し
- 部分拡大: 画面を3回タップ
- ズーム移動: 2本指でドラッグ
- 全画面拡大ON/OFF: ユーザー補助ショートカットから切替
利用シーンの具体例
-
会議中に急遽VoiceOverをオンにする(iOS)
→ ホームボタン3回押しで即起動。
→ 資料を見づらい環境でもすぐに音声ガイドで対応可能。 -
教育現場でChromeOSを活用
→Ctrl+Alt+Z
でChromeVoxを起動、生徒がWeb教材を読み上げで学習。
→Ctrl+検索キー+M
で拡大鏡を呼び出し、図や表を拡大して共有。 -
開発者が自作アプリの検証を行う(Windows)
→Win+Ctrl+Enter
でナレーターを起動。
→ UIが正しく読み上げられるかをその場で確認可能。
詳細設定
🍏 iOS / iPadOS
- ローター機能: 2本指回転で読み上げ速度や移動単位を変更。
- 複数ジェスチャー: 2〜4本指タップ・スワイプで多様な操作。
- ホバー入力 / ホバー拡大: ポインタを当てたテキストを別窓で拡大表示。
- フォントサイズ(Dynamic Type): カレンダー、メール、メッセージ等に反映。
- 透明度・コントラスト・色フィルタ: グレイスケールや赤/緑/青/黄フィルタ。
- 動作効果軽減: モーションエフェクトを抑制。
- 読み上げコンテンツ設定: 選択テキスト/画面全体/入力フィードバック/強調表示などを細かく設定。
- バリアフリー音声ガイド: 映像コンテンツにナレーションを追加。
🤖 Android
- 選択して読み上げ: 必要な時だけ読み上げ可能。
- 拡大操作の2パターン: トリプルタップ or ショートカットから選択。
- ズーム操作詳細: 指ドラッグで移動、指を離して停止。
- 高コントラストテキスト: 黒/白のはっきりした文字に変更。
- 色補正: 色覚特性に合わせた調整。
- フォントサイズと表示サイズの個別変更: Android 7.0以降で対応。
チートシート
OS | スクリーンリーダー | 拡大表示 | 読み上げ | 表示調整 |
---|---|---|---|---|
Windows | Win+Ctrl+Enter | Win+ + / Esc | CapsLock+F1 | Win+Ctrl+N |
macOS | Cmd+F5 | Opt+Cmd+8 | 読み上げコンテンツ | Opt+Cmd+ + / - |
ChromeOS | Ctrl+Alt+Z | Ctrl+検索+M | ChromeVox | Ctrl+Alt+明るさキー |
iOS/iPadOS | サイド/ホームボタン3回 | 3本指ダブルタップ | 2本指下スワイプ | 3本指ドラッグ |
Android | 音量ボタン長押し | 画面3回タップ | 選択読み上げ | 2本指ドラッグ |
まとめ
- 全OSに スクリーンリーダー / 拡大表示 / 表示調整 / 読み上げ機能 がある。
- Windows / macOS はショートカットが豊富で細かい調整向き。
- iOS / Android はジェスチャーや音声操作が直感的。
- ChromeOS は教育用途にシンプルで便利。
- 応用機能(ローター・色フィルタ・高コントラストテキストなど)を知るとさらに便利に使える。
最後に
今回は見えにくい人向けのアクセシビリティ機能をまとめてきました。
私自身もよく使う機能がありますが、使ったことがない端末や機能もあり、各OSによる違いを知ることができ、学びになりました。
ここまで読んでいただきありがとうございました!