企業ではなくチームで探す!『Qiita Jobs』で転職をアップデートしよう
売り手市場が続くエンジニアの採用事情。一方で実際に転職を考えたとしても、現場の実態が見えず、踏み切れない人も多いのではないでしょうか。
・どんなチームで、どんなエンジニア達と、どんな開発をするのか
・自分が持つ技術をチームで活かせるのか
・開発以外の業務にどの程度のリソース配分を求められるのか
そんなエンジニアの転職を支援するサービスが今春ローンチ予定『Qiita Jobs(キータジョブズ)』です。
国内最大の技術情報共有サービス『Qiita』のアカウントを用いた転職サービスで、企業側は開発チームを明示。他の転職サイトとは一線を画すコンセプトですが、現在の採用市場にどんな課題を感じていたのでしょうか? CEOの海野よりサービス企画から開発の背景をお伝えします。
※『Qiita Jobs』は、「Qiita」利用者のうち、希望者のみが利用できるサービスです。
取材:古越 幸太/文:飯田 りえ
撮影:廣瀬裕二
株式会社ninoya
目次
・不確実なソフトウェア開発だからこそ、現場のチームが大切
・企業側もエンジニアも、主体的にアウトプットする時代
・企業側が開発チームメンバー主導の採用を推進する仕掛け
プロフィール
不確実なソフトウェア開発だからこそ、現場のチームが大切
——Qiita Jobsの開発にあたり、各社のエンジニア採用における課題はどこにあると考えましたか?
海野:社内のエンジニアを中心に意見を洗い出しましたが、もっとも注目したのがエンジニアとプロダクト開発チーム(以下チーム)の相性です。両者のマッチングがパフォーマンスを左右する。そこで主体を企業ではなくチームに置いて、どうすれば良いつながりが生まれるかという議論からスタートしました。
——それだけエンジニアにとって、チームが重要だと?
海野:プロダクト開発というのは、不確実な未来と向き合い、それをいかに制御していくかという仕事です。だからこそエンジニアは他の職種以上に、所属するチームとそのメンバーを信頼できるかによって仕事の質が左右されます。
——チームが重要な一方、その姿が外からは見えにくいですね。
海野:そうなんです。例えば企業単位の求人を見ても、実際に自分が入社したら誰と何をやることになるのかほとんどわかりません。逆に、Qiita上でエンジニア個人のことを知っていても、その人が働いているチームのイメージや雰囲気まではわかりませんよね。チームに具体的に誰がいて、それぞれがどういう役回りでどう連携して働いているか。これらが明確でないとエンジニアとして転職をイメージできないのです。
——企業側としてもチームで打ち出した方が、良いマッチングが期待できる?
海野:より現実に即した情報を開示してもらう方が、エンジニアとの良い出会いがあると思います。Qiita Jobsでは企業側が開発するプロダクトと、チームを明示することで、相互のマッチング精度を上げたいと考えています。
企業側もエンジニアも、主体的にアウトプットする時代
——今回のサービスの大きな特徴として、①Qiitaアカウントを使う、②チームを明示した採用活動、③開発チームメンバー主導の採用活動とありますが、とりわけ③が斬新ですね。
海野:Qiita Jobsでは企業の人事と現場のエンジニアが連携し、採用活動を進めることを重要視しています。これまでの採用活動はまず人事部主導で進め、面接に進むにつれて現場のエンジニアが呼ばれるというケースが多かった。これは非常に受動的です。エンジニア同士でないとわからない話もあるでしょう。もっと現場の人が主体的に参加するべきです。
——開発チームメンバー主導というコンセプトを、Qiita Jobs上でどのように体現しているのでしょうか?
海野:そうですね。まず、企業がQiita Jobsのアカウントを取得します。次に所属するエンジニアのQiitaアカウントを、企業のQiita Jobsアカウントに紐づけます。ここが特徴的な点なのですが、チームの紹介や求人内容などを書く権限は、紐づけした個別のQiitaアカウントに割り振られる。つまり、募集要項を書く権限が、現場のエンジニアに委ねられるのです。
——となると、日ごろからQiitaで積極的に発信しているエンジニアがいる企業は有利ですね。
海野:そうですね。必ずしも転職や採用を目的にする必要はありませんが、日々使っている技術や考え方などを発信することが、こうした場面で活きることは間違いありません。弊社でもエンジニアを採用する場面では必ずQiitaアカウントを聞きます。どんなプログラムを書くのか、特定の技術に対してどういった知見があるのか、それらをどのように深掘りしてどう解釈をする人なのか……職務経歴書ではわからない人物像が浮かび上がるのです。
企業側が開発チームメンバー主導の採用を推進する仕掛け
——開発チームメンバー主導を実現するためにほかにどんな仕掛けを?
海野:業務時間の40%以上をそのチームで働いていると見なせる人のみを、チームメンバーとして登録していただく、つまり「メンバー1人につき最大2チームまでしか所属できない」形になっています。例えば、自社に著名なCTOがいる場合、ついあらゆるチームに所属させたくなるかもしれません。でも、憧れのあの人と働ける! と思って応募してみたら、実際の現場にはほとんど顔を出していなくてがっかり……といったような在籍と実働のギャップを防止する仕組みです。また、面接官の半数以上は現場メンバーで行っていただくようガイドラインに示しています。
——他の転職サイトには見られない仕組みですね。 採用後はいかがでしょうか。
海野:採用が決まったら、必ずそのチームに配属すること。そして、最低3ヶ月は本人の希望がなければ異動させないこと。この2点をお願いしています。
——なるほど。貴社が掲げられているミッションとつながりますね。
海野:「エンジニアを最高に幸せにする」ですね。常に意識はしています。お互いが対等な立場で自己開示すること。それが良いチームを作る条件であり、エンジニアの幸せにつながると考えています。その分、発信に不慣れな企業にとっては負担が大きいかもしれません。一方で、Qiita Jobsのフォーマットに従いエンジニアが求める情報を開示することで、優れたパフォーマンスを持つ人材に出会える。そうしたメリットを実感いただきたいですね。
——企業側にスカウト機能を実装する予定もあると伺いました。
海野:はい、今後の展開として考えています。Qiitaで日常的に発信を行うことが、結果として企業側のオファーにつながる。双方にメリットがある仕組みにしたいです。
——Qiita Jobsの存在が、エンジニアの転職市場のアップデートにつながりそうですね。ありがとうございました。