日立ソリューションズが、なぜElasticを販売するのか? 「活文」との関係を中心に聞いてみた。

日本でも認知を広げているElasticsearch株式会社。その名から検索エンジンの提供元として知られていますが、同社が提供するソリューションは圧倒的な検索技術を活用してセキュリティやデータ分析領域でも応用されており、熱い注目を集めています(以下、Elasticsearch株式会社の略称および同社が提供する製品・ソリューションを総称して「Elastic」と記載します)。株式会社日立ソリューションズはこのElasticにいち早く着目し、自社製品「活文 企業内検索基盤」の検索エンジンとして採用。以降、コラボレーションを進め、多くの実績を積み重ねています。
そこで、今回は株式会社 日立ソリューションズのビジネスコラボレーション本部デジタルアナリティクスビジネス部ユニットリーダの土井 聡氏とElasticsearch株式会社パートナーディレクターの米倉 正雄氏にElasticや「活文」の概要や今後、目指す方向性などについてお伺いしました。

プロフィール

土井 聡(どい さとし)
株式会社 日立ソリューションズ ビジネスコラボレーション本部
デジタルアナリティクスビジネス部 ユニットリーダ
2001年、日立ソリューションズ入社。入社以来、企業に蓄積されたビジネスデータ活用を支援する「活文」の販売に一貫して携わる。製品提案だけでなく、導入支援まで幅広く対応し、現在は検索エンジンにElasticsearchを採用した「活文 企業内検索基盤」を担当している。

※Elasticsearchは、Elasticが提供するソリューションの中核となる製品。

 

米倉 正雄(よねくら まさお)
Elasticsearch株式会社
パートナーディレクター
クラウド、SaaS関連製品の直販営業、リセール支援等の現場で数多くのプロジェクトを経験したのち、2022年にElasticsearch株式会社に参画。現在は、パートナー企業がElastic Stackをエンドユーザーへ再販する際の支援活動を展開している。

※Elastic Stackは、Elastic社が提供する検索、分析、可視化を行う製品群。Elasticsearch、Kibana、Beats、Logstashなどで構成される。

 

Elasticは、セキュリティやデータの可視化にも活用できる

――はじめに、おふたりの自己紹介をお願いします。

土井 聡氏(以下、土井): 日立ソリューションズに入社してから、私は「活文」にずっと関わってきました。現在は、「活文 企業内検索基盤」をメインで担当しています。この検索エンジンがElasticsearchになっています。

米倉 正雄氏(以下、米倉): 私はクラウドやERP、SaaS、機械学習、そしてインフラ関係の領域に携わった後にElastic社に入社しました。最近では、当社製品を活用したり、リセールするパートナー企業を支援する役割を担っています。

――日本市場でもElasticへの注目が高くなっています。そこでまず、Elasticの概要を教えてください。

米倉 : 検索エンジンがElasticの柱です。Elastic社は2012年にできましたが、それ以前にオープンソースで作られた検索エンジンを基盤にしています。そのため、検索に強みがありますが、近年ではグローバルの売上比率から見ても、セキュリティ分野での活用が増加しています。

セキュリティと言うと、端末やネットワークを監視して「どう侵入されないようにするか」というイメージがありますが、最近は「問題があったら、それをいかに早く、然るべき人に知らせて、然るべき手を打てるようにするか」といった観点も重視されるようになりました。ある意味、やり方が変わってきたのだといえます。

Elasticの技術がセキュリティに活用できるとの認識は、現時点で広まっていないのかもしれませんが、実はニーズがとても大きくなっている状況です。

――クラウドの利用が増え、あらためてセキュリティへの関心が高まっていますが、ここでもElasticが活用できるのですね。

土井 : 近年ではゼロトラストの考え方も広まっています。もちろん、侵入されないための対策も重要ですが、データ監視や異常検知の面からElasticが注目されていると思います。

同時にオブザーバビリティへの関心も高まってきました。日本語だと「可観測性」と記されることが多いですが、セキュリティログに関わらず業務で使っている社内データをすべて可視化して、今、何が起きているかをわかりやすくするソリューションです。

――オブザーバビリティでシステムやデータが「見える化」できるのでしょうか?

土井 : はい。それに伴って提供範囲も広がっています。Elasticはもともと検索の仕組みでしたが、大容量データの登録と検索がとにかく早いメリットを活かし、セキュリティログを瞬時に登録して検索する仕組みを作ることができたのです。

この結果として、ログ分析分野でブームになったのだと思います。日本国内でもセキュリティ分析に使われはじめていますね。さらにセキュリティだけに留まらず、すべての社内データ、すべてのログを見る流れになってきたのです。

米倉 : セキュリティだけでなく、ネットワークやアプリケーションの運用、工場などでセンサーから集めたデータの活用、ECサイト上での取引などさまざまなデータを集め、Elasticを活用して新たな価値を創出することが増えました。スマートシティやスマートモビリティといった分野でも活用されはじめています。

――とても高速に動作する検索技術を活用して、セキュリティをはじめ、多くのビジネス課題が解決できるのですね。

米倉 : 検索をして結果が出るまでに1分程かかってしまったら、誰もがイライラしてしまうのではないでしょうか? そこを瞬時に出せるのは大きいと思います。いろいろなビジネスを考えたり、新たな価値を創出したりする意味では「探す」作業よりも頭を使って「考える」ことが重要です。Elasticを使って、探す作業に時間を取られるのではなく、考える時間を増やしていただきたいですね。

コストコントロール・カスタマイズがしやすい

――競合製品に対する、Elasticの差別化ポイントや「強み」を教えてください。

米倉 : 正直、検索面では競合はあまり存在しないと思っています。セキュリティやオブザーバビリティでは多くの競合製品が出てきていると認識しています。

そのなかで、Elasticが選ばれている理由は、お客さまから見ると、さまざまな項目を自分たちで自由にカスタムして進めていける点、価格体系的にコストをコントロールしやすい点にあると捉えています。

土井 : もともとオープンソースで、すべて公開されていますから、プログラムをいつでもダウンロードできますし、導入前の検証時に社内で使ったり、検証したりするのにコストがかかりません。制限もないのでデータを入れて使える状態をすぐに構築できます。

我々が、「活文 企業内検索基盤」でElasticを検索エンジンとして採用するきっかけもこの点にありました。こういったところも他の商用製品、競合製品にない「とっつきやすさ」につながっていると思います。

――日立ソリューションズが「活文 企業内検索基盤」の検索エンジンとして、Elasticを選択した理由は他にありますか?

土井 : 以前、日立グループでも検索エンジンを開発していましたが、企業内のコンテンツ量の増加スピードに対応するためにより高い性能が求められる領域だったので、「活文」には社外から良い製品を持ってきた方が良いのではないかといった議論を行いました。
さまざまな検討をするなかで、Elasticは必要な機能が豊富で性能が良く、スケーラビリティに優れているので検索エンジンとして採用しました。

――日立ソリューションズの技術力を使えば、検索エンジンを作れるのではないかと思いますが、あえてパートナーを探した理由を教えてください。

土井 : 性能の高いものを作ろうとすると時間がかかります。そして、開発スピードの面で時流についていけないリスクを考えました。Elasticはオープンソースのため、開発者が世界中にいて昼夜を問わず開発が進んでおり、自社開発では適わないと判断したことも一つあります。合理的に考えて優秀なものがあるなら、それを使った方が良いということです。

米倉 : Elasticをうまく使って、「活文」のサービスを向上させたいとの想いがあったのだと感じています。

土井 : 「活文」は、文書をはじめとする企業に蓄積されたビジネスデータを管理する機能を提供しています。ですから、検索エンジンとの相性は良いといえます。そのため「活文」のなかに高速な検索エンジンを持ってきて、その結果、検索ソリューションや高度なデータ活用ソリューションをより良いものに仕上げることに注力したのです。

――「活文」の概要を教えてください。

土井 : 実は「活文」が提供するソリューションの範囲はかなり広いです。企業の情報資産、つまりビジネスデータは、この図のように4種類に分けられます。

メインはWord、Excel、PowerPointといったOffice文書です。次に画像や音声データのファイル。それから、メール・メッセージ・チャットといったコミュニケーションデータ。最後にデータベース、帳票、ログなどの業務システム。企業はこれらのビジネスデータを使って仕事を行っています。

このようなビジネスデータ活用を支援する仕組みとして「活文」を提供しています。

「活文」は3つのカテゴリーで製品を提供しています。1つ目が、蓄積したデータからの価値創出です。Elasticを活用した「活文 企業内検索基盤」はここに該当します。他にも自然言語処理AIを搭載した製品やAI-OCRもラインナップしています。

2つ目がメールやコミュニケーションといった伝達共有の分野です。そして、3つ目がファイルサーバーやストレージといったデータの保存管理分野で、電子帳票システムや文書管理システムが該当しています。

日立ソリューションズがElasticを販売するメリットとは?

――日立ソリューションズがElasticを代理販売しているメリットは何でしょうか?

土井 : 「活文」として文書管理ビジネスを20年以上やってきて、そのノウハウを持っていることです。お客さまが検索を必要とするシーンを想定すると、我々は文書管理・検索がメインですが、お客さまは検索するのがメインの仕事ではなく、検索をして文書など新しい資料を作ったり、社員の情報共有を進めたりすることが本当にやりたいことです。「活文」は、まさに、このニーズに応えるソリューションを提供しています。

ここが検索エンジンだけを単純に用意する競合との違いで、日立ソリューションズが持っている文書管理ソリューションを検索以外の領域も含めて提案できます。例えば、運送業や小売業などでは、伝票からスキャンしたものをAI-OCRで文字認識して取りこみPDFにしてElasticで検索する、といった活用方法まで含めた全体像で提案できることになります。これが我々の強みだと考えています。

――「日立ソリューションズならでは」といったメリットを教えてください。

土井 : Elasticはオープンソースでドキュメントや仕様が公開されています。しかし、ドキュメントには英語が多い上に、技術情報も次々にバージョンアップされていて、追い付くのが大変といった面もあります。

我々は「Elastic Certified」というElastic認定の資格を取得した専門技術者を配置して、支援ができるようにしています。また、我々は昔から検索領域に携わっていて、文書管理、検索のノウハウを持っています。これらを用いてお客さまに適した検索システムを構築できると考えています。

――日本市場での経験が豊富で、Elasticをお客さまのニーズに合わせて使用できるのも安心感に繋がっていますね。

土井 : 日立ソリューションズは日立製作所と一緒にさまざまな提案をしており、自治体や金融機関での実績があります。実績を元にお客さまのニーズを把握しているため、適切なソリューションの提供ができると考えています。

一例ですが、Elasticで提供されているデータ検索画面は、標準では一般ユーザーが使えるものではありません。分析や管理者向けのGUIとなっています。やはり、お客さまとしては、文書検索用、データ検索用に、専用画面が欲しいといったニーズがありますので、そこは「活文」を使ったり、場合によってはお客さま専用の画面を制作したりして対応しています。

――Elasticや「活文」を導入してほしいターゲットをどう想定していますか?

土井 : デジタルデータを使って業務改革をしたいと考えているお客さまがターゲットになってくると思います。

また、Elasticの性能を思う存分発揮しようとすると、大量のデータを持っているお客さまになります。中堅以上で従業員1,000名以上、それから日立製作所のビジネスは社会インフラが中心になっていますので、やはり公共、金融といった分野の企業がターゲットになってくると考えています。それ以外だと、最近では自治体からの問い合わせも増えてきました。

国もオープンデータを公開してデータ活用の道筋を開こうとしています。例えば、コロナ関連の情報が各自治体から発表されて可視化されているといった事例もあります。こういった流れが進めば、自治体が今持っているデータを活用して、住民に還元していく流れができて、Elasticや「活文」を提供する場が増えると思います。

ただ、やはり、データアナリスト、データサイエンティストといったデータを分析できる人がいないと本格的に活用するのがなかなか難しいという一面はありますね。

米倉 : 結局、データを活用して何をしたいということが明確でないと、データや仕組みだけあっても「これってどう使うんだっけ?」ということになりがちです。

土井 : データ分析ができる人材の確保に苦戦しているお客さまも多いですが、この部分はまだ改善の余地があり、我々ベンダーがカバーしていきたいと考えています。

――実際に導入に際して、どこまでをクライアント側がやって、どこから支援するケースが多いのでしょうか?

土井 : 2つに分かれています。Elasticはオープンソースでドキュメントも公開されているので、技術者を抱えているお客さま、技術力があるお客さまはすべて自分たちで利用・運用されます。この場合、我々に依頼いただくのは、Elasticのサーバーと、そのクラスタの仕組みの構築部分です。

そうでないお客さまの場合、データ検索にしても、データ分析にしても、ぼんやりとした課題感があり、調査をしてElasticと「活文」を使えば解決できるらしいとわかったので、一緒に検討してもらえないかと当社にお問い合わせをいただくことが多いです。

このケースでは、最初にヒアリングに伺って、「何を検索したいのか」「どのように見たいのか」といったことを聞いて、「こういうシステムではいかがですか?」と提案し、我々が設計して納品するところまでご支援しています。

お客さまの業務に合わせて、一般のユーザーでも使いやすく、誰でも検索ができ、データを活用できるように提供できますので、後者のケースの方が我々のメリットが色濃く出せると考えています。

スケーラビリティが求められる場面で圧倒的な実績

――実際のクライアントの導入事例をいくつかご紹介ください。

土井 : まず、JCOM株式会社さまの活用事例を紹介したいと思います。以前は、顧客の地域によってログイン先が異なる照会システムで8,000 万件を超える申込関連書類や工事関連書類を検索されていたそうです。

8,000万件を超える申込関連書類および工事関連書類の管理を「活文」で効率化
https://www.hitachi-solutions.co.jp/katsubun/case39/

これを統合したいとのご要望があり、「活文」とElasticを組み合わせた新しい文書管理基盤を提案し、採用いただきました。

新しい文書管理基盤へ移行後は、カスタマーサポート部門などで実務に当たっているオペレーターからも、検索しやすくなったし、表示速度も以前より速くなったと好評をいただいています。

――株式会社ぐるなびさまでも採用されていると伺いました。

米倉 : 株式会社ぐるなびさまはクラウド、オンプレミスで非常にシステム・サービスが多く、データ量が莫大でした。50種類ぐらいのデータソースと500億件を超えるドキュメントがあり、データ量は30TB(テラバイト)以上ありました。

ぐるなびが活用するElastic Cloud
https://www.elastic.co/jp/elasticon/tour/2020/japan/elastic-cloud-at-gurunavi

このネットワーク、アプリケーションの監視にElasticsearchとKibanaで構成されているElastic Stackを使っていただいています。検索機能よりも、セキュリティ強化を目的で導入いただいていることになります。

Elasticの製品体系として、お客さまのサーバーにインストールするプランと、パブリッククラウド上から利用するプランがありますが、ぐるなびさまの場合は後者のクラウド版が採用されています。クラウド版の「Elastic Cloud」を導入したのは、主に管理面での負担を軽減するためでした。

――メンテナンスや運用の負荷を考えると、クラウド版の方が負担は小さいのでしょうか?

米倉 : ぐるなびさまのようになるべく運用の負担を小さくしたいと考えるお客さまはクラウド版。データを絶対に外に出したくないお客さまはオンプレミスのサーバー上にといった形で要望に沿って使い分けていただいています。

ただ、これは、ビジネス要件を踏まえて選択されている面があります。法令的、ビジネス的な判断があるため、現実的には100%クラウド、100%オンプレミスというケースはほとんどありません。

このように、いろいろな環境があるなかで、環境を横断してログなどを検索したい場合にお役に立てるのがElasticだと思います。

――一昔前ならハードルが高かった複数環境の横断検索が実現できるのですね。

土井 : 最近は全社のデータを集める方法自体もやりやすくなってきました。Elasticでは、各サーバーに対してデータを収集するBeatsと呼ばれるエージェントが配布されていますので、Beatsさえ入れておけば、データは勝手に集約できることになります。
「活文」では、ファイルサーバー、SharePoint、Boxなど保管先ごとのクローラー(情報収集プログラム)を提供しており、企業内の文書情報を収集できるようになっています。

「活文」の対象となるコンテンツはお客さまの作り出す文書ですから、次々に増えていく傾向にあります。もし、データが増えた場合でも、Elasticであれば並列処理で検索のパフォーマンスを維持することができます。Elasticは、サーバーを追加していくことで大量データの処理に耐えられるスケーラビリティを提供しています。

――大手電機メーカー横河電機株式会社様の事例を教えてください。

米倉 : 横河電機株式会社さまには、2019年の1月~3月にPoCを実施した結果、グローバルSOC(Security Operation Center)基盤としてElastic Cloudを導入していただきました。

全社規模で世界中にある工場のデータとITデータをデジタルトランスフォーメーションに生かす形でElastic Cloudが活用されています。世界で15ヶ所、3万台のパソコンやオンプレミスのサーバー、データセンター、AWS、Azureといったクラウド環境からデータを集め、1日のイベント情報が、500~600万件ほどあります。データ量としては1日250~300GB(ギガバイト)ほどです。

集めたデータの可視化をはじめ、いろいろな気づきや価値創造のために使われており、日々業務改善に活用されています。

未来へと進むElasticと「活文」のコラボレーション

――今後、Elasticと「活文」のコラボレーションはどのような方向を目指しているのでしょうか?

土井 : 「活文 企業内検索基盤」は検索を軸にビジネスをしていますが、実はそれだけだとElasticの強みを十分に引き出せていないと考えています。なぜなら、先ほどの事例でもお伝えしたように、セキュリティのログの分析や、IoTやOTのデータの分析、社内のデジタルトランスフォーメーションのためのデータ活用にも使えるからです。

そういう意味で検索を軸としつつ、さらに大きな社内データの活用のための分析ニーズを拾って、新たなソリューションを提供していきたいと考えています。

――さらにElasticを広めていかれるのですね。

土井 : 適用範囲を今よりもっと広げていきたいですね。Elasticを検索「だけ」だと思っているSEの方も多いと思います。しかし、実はそうではなく、ビッグデータの分析にも使われているエンジンであることを知っていただきたいです。とくに可視化と分析部分をアピールしてきたいと思います。

米倉 : 私たちは「活文」に対して機能の提案もしていきたいですし、技術者育成にも力を入れたいと考えています。そして、日立ソリューションズと一緒にどうビジネスを伸ばしていけるのかディスカッションして前に進んでいきたいと思っています。

土井 : ElasticのVersion.8では、AIが強化されています。日本国内でもAIを使った検索のニーズが高まっており、お客さまからの相談も増加しているので、ElasticのAI機能と「活文」を組み合わせることでより適切な課題解決ができると考えています。

――最後に、Qiita Zine読者にメッセージをお願いします。

米倉 : まず、Elasticを触ってみてください。セキュリティ、オブザーバビリティの観点でも使えます。「Elastic Cloud」も14日間無料で使えます(https://www.elastic.co/jp/cloud/)。皆さんの業務、テーマで活用できる可能性がありますので、まず試して触って、見ていただくのが大事だと思っています。

土井 : 「Elasticは検索だけだと思っていたら違いますよ」とお伝えしたいですね。データの可視化、分析、セキュリティのログの解析などさまざまな形で活用できます。マニュアル、ドキュメントが英語だとか、技術者が足りないといった理由で取り組みにくいと思われるお客さまも、我々のようなベンダーが支援しますので、ぜひ活用してみてください。

編集後記

検索領域である意味「無双状態」とされているElasticが検索だけではないと知ることができました。従来のエンタープライズサーチだけでなく、システムの稼働状況を検知したり、データを可視化したりするオブザーバビリティ、セキュリティ強化の面でも非常に優れており、検索分析エンジンともいうべき境地に達していることがわかりました。
経営企画部などでデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいて、日立ソリューションズの「活文」に魅力を感じた方も多いのではないでしょうか? 社内文書の有効活用だけでなく、すでに所有している数多のデータから新たな価値創造を図ることもできます。「Elastic」と「活文」のコラボレーションの今後に注目したいと思いました。

取材/文:神田 富士晴
撮影:長谷川 朗

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