「Unity Pro」を使っているなら利用は必須!?「Unity Starter Success」がビギナー以上にもおすすめの理由が凄かった

ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社は「Unity Pro」での開発を支援する有償のテクニカルサポートプラン「Unity Starter Success」をリリースしました。専任のアドバイザーが着任してサポートするため、「Unity Pro」を初めて導入する初学者だけでなく、キャッチアップなどの時間を節約したい比較的経験を積んだエンジニアにも有益で魅力的なプランとなっています。

エンジニア不足に悩む「Unity Pro」開発チームにも光明となり得る「Unity Starter Success」の特徴やサポート内容、メリットをユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社の鹿内裕介氏に、実際に活用して得られたことなどを株式会社アークのエンジニアに伺いました。

Unity Starter Success の詳細はこちらから

プロフィール

鹿内裕介(しかない ゆうすけ)
ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社
専任テクニカルパートナーアドバイザー
AR/VR分野で研究をしたのち、スマートフォンゲーム業界でゲームクライアント開発やライブ配信サービスのバックエンド開発の経験を経て、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社にジョイン。現在は「Unity Starter Success」専任テクニカルパートナーアドバイザーとして「Unity Pro」ユーザーに対する技術支援を中心にクライアントの課題解決を行っている。

 

S氏
株式会社アーク
回路設計、基盤設計といったハードウェア技術に関わるエンジニアとして活躍。数年前から、部署で「Unity Pro」を導入し、AR/VRやGUIの開発に着手し、プレゼンテーションだけでなく、クライアントのUnity環境のサポートといった実際の業務で「Unity Pro」を活用している。

「Unity Pro」を強力にサポートする「Unity Starter Success」の概要

――はじめに、「Unity Starter Success」の概要を教えてください。

鹿内 裕介(以下、鹿内):「Unity Starter Success」は、当社が提供する「Unity Pro」ユーザー向けにローンチした、テクニカルサポートプランです。
「Unity Pro」はゲーム業界をはじめ、建設、製造、自動車など幅広い業界で利用されています。

今日お伝えしたい点の1つでもありますが、「Unity Starter Success」は「Unity Pro」をご利用の方であれば、最小単位で1人のお客さまから大手企業まで、事業規模を問わず簡単に導入いただけます

また魅力の一つでもあるのが、専任のパートナーアドバイザーが着任することです。ビデオ会議やメールなどを介した対話を通して、きめ細やかなサポートを受けつつ、これまでに時間を必要としていた様々な問題・課題を短時間で解決することが可能となります。

――Unityは非常にメジャーな存在で、機能やユーザーの多さから、インターネット上には莫大な情報があります。それゆえ「何が正しいか分からない」と混乱してしまう人も多いと聞いたことがあります。

鹿内:私もそう思います。Unityは機能がかなり豊富ですので、使い始めたばかりの方は何から手を付けたら良いのか分からず、迷子状態になることもあるようです。

そのような方でも「Unity Starter Success」をご利用いただければ、Unityから確度の高い情報が得られます。インターネットで調べた情報の取捨選択にも工数はかかるので、これは大きなメリットだと感じています。

Unity初学者のエンジニアがUnityを使ったプロジェクトにアサインされた場合、プロジェクトの進行と情報のキャッチアップを並行して行わなくてはならず、負担が大きくなってしまうことが往々にしてあります。
またUnity利用歴が長く第一線で活躍しているエンジニアであったとしても、3D分野の進化が早く最新技術や情報のキャッチアップが難しいといったことがUnityユーザーの生の声で挙げられていました。

このような課題をユーザーと一緒に解決するのが、「Unity Starter Success」です。

――情報収集やサポート対応を行う人員が不足しているユーザーもいます。そのような事態にも対応できると考えて良いでしょうか?

鹿内:もちろんです。近くにUnityのサポートができる人がいないといった事情をお持ちの「Unity Pro」ユーザーに特におすすめしたいと思います。「Unity Starter Success」をご利用いただければ、早いサイクルで課題を解決でき、本来集中すべきプロジェクトの推進などに集中できると思います。

専任アドバイザーが対応、確度の高い情報が手軽に入手可能

――「Unity Starter Success」のサポート内容を具体的に教えてください。

鹿内:大きく4つのカスタマーサポート項目があります。まず1点目がチケット制のテクニカルサポートです。

鹿内:チケット制のテクニカルサポートでは、Unityに関する問題や課題を専用のWEBサイト上からチケットベースでお伝えいただくことで、我々Unityの技術者と直につながり、問題解決にあたることができます。

ユーザーがトッププライオリティに設定したチケット1枚に対して適用される形にはなりますが、チケットを提出してから、Unity側がレスポンスするまでの1次回答保証時間を48時間以内としています(注:営業日換算、土日、祝日除く)。

チケットが放置されるリスクがなく、早いタイミングで正確なレスポンスが得られるのがメリットです。

――「48時間以内」に確度の高い回答が得られるのは大きいと感じます。2点目はいかがですか?

鹿内:2点目は、先ほども触れましたが専任パートナーアドバイザーが着任することです。私のようなパートナーアドバイザーが専任で担当します。

先ほどのチケット制やチャットでの問い合わせに対するテクニカルサポートがリアクティブ(反応的)とすると、プロアクティブ(積極性/先見的)なサポートをすることが専任アドバイザーの役割です。つまりユーザーの行動が起点になるのではなく、Unity側から情報を発信したり、自発的に提案したりしていくのがミッションなのです。

ユーザーが「Unity Starter Success」を導入したら、先ほど申し上げたような“迷子”にならないように、まずパートナーアドバイザーによるオンボーディングミーティングを設定するところからスタートします。これによりユーザーはUnityからのアクションに反応する形で「Unity Starter Success」の利用をはじめることができるのです。

本日お話しいただく株式会社アークさまのように、すでに課題や問題点が整理された状況から入っていくケースもありますが、問題を切り分けるところからスタートするケースも多いです。特にオンボーディングの段階では、定例ミーティング開催のペースを上げるなど、いち早く課題を解決できるようサポートを提供しています。

――「専任アドバイザー」が就いてくれるのは心強いですね。「Unity Starter Success」では、どのようなコミュニケーション方法が用意されていますか?

鹿内:Unity専任パートナーアドバイザーからのコミュニケーション手段として用意しているのは基本的にメール、電話、ビデオミーティングです。ユーザーにフィットした形で連絡させていただいています。最近はビデオミーティングになることが多いですね。テクニカルサポートに関しては、先ほどお伝えしたようにサポート専用のWEBポータルまたはメールによるチケットの提出が必要です。

――テクニカルサポートと専任アドバイザーによる対応はどのように切り分けられているのでしょうか?

鹿内:具体的に質問の内容が見えていたり、一例ですが特定のAPIが上手く扱えないといったレベルまで問題の切り分けができていたりしていれば、おそらくテクニカルサポートに直で投げていただいた方が担当のエンジニアとすぐつながるので早く問題解決できると思います。

逆に、これは質問して良いレベルなのかといった不安を感じたり、どう質問したら良いか分からない場合にお使いいただきたいのが私たち専任パートナーアドバイザーです。

曖昧で抽象的な質問でも、私たちにご相談いただければ、問題の切り分けからはじめさせていただいて、最終的に課題が明確になってからテクニカルチケットを投げていただく展開も想定しています。ちょうど専任アドバイザーがハブのようになると想像していただければ良いかと思います。

分からないことは何でも聞いていただけますが、プロジェクトの機密をいただいて調査することが「Unity Starter Success」では行えないので、その点はご留意ください。別プランならそのような調査も可能ですが、「Unity Starter Success」ではNDAを締結しない範囲でサポートさせていただくことになります。

――ユーザーとの対話を重視しているのですね。

鹿内:そうですね。3点目のサポート内容である「Fireside Chat」もユーザーとの対話に関するものです。日本語にすると炉端会議になるでしょうか、焚き火や暖炉を囲んでするような落ち着いた気分で楽しむ会話を意味し、具体的にはUnityエンジニアによる技術ウェビナーを行っています。

現時点では不定期開催ですが、「Unity Starter Success」ユーザーの皆さまを招待して過去に3回実施しました。第1回は、Unityが『Gigaya』というサンプルプロダクトを制作した際のキャラクターデザインのワークフローやアニメーション作成、ゲームの没入感向上手法などを解説し、実際に見ていただくことで実例ベースの知見を得ていただくというものでした。
第2回は、レゴ(Lego)の『レゴ®ビルダーズ・ジャーニー』というゲームの開発者の方を招いて知見共有をしていただきました。第3回は「Addressables」というUnityのアセットコンテンツ管理技術に関するウェビナーを開催しました。

―― 4点目はどのような内容でしょうか。

鹿内:4点目はオンデマンドトレーニングです。これはUnityによる有償のオンデマンドトレーニングの一部を無償受講できるもので、正式なサポート内容はこれら4点となります。

――これまでお伺いしてきたことと重なる部分もありますが、ユーザー側から見た「Unity Starter Success」の利用メリットを教えてください。

鹿内:大きなメリットは開発担当者の作業工数を削減して本来の業務に集中いただけることです。新たにサポート担当のメンバーを採用する余裕がない場合も気軽に「Unity Starter Success」をご利用いただいて、素早くプロジェクトの障壁を解消できるのではないかと思います。

48時間でUnityから確度の高い回答が得られますし、さらに情報も入手できるため、開発サイクルが早くなる可能性もあります。

重要なポイントは専任のパートナーアドバイザーが着任することだと思います。専任担当者がコンテキストをユーザーと共有しているため、継続的にスムーズな情報共有が可能です。毎回の質問の際に前提説明がなくても背景を理解しているため、すぐに本題から入ることができることはメリットではないかと考えています。

「Unity Pro」を効率よく使いこなしたい企業や人に幅広く対応

――「Unity Starter Success」はどのようなユーザーにおすすめでしょうか?

鹿内:Unityを利用し始めたばかりで質問の窓口を欲しているあらゆる方々が「Unity Starter Success」のご利用対象になると思います。 特に、「Unity Pro」ユーザーが多く属するゲーム業界では、新規参入の事業者も増加し続けており、ますます競争が激化していると認識しています。

ゲーム業界に近しいエンターテインメント業界でも、最近はモーションキャプチャーなどの技術も伸びてきており、VTuberも浸透してきました。この業界でビジネスをされている方、自己表現に利用されている方も1名から利用できる「Unity Starter Success」は最適だと思います。

また、リアルタイム3D技術を活用される業界の方にも、ご活用いただけるケースが増えてきました。今回、活用事例を紹介してくださる株式会社アークさまも「Unity Pro」と「Unity Starter Success」を活用していただいています。

機密情報を多数保有する大規模なユーザーの場合、プロジェクトのコアとなるような部分の対応は難しい面もありますが、企業に依存しない内容や質問に切り分ける形にしてくだされば、有効に活用していただけるサービスだと自負しています。

産業分野での支援事例:株式会社アーク

――まず、株式会社アークの事業内容をお教えください。

株式会社アーク・S氏(以下、S氏):株式会社アーク(以下、アーク)は、新製品開発に関してあらゆることを支援する会社です。試作品の制作などを通じて、お客さまの「このようなものが作りたい」という要望を現実にするための支援が主な業務です。私が所属する部署では、主に自動車のインテリアやエクステリア、家電の開発支援を行っています。

――事業の中で「Unity Pro」をどのように活用されていらっしゃいますか?

S氏:当初はAR/VRを使って、開発途中の物を見せたり、プレゼンに使用するサンプルを作ったり、家電などのGUIを制作したりすることに使っていました。

GUI開発の需要が伸びており、例えば車載のメーターやナビ画面のGUIなどの制作支援を行ってきました。

最近は、自動車業界でも「Unity Pro」が使われるケースが増えてきていると感じています。実際、お客さまからはUnityを私たちが使っているものと同じプログラムにしてほしいという依頼も数件いただいています。

――「Unity Pro」を使われてきて「Unity Starter Success」を導入されたのは、どのような課題を解決するためだったのでしょうか?

S氏:当社には「Unity Pro」を使えるメンバーが多くないという状況があり、技術的な課題に直面することが多々ありました。解決策を見いだせない場合、いったん保留して他の業務を進めていたため、このような状態を解消したいと思っていました。

当社のお客さまの新製品開発をサポートするという業務の特性上、同じものを作ることがまずないため、課題が多様化する傾向もあります。また、私自身が普段から常時「Unity Pro」を利用できる状況にないことも課題と感じていました。

そこで「Unity Starter Success」を契約し、Unityに関する様々な技術的な課題を定例ミーティングなどで共有するようにしたところ(NDAを締結しない範囲に限る)、迅速に課題を解決できるようになりました。一例ですが、私がUnityを使って出てきた問題や課題を専任パートナーアドバイザーに共有すると、Unityの作業から離れている間に課題の解決策を用意してくれています。これがとてもうれしく、重宝させていただいています。

普段から迅速に対応くださっているので非常に満足していて、今後の要望が見当たらないくらいです。

――専任パートナーアドバイザーと定例ミーティングが持てるのは心強いですね。

S氏:はい。感想は「非常に助かっている」の一言です。正直なところ「ここまでサポートしてくれるんだ」と感じています。専任テクニカルパートナーアドバイザーの鹿内さんとは気軽に話せますし、ビデオミーティングで課題が出てくるたびに相談しています。それだけでなく、これからやってみたいことも共有しており、その都度手伝ってもらっています。

鹿内:定例ミーティングを何度か実施していると課題への取り組みスピードが上がります。また、お互いに気軽に話せるようになり、関係性も向上しますので共有事項が増えていくことで我々が貢献できることも増えていく実感があり、私も楽しくサポートさせていただいております。

S氏:「Unity Starter Success」を導入することで、迅速に解決の糸口が見つかるようになったのが非常に大きいですね。今後もプロダクトの完成まで一緒にやっていけたら良いなと思っております。

鹿内:サポートさせていただきます!

――Unity側としても、業務理解が進んでサポートしやすくなるといったことはありますか?

鹿内:そうですね。業務理解が進むにつれて、お使いになっている技術群への理解も進みます。以前は課題をいただいて持ち帰り、検討してから回答することがほとんどでしたが、最近は定例ミーティングの場で解決できたケースもありました。これが専任パートナーアドバイザーが就く強みです。その点で言うと、「Unity Starter Success」は長く使えば使うほど価値が出てくるサービスだと思います。

「Unity Starter Success」を有効活用するポイントとは?

――NDAを締結しない範囲でのサポートでも思ったより踏み込んだところまで対応できているのですね。活用のポイントを教えてください。

S氏:質問の仕方によるのではないのかなと思います。1つの課題を深掘りしていくと、技術的な要素にどんどん細分化されていくと思います。その細分化された技術部分を私は課題としています。課題のタスク一覧も作成して、これを鹿内さんに共有しています。このように基本的に質問をする際は、1つの技術へと切り分けてから共有させてもらう形です。技術ごとに聞いているのでNDAも不要ですし、迅速に回答が得られるようになると思っています。

鹿内:そうですね。質問や課題が切り分けられていると、関係値が深まるにつれて実現したいことも分かってきますので、より具体的な解決策が提示できます。先日サンプルプロジェクトを作り、共有させていただく形でコードベースでのサポートの体験ができました。これは新しい取り組みができたと感じています。

S氏:「まさにこれ!」というものをいただいてしまい、本当にここまでやってもらっていいのだろうかと思いました。当社内でも驚きがありました。

――アーク側から見た「Unity Starter Success」のおすすめポイントを教えてください。

S氏:Unityをはじめたばかりだと、どうしても壁にぶつかることが多いと思います。そこで諦めるのではなく、「Unity Starter Success」で質問ができるパートナーが得られるのが非常に大きなメリットだと思っています。目の前に現れた壁に対応するためのアドバイスをもらい、課題解決してプロジェクトを成功させ、新たなプロジェクトの実施につなげるサイクルが回ると、エンジニアとしての技術も向上し成長できるのではないかと思います。その意味でも「Unity Starter Success」はとても魅力的なサービスだと企業・個人双方の視点で感じています。

――最後にQiitaの読者、「Unity Pro」ユーザーにメッセージをお願いします。

S氏:個人ではハードルが高いかもしれませんが、「Unity Starter Success」を契約することによって期待以上のアウトプットが得られます。一度試してみてはいかがでしょうか。

鹿内:「Unity Starter Success」は1ライセンスの小規模なお客さまから大規模なお客さままで使っていただけるサービスです。専任のパートナーアドバイザーがいるからこそ、寄り添えるサポート内容となっていると思います。

今この瞬間、Unityについて課題をお持ちの方、はじめたばかりの方にぜひ使っていただきたいです。皆さまをサポートさせていただくことを心よりお待ちしています。

Unity Starter Success の詳細はこちらから

※この記事の内容は2023年4月24日時点の内容に基づいています。

編集後記

「Unity Starter Success」、その名を一見すると初学者向けなのかと思いますが、実際は上級者の要求にも十分応える充実したサービスでした。ポイントとなるのは、NDAを締結しない範囲でのサポートであるということ。取材中に語られていますが、問題をしっかり技術レベルに落とし込むことができるエンジニアにとってはむしろ使いやすいサービスなのかもしれません。
もちろん、ウェビナーなども開催されており、「Unity Starter Success」そのものの学びもしっかりサポートしています。Unityは非常に多くの人々に愛され、使われているので、ネット上の情報が莫大です。確度の高い情報が専任アドバイザーから短時間で得られるのは学びの効率を最大化できる意味でも魅力的です。ぜひ一度サービス内容をご確認ください。

取材/文:神田 富士晴

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