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【AI活用術】新人エンジニアの“雑な要件”がAIの手でどこまで仕上がるのか!?PoC制作で検証してみた

Last updated at Posted at 2025-12-22

はじめに

この記事は、株式会社スピードリンクジャパン Advent Calendar 2025 の23日目の記事です。

皆さんは、AIをうまく使いこなせていますか?

業務や日常の中で AI を使う場面は増えてきたものの、

「なんだか思った通りに動いてくれない」
「結局、自分で直した方が早い気がする…」

そんなもどかしさを感じている人も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、Google AI Studio のビルド機能を使って
服薬管理アプリの PoC(プロトタイプ) を作成した経験をもとに、

  • AIにどう指示すると精度が上がるのか
  • どんな情報を渡すと「使えるUI」に近づくのか
  • 逆に、どんな頼み方をすると詰まりやすいのか

といった 「AI活用の学びと課題」 を中心にまとめます。

目次

作ったPoCの概要

題材にしたのは「スマホで使う服薬管理アプリ」です。

  • ホーム画面
    • カレンダー(月/週/日)
    • その日の服薬タスク一覧
  • タスク画面
    • 薬の登録・編集
  • 設定画面
    • 通知設定
    • 表示項目のカスタマイズ

今回は「機能を網羅する」よりも、
AIとのやりとりを通じてUIや挙動をどこまで作り込めるかを重視しました。

AIとPoCを作って感じたリアルな課題

実際にAIと一緒にPoCを作ってみて、次のような壁に何度もぶつかりました。

  • 修正をお願いしたのに、反映されていない
  • UIの「動き」が思っていたものと違う
  • 何度説明しても意図がずれる
  • 一部は直ったが、別の部分が壊れる

いわゆる「AIあるある」です。

特に多かったのは、

  • 複数ファイルにまたがる修正が漏れる
  • 動きのあるUI(ピッカー・アニメーション)の認識ズレ
  • 「いい感じにして」が一番通じない

という点でした。

質の高い回答を引き出すために意識したこと

1. 自分は「ディレクター」、AIは「実装担当」

AIに丸投げするのではなく、

  • 何を作りたいのか
  • どこが課題なのか
  • どうなったらOKなのか

必ず自分の言葉で決める ようにしました。

AIはあくまで「実装を手伝ってくれる存在」と割り切ると、
やりとりがかなり安定します。

ディレクター視点を意識したプロンプト例

以下の点を改善したい。

目的:
スマホで使う服薬管理アプリとして、操作に迷わないUIにしたい。

課題:
・ホーム画面
  日付を切り替えても、ハイライトが正しく移動しない
・タスク画面
  完了したかどうかが見た目で分かりにくい

理想:
・選択中の日付は必ず強調表示される
・完了したタスクは一目で「終わった」と分かる

2. 課題は画面ごと・機能ごとに書く

抽象的な指示よりも、

  • ホーム画面
  • タスク画面
  • 設定画面

のように 分解して箇条書きすると、回答の粒度も揃いました。

NG/OKの比較例

NG例

ホーム画面もタスク画面も、全体的に使いにくいです。

OK例

・ホーム画面
  ・日付を変更しても、ハイライトが当日から動かない
  ・年と月の表示順が不自然

・タスク画面
  ・編集画面が小さなウィンドウで操作しづらい
  ・単位は選べるが、1回の量を入力できない

3. 「現状」と「理想」をセットで伝える

「何がダメか」だけでなく、

  • 今どうなっているか
  • 本当はどうしたいか

を並べて書くと、AIの理解度が一気に上がります。

現状/理想を書いたときの伝わり方の違い

現状:
削除ボタンを押しても、何も起きない。

理想:
削除ボタン押下
→「削除します。よろしいですか?」の確認モーダル表示
→OKで削除実行

4. 動きのあるUIは、文章だけで伝えない

  • スクショ
  • GIF
  • 「この画像のように」

といった 視覚情報を添えると、再現度が段違いでした。

スク

通知時間の選択方法を、
添付した画像のようなドラムロール式に変更したい。

・--:-- をタップするとピッカー表示
・中央の行が選択状態
・保存ボタンに被らないよう、スクロール可能にしたい

スクショ例

5. 大きな変更は1プロンプト1テーマ

一度に頼みすぎると、必ずどこかが抜けます。

  • レイアウト変更
  • 入力方式変更
  • 設定画面連動

などは 分割して依頼した方が、結果的に早く完成しました。

まとめ

AIと一緒にPoCを作ってみて感じたのは、

  • 動くものはすぐに出てくる
  • でも「使えるUI」にするには、人のディレクションが不可欠

ということでした。

特に重要だったのは、

  • 課題を具体的に伝えること
  • 現状と理想をセットで示すこと
  • 視覚情報を惜しまないこと

です。

次回は、実際のプロンプト・回答・画面の変化
会話ログベースでそのまま紹介します。

「ここまで作れたのは、どんな指示をしたからか?」を
具体的に追っていく予定です。

最後に

ここまで「どうしたら質の良い回答を得られるのか」をまとめてきました。
PoC作成に限らず、普段の業務や日常生活の中でAIを活用することが増えてきています。
この記事が、今後のAI活用の参考になれば嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

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