案件逆指名、上限なし書籍買い放題制度、副業自由など、アスペアのエンジニアフレンドリーな職場環境を探る

価値観の多様化がますます進む現代社会において、「働き方」に関する選択肢の多さは、そのままQOLの高さに直結すると言えるでしょう。コロナ禍をきっかけに多くの企業がリモートワークを導入したことから、そのことを実感している方も多いのではないでしょうか。

今回は、エンジニアの「働きやすさ」を追求すべく、様々な取り組みを制度化し、従業員が取り得る選択肢を多く用意している株式会社アスペア(以下、アスペア)に取材しました。創業から30年以上経過する同社は、Webサービスの開発に特化したSES企業として、自走力のある優秀なエンジニアが多数所属していると言います。

働きやすさを追求した職場作りのために、アスペアではフルリモートワーク・フレックス制度の導入のほか、上限なし+簡単な手続きだけで申請できる書籍買い放題制度や、資格取得補助、副業の自由など、個人が自由に働き方をデザインできる環境を整備しています。副業でカフェをやっているメンバーもいるのだとか。また、案件を自分で選ぶこともできるとのこと。

具体的に、アスペアに所属するエンジニアは、どのようなエンジニアライフを送っているのか。今回は、入社1年前後のメンバー2名にお話を聞いてきました。

プロフィール

K.T.
株式会社アスペア
システム開発部
2023年4月に株式会社アスペアへ入社。それ以前は、地元の独立系SIerでフルスタックエンジニアとして医療系システムの開発に従事した後、同じく地元のSES企業へ転職。フルスタックエンジニアとして、コンシューマー向け動画配信サービスや業務アプリのフレームワーク保守開発プロジェクトなどを担当。アスペア入社後は、前職とは別の動画配信サービス企業の広告管理システムの開発などに従事している。

 

D.I.
株式会社アスペア
システム開発部
2023年8月に株式会社アスペアへ入社。前職では、3,000人ほど所属するSIer兼SESの会社でSEとして、Webサービス企業でのフロントエンドエンジニアや、官公庁系システムの方式設計担当などとして業務に従事。アスペア入社後は、動画配信系サービスを展開する企業で、Reactを使ったフロントエンド開発に携わっている。

地元に住んでいても東京のいい案件にフルリモートで参加できる

――まずはおふたりのキャリアについても伺いたく、これまでのご経歴とアスペアへの入社を決めた理由を教えてください。

I. :前職では3,000人ほど所属するSIer兼SESの会社で、SEとして2年ほど働いていました。主にWebサービスを展開する企業のフロントエンドチームのエンジニアとして案件に入っていたのですが、その会社がDevOps体制を敷いていたので、Next.jsやReactなどを使った画面/機能の開発の他、インフラの整備や監視ツールの導入など、割と広くフロントエンド周りをやっていました。

その案件のあと、今度は官公庁系のシステム方式設計などをすることになりましたが、その案件の途中で転職活動をして、2023年8月にアスペアに転職しました。現在は動画配信系サービスを展開する企業で、Reactを使ったフロントエンドエンジニアとして開発に従事しています。

――なぜアスペアへの入社を決めたのですか?

I. :大きく2つの理由があるのですが、まずは家庭の事情で都心から離れて引っ越す必要があったことです。引越し先の地域で働くか、フルリモートで働くかの二択を考えた時に、希望するWeb系企業が近辺にそれほどなかったので、フルリモートで働ける会社を探しました。

あと、もっと「ものづくり」を体感できる案件に携わりたいと思ったのも、正直なところです。というのも、前職後半のシステム方式設計の仕事が、あまり面白いとは思えなくて。他のエンジニアが作った仕様書の誤字脱字のチェックなどをしていて、「自分は何をやっているんだろう」と疑問を感じていました。

自社でWebサービスを展開している会社に転職するのも考えられたのですが、まだ自分がどういうサービスや事業ドメイン、カルチャーの組織で働きたいのかが明確ではなく、様々なサービスや組織を見てみたいという気持ちもあり、フルリモートでの業務が可能でWeb系開発企業にSESで参画しているアスペアに入社したという流れです。

T. :アスペア以前には2社経験しています。1社目は地元の独立系SIerで、医療系システムの開発に携わっていました。そこに10年ほどいたのですが、入社当初より要件定義からリリースまで一貫して携わっており、フルスタックの立ち位置で取り組んでいました。

今度はWebアプリをやりたくなり、同じく地場のSES企業に転職しました。案件としては、コンシューマー向け動画配信サービスや業務アプリのフレームワークの保守開発などです。Javaを中心としたサーバーサイド開発を軸に、PHPやC#で画面を開発したりインフラの構築もしたり、ここでもフルスタックエンジニアな動きをしていました。

その後、2023年4月にアスペアに転職し、現在は動画配信サービス企業の広告管理システムの開発に従事しています。開発体制がスクラムなので、当初はバックエンドエンジニアとして入りましたが、その後フロントエンドや改善ツールの導入などを行い、これまでと同様フルスタックエンジニアとして動いています。

――キャリアを通してフルスタック的に動かれている感じですね。

T. :現在の案件ではバックエンドの人として入ったんですけどね。毎回成り行きでそうなっていますね。

――アスペアへ転職した理由は何ですか?

T. :前職まではウォーターフォールで開発をすることも多く、プロジェクト期間として1〜2年ほどかかっていました。もっとリリースサイクルが早く、お客さまからのフィードバックを受けながら高速で改善していく環境に身を置きたいと考え、Webサービス案件に集中できる会社を探していました。

また地元に住んでいても東京のレベルの高い案件にフルリモートで参加できる、というのも大きな条件と考えていたので、それら両方の希望を満たすアスペアに決めました。実際、1年間フルリモートで働いています。出社は入社時のオリエンと、年に1回全社員が集まるイベントの時だけです。

入りたい案件を自分で選べるようになっている

――入社前後でのギャップなど、率直にいかがですか?

I. :良くも悪くも本当に自由だと感じています。アスペアでは入りたい案件を自分で選べるようになっているのですが、少なくとも前職ではそのような選択肢は全くありませんでした。

T. :たしかに、面接の時点で「案件は自分で選ぶ」と聞いていましたが、入社してみたら本当にそういうシステムになっていて驚きましたね。

――具体的にどういう流れでアサインが決まっていくのでしょうか?

I. :基本的に案件管理をしているのが営業メンバーなので、事前にキャリアプランや入りたい案件に関する情報を共有しておきます。そうすることで、例えばあるプロジェクトで人が必要になったタイミングで、エンジニア一人ひとりの希望や得意領域に合わせて営業メンバーが個別にピックアップして、声をかけていくという流れになっています。

T. :専用のSlackがありまして、アサインのやり取りが公開されていますよね。営業メンバーから「こういう案件があるけどどうですか?」という打診があって、それに対してエンジニアが「ちょっと合わないかもだけど一回話してみたい」とか。

I. :特にやりたいことがない人にとっては、内示だけで勝手にアサインされていくスタイルの方が良いかもしれませんが、僕自身はやりたいことがあって転職してきたタイプなので、こういう逆指名の制度はありがたいですね。

――そうなると、営業メンバーによるエンジニア一人ひとりの把握力も大事になってきますね。

I. :ちゃんとSE一人ひとりの希望が頭の中に入っていて、適切なアサイン提案をしてくれるので、いつもすごいなと思って見ています。

T. :この仕組みがワークするための大前提として、エンジニアが自立していて、お客さま目線で動けることが大事になってきます。そういうスキルの高いメンバーが集まっているんだと思います。

――案件数としては結構あるものなのでしょうか?

T. :私が入社してから6件くらいは打診がありましたね。中には並行して受けることもありますよ。

スプレッドシートとSlackで書籍購入フローが自動化

――エンジニアに寄り添った制度も整っていると伺います。具体的にどのような制度があるのでしょうか。

T. :ざっと挙げると、フルリモートワークOK、全社員がフレックス勤務、上限なしの書籍買い放題制度、資格取得補助、事前申請/承認なしでの副業の自由、といった感じです。

――フルリモートワークやフレックス勤務は、先ほどの転職理由のところでもおっしゃっていた通り、おふたりにとって重要なポイントですよね。

I. :そうですね。もちろんアサインされるお客さま先によって働き方は変わったりすると思いますが、少なくとも僕が今入っているプロジェクトはお客さま先もフレックス勤務なので自由度が高いです。

――次におっしゃった、書籍買い放題制度の「上限なし」って、本当に上限がないのでしょうか?

T. :本当にないです。この制度が非常にありがたくて、入社した当初から使わせてもらっています。入社1年目のメンバーでは一番多く買っているかもしれません。

――具体的にどんな書籍を購入され、どのように役立てているかを教えてください。

T. :入社した時はバックエンドエンジニアとしてプロジェクトに入りましたが、フロントエンドのメンバーが足りないということで、私がそこも兼任する感じになっていきました。一方で、前職までフルスタック的に動いていたとはいえ、モダンなWebサービスの開発を業務としてやる環境が今までなかったこともあって、スキルの偏りがあったんですよね。「これはまずい、ちゃんとキャッチアップしないといけない」と思い、書籍買い放題制度を使って、フロントエンド周りのことを学ぶための書籍をすぐに購入しました。この制度では、事前の申請が自動化されている点も非常に良いと思っています。

――どういうことでしょうか?

T. :会社によっては、書籍の購入理由を明確にしたり、購入した後にレポートを書く必要があったりするじゃないですか。でもアスペアではそういったことは一切なく、そもそもスプレッドシートとSlackで購入フローが自動化されているので、誰かに何かを説明する必要が一切ありません。

――それはいいですね! 書籍を購入する時って、直近での明確な用途がない場合もあったりしますからね。

T. :そうなんですよ。それまで詳しくなかったDevOpsの書籍とか、今入っているプロジェクトのテーマである広告の本とかも買いましたね。今すぐ必要な知識ではなくても、結果としてお客さまとのコミュニケーションや業務に役立つことも多いので、明確な用途がない場合でも気兼ねなく購入できるのは助かります。

I. :例えばオライリー本って、往々にして金額が高いじゃないですか。以前からオライリーのJavaScriptに関する「JavaScript Design Patterns」という書籍を読みたいと思いつつ、なかなか手が出せなかったのですが、書籍買い放題制度のおかげで買えて、そこでの学びをディスカッションに活かしています。

T. :Slackでの自動化は書籍購入だけでなく、休暇管理や時間管理、通勤管理など様々な申請ワークフローで使われています。休みたいときや中抜けしたいとき、上司にわざわざメッセージを送る必要がなく、ボタン操作だけで申請・承認されるので、そのような部分でも助かるなと思っています。

週末に喫茶店の副業をやっているメンバーも

――副業も自由、ということですが、これも本当に何をやってもいいのでしょうか?

I. :自由です。もちろん、本業が明らかに疎かになるような副業の入り方はもってのほかですし、一応上司に「こんなことをやっている」という報告は必要ですが、申請・承認が必要なものはありません。

僕自身、2つ副業をしていまして、一つは業務委託でフロントエンドとバックエンドの受託開発案件、もう一つは個人でのプロダクト開発です。どちらも業務で扱っていない技術や、担当したことのないポジションの仕事ができているので、考え方が変わるきっかけにもなっています。特に業務委託の経験は勉強になっていて、「いかに自分という商品を魅せていくか」が大事だと気づいてきました。

――その辺りは会社員だとなかなか気付けないものですよね。副業を2つされているということで、時間管理はどうされているのでしょう?

I. :平日の日中はアスペアでの本業があるので、副業は基本的に平日の朝早くとか、土日祝日を使って対応しています。平日朝は連絡関係だけやって開発は週末にがっつり、というパターンが多いと思います。

――なるほど。T. さんは副業をされているのですか?

T. :現時点ではやっていないです。でもずっと、やりたいとは思っています。今までのキャリアがサーバーサイドが主軸なので、モダンなフロントエンドなどの環境の勉強のためにも、業務に活かせるような副業はしたいと思っています。あと、個人的には人の育成領域にも興味があるので、コーチ業とかも個人でできないかなと思っているところです。

――テーマも自由だから開発プロジェクトだけが副業対象というわけではないんですよね。

T. :メンバーの中には、週末に喫茶店をやっている人もいますね。私はまだ行ったことがないですが、いつかは遊びに行けたらなと。

――自由ですね。資格取得補助は活用されていますか?

T. :これも、今入っているプロジェクトのキャッチアップが大変でなかなか着手できていないのですが、AWS関連の資格を取るときに使いたいなと思っています。

主体性があって、自分の意見や考えがある人が向いている

――ここまでおふたりについて色々と伺ってきましたが、社内には他にどのような社員さんがいらっしゃいますか?

T. :様々な人がいますよ。SIerで上流から下流まで一気通貫でやってきたエンジニアや、PM経験が豊富な方など。あと、すごくギークな方もいらっしゃいますね。

みんなすごいですが、特に営業メンバーは素晴らしいと思っていて。私たちの個人的なスキルややりたいことに、かなり向き合ってくれています。お客さまとの仲介もやってくれるし、フィードバックもたくさんもらえるので、しっかりとエンジニアと向き合ってくれていると感じています。

I. :僕は、T. さんがすごいなと普段から思っています。ミーティングの場などでは、積極的に意見交換が促進されるように動いてくれていて、おかげで社内の雰囲気も良くなっていると感じます。

T. :ありがとうございます。そこは意識的にやっているし、好きだからこそでもあると思っています。チームで上手に進めるためには、お互いコミュニケーションを取り、相手を尊敬して人となりを知ることが大事だと、キャリアを通じて感じています。

I. :あと、中にはすごく行動力のあるエンジニアもいて、自分から入りたい案件をネットとかで見つけてきて、営業メンバーに「一緒に提案しに行こうよ」と打診して、アプローチしている人もいます。

――それはすごいですね! どのような方がアスペアに向いていると思われますか?どんな人に入ってきてほしいですか?

T. :良くも悪くも自由度が相当高いので、意思を持っていれば様々なことに挑戦できる会社だと思っています。なので、エンジニアとして自立してある程度自走できる人だと居心地がいいのかなと思います。そこさえ押さえられていれば、現時点でのスキルセットはそれほど問われないと思います。私自身、AWSの経験が豊富というわけではなかったですが、今しっかりとキャッチアップしてやれていますので。

I. :僕も主体性があって、自分の意見や考えがある人が向いているなと思います。会社として個人の意見を尊重してくれるし、「どんどん挑戦して」という雰囲気もあるので、やりたいことがある人にはうってつけな環境だと思います。

――ありがとうございます。それでは最後に、読者の皆さまへメッセージをお願いします。

I. :僕自身、前職では決まったレールの中で気苦しさを感じていた一方、アスペアではのびのびと働けています。主体性をもって働きたい人には本当におすすめの会社だと思います。

T. :地方出身や在住であっても、東京に多くあるような最新でモダンな環境の案件に携わる機会がたくさんあるので、地方にいらっしゃる方でそういう機会を求めている人には非常におすすめです。フレックス勤務かつフルリモート、裁量の大きい環境を求めている人はぜひ、まずは面談で話を聞いてみてもいいのではないでしょうか。

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編集後記

エンジニアフレンドリーな各種制度、すごくいいですね。インタビューでも仰っていた通り、書籍購入も休暇/時間申請も、人を介さずに自動化されているというのもありがたいと感じます。上長へのメッセージとかを書く必要があると、どうしても自由な申請がしにくいですからね。選択肢の多い環境でエンジニアライフを楽しみたい方は、一度面談してみてはいかがでしょう。

取材/文:長岡 武司
撮影:法本 瞳

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