バリューフィットを大切にするユーザベースのメンバーに、「The 7 Values」を深掘って聞いてみた
企業の存在意義や行動指針、社会的ポジションなどを定義するために設定されるミッションやバリュー。これらへの共感度が強ければ強いほどに、組織へのエンゲージメントが高まり、チームとしての組織が有機的に機能すると言えるでしょう。
今回は、NewsPicksのようなB2C事業や、SPEEDA、INITIAL、FORCASといったB2B事業を展開している株式会社ユーザベース(以下、ユーザベース)の、ミッション・バリューについてじっくりと伺います。同社では「経済情報で、世界を変える」というミッションのもと、7つのバリューが設定されています。
各自どのような思いでユーザベースグループにジョインし、どんなバリューを意識しながら日々エンジニアリングを高めているのか。担当領域の違う3名のエンジニア及びデータサイエンティストに聞いてきました。
目次
プロフィール
SaaS Product Division SRE
Product Division Product Development Team Premium/Studio/NewSchool Product Unit
SaaS Product Division データサイエンティスト
面接を通じて、カルチャー面がしっかりと機能していることが分かった
――まずは皆さまの現在の業務内容と、ユーザベースグループに入社されたきっかけを教えてください。
鈴木 : 現在は、ユーザベースが提供するB2B SaaS Product TeamのSREとして、サービスの信頼性向上やインフラリソースの構築運用をしています。
僕は手を動かして技術を会得するのが好きなのですが、2019年に中途入社する前は、プロダクトマネジメント色の強い業務を行なっていました。
もっと現場で働きたいと思っていた中で、求人媒体経由でユーザベースのことを知りました。
そのときはそれだけだったのですが、その後、企業の評判情報サイトでユーザベースの評価が上位に入っているのを見て、よくよく調べてみると、しっかりしたミッションやバリューがあるなと。
選考を進める中でも、皆さんちゃんとミッション・バリューを意識して働いていて、カルチャー面がしっかりと機能していることがわかり、現場で実際に手を動かす環境が整っていることも思考性とマッチしていたので、そのまま入社しました。
ガオ : 私は、鈴木さんと同じチームで、データサイエンティストとして働いています。メインではSPEEDAを担当していまして、膨大な経済情報データを活かした機械学習モデル開発や予測API構築などに取り組んでいます。
入社のきっかけは、これも偶然で、鈴木さんと同じ評判情報サイトを見て、当時ユーザベースがランキングの上位に入っていたので「お!」っと思って、大学院在学中にインターンとして入ることにしました。
――すごい偶然ですね!大学院ではどんなことをされていたのですか?
ガオ : VRやAR技術の応用についての研究です。私は、中国の北京出身で大学院進学に合わせて日本での生活がスタートしました。
もともとは経済情報にピンと来ていなかったのですが、インターンをやっている中で、周囲の仲間が優秀でプロダクトが素晴らしく、ここにいたら必ず成長できるなと思って、そのまま新卒入社することにしました。
――いいですね。西山さんはいかがですか?
西山:おふたりと違って僕はニューズピックスで、有料会員向けの機能全般の開発を担うチームにいます。課金システムや、最近だと動画も含めたオリジナルコンテンツまわりのUI/UX改善、NewsPicks NewSchoolという学習コミュニティ向け機能の開発などを担当しています。
もともとは前職から転職する予定はなかったのですが、たまたまニューズピックスのことを知り、自由な社風であったり、自分の開発時間を取りやすいことに魅力を感じて、転職に至りました。
スピードで驚かすというのが、僕の価値観にマッチしている
――早速ですが、ユーザベースが掲げる7つのバリューの中で、ご自身が特に意識しているものや、いいなと思っているものについて教えてください。
鈴木 : 僕は「How fast? Wow fast.(スピードで驚かす)」をいつも意識しています。もともと僕は、仕事だけではなく、家事などのプライベートも効率やスピードを重視するタイプです。そういう生き方をしているからこそ、スピードで驚かすというのは価値観にマッチしているなと感じますし、一番体現しようとしています。
――このバリューにまつわるエピソードはありますか?
鈴木 : SREとしての仕事の1つとしてインフラリソースの構築運用があるのですが、例えばソフトウェアエンジニアやデータサイエンティストの方から日常的に、こういうことをやりたいからこういう環境が欲しい、といった相談を受けます。
依頼者としては早く環境をもらいたいと思うので、提供できるところまでをスピード重視で構築するようにしています。
あと当然ではありますが、サービスで障害が発生したときのオペレーションも、顧客への影響をなるべく出さないように、最速での復旧を心がけています。
――なるほど。スピードを意識すると、どうしても質の部分とトレードオフになることがあると思うのですが、そのあたりはどうされているのでしょうか?
鈴木 : ユーザベースではメンバー同士のコミュニケーションを重視する文化が特に強くて、常に複数人でコミュニケーションをとりながら、かつスピードを意識して対応しています。
例えばSREだと、日々の業務内での作業に関して、基本的にペアで作業をするようにしています。属人化防止の観点もありますし、ひとりでは考えつかないアイデアが湧いたりすることも多々あるので、そのようにしています。あとおっしゃる通り、ひとりだとどうしてもミスや手戻りが発生しやすくなりますからね。
――同じ部署のガオさんとしてはいかがでしょう?
ガオ : 鈴木さんには毎日感謝です!チーム内でもよくそういう話になっていますよ。
例えばデータサイエンティスト側が作ったAPIが「この環境だとたたけない」という状況がこの前ありまして、SREチームに相談して、すぐに解決してもらいました。いつも頼りにしています。
イージーじゃなくて、シンプルなものを作る
――ガオさんはいかがでしょうか?
ガオ : 私は「In it together. No matter what.(渦中の友を助ける)」が気に入っています。
ガオ : 初めてインターンシップ生として日本で働くことになったときに、経験もなく言葉も通じにくくてすごく困っていたのですが、周りのメンバーにたくさん助けてもらいました。また逆に、僕もそれに応える形で困っている人を見かけたら助けることもありました。
――言葉の壁は大変そうですね。
ガオ : 話すこと以上に、日本語で文章とか打つ経験がほとんどなかったので、Slackコミュニケーションが大変でした。自分の日本語、分かりづらいよなって。そんな中でも、チームメンバーは多めにスタンプをつけたりしてくれて。そのうちだんだんと慣れていきました。
――コミュニケーションはチーム開発を進める上で最も大切な要素の1つですよね。西山さんはいかがでしょう?
西山:僕は「Don’t know? Choose brave.(迷ったら挑戦する道を選ぶ)」ですね。
西山:前職時代から「イージーじゃなくて、シンプルなものを作れ」と言われていました。なにか選択肢がある場合は、より高度なことを達成するために挑戦することを意識しながら、日々働いています。
――どんな部分で意識されていますか?
西山:例えば僕のいるチームでは今、動画の配信基盤を見直していまして、少し前にコメント機能の負荷対策と合わせて改善を行っていました。具体的な施策としては、マイクロサービスへの切り出しです。
NewsPicksではJavaをほとんど使っているのですが、ライブ配信コメントにJavaはあまり向かないよなとみんなで話していました。
そのときは結局Node.jsになったのですが、普段使い慣れたものではなくても、より最適な技術を採用するということを普段からやっています。
――なるほど。
西山:もう1つ、先ほどもお伝えした課金機能について、NewsPicksではサブスクに申し込むときの決済処理のチャネルが違ったり、それ以外にも単発の書籍購入など、お金に関する機能があったりします。
そういった機能は年々継ぎ足しで実装していったので、複雑化していたんですね。これに対して、チームとしてマイクロサービスに切り出してテストや機能追加をしやすくしていき、僕はインフラやサーバーサイドをほぼ全部ひとりで対応しました。
新卒に毛が生えたような人間でも、チャレンジをさせてもらえて、すごくいい環境だなと感じました。
働いていく中での行動の「根拠」や「後押し」をしてくれるのがバリュー
――少し別の角度からのご質問として、エンジニアやデータサイエンティストとしてバリューの存在意義をどのように感じられていますか?これも具体的なバリューをあげて教えていただければと思っています。
鈴木 : 「Thrill the user(ユーザーの理想から始める)」について1つありますね。
鈴木 : 特にエンジニアって技術志向の人が多いので、新しい技術が出てきて、知的好奇心で技術ドリブンで実装を進めることがあります。
それがいかなる場合もダメというわけではありませんが、技術志向が先行してしまって、プロダクトや顧客にどういう価値をもたらすかが置いてけぼりになるリスクも十分にあると思っています。
――そういうリスクはよく伺いますね。
鈴木 : 一方で僕たちがいるB2B SaaS Product Teamでは、「技術力でリードする」という目標もあり、僕たちはエンジニアなので、それが大前提でもあるわけです。
だからこそ、新しい技術が出てきたときに、顧客にどういうメリットがあるかや、プロダクトがどう良くなるかを考えた上で、最終的には技術的な挑戦をすることになると考えています。
つまりは、エンジニアもプロダクト志向を持つことが大事だなと思っていて、そういうのを意識させてくれる点が、このバリューの価値だなって思っています。
ガオ : 鈴木さんの言う通りで、働いていく中での行動の「根拠」や「後押し」をしてくれるのがバリュー、という感覚があります。
例えばプロダクト志向で考えたときに、ユーザーの期待を超えているか。そのあたりで迷いがあったときは「Unleash ingenuity(創造性がなければ意味がない)」を思い出すことで、躊躇がなくなると感じています。
働く上では、自由と責任が大切
――ここまでバリューが5つ出てきました。残り2つについてはどうでしょう?
鈴木 : 「Be free & own it(自由主義で行こう)」としては、まずは働き方ですね。コアタイムがなくフルフレックスなので、極端な例ではありますが「昼は働かず夜に働く」ということも制度上は可能です。
鈴木 : あとB2B SaaS Product Teamだと、今マイクロサービスで並行開発をしているので、それごとにチームが分かれています。
どういうマイクロサービスを作るか、技術的挑戦をどうしたいかなど、チームの強みや意向によって言語などを自由に採用できるようになっていて、この辺りは先ほどの「技術力でリードする」とかにも繋がってくる話ですね。
西山:自由なんですが、その分、きちんと責任を持たせるような文化になっているのもポイントです。働く上では、自由と責任が大切だということです。
――まさに先日の別インタビューでも、ニューズピックスCTOの高山さんが同じことをおっしゃっていました。自由と責任だと。
西山:あと、「We need what you bring(異能は才能)」についてですが、ニューズピックスではエンジニアも編集部と打ち合わせをします。
西山:もっとサービスをよくしていくという観点で、全員でサービスに携わっていく。そのために、他の職種と互いに認め合ってより良いものを作っていくということです。だからこそ、ミーティングでは記事のUI改善や入稿画面など、様々な要望があがってきますし、僕達も必ず意見を求められます。
経済情報で世界を変えていけている実感がある
――バリューと一言で言っても、様々な切り口と価値観があって面白いですね!ちなみに、「経済情報で、世界を変える」という大もとのミッションについてはいかがでしょうか?
ガオ : 入社前に聞いたときは「どういうことだろう」と思っていたけど、実際に入社して仕事をすると、プロダクトは毎日のように成長していて、社会から一定の評価をいただけていると感じています。
関わっていくプロダクトが進化する中で、経済情報で世界を変えていけている実感はありますね。
西山:ニューズピックスではサービスページなどで「経済を、もっとおもしろく。」というタグラインを使っていまして、こちらの方が僕個人としてはしっくりきます。
アプリ内での動画配信を見ていると、今までニュースに触れてこなかった層にもしっかりとアプローチできているんだなと思っています。
鈴木 : 個人で株式売買をやっていたこともあって、経済情報にはもともと興味も持ってはいましたが、経済情報ってこんなにも世の中の人たちに必要とされているんだと、中から見ていて実感しています。
かなり可能性を感じていますし、このミッションは外していないなと日々感じています。
とにかく、バリューに共感してくれる人に来てほしい
――これから、どんな人と一緒に働きたいですか?
鈴木 : 会社として大事にしているバリューに共感してくれる人はもちろん、僕としては技術に対して意欲のある人と一緒に働きたいと思っています。
意欲があれば挑戦できる環境は整っているので、技術的にさらに成長したいという方に、ぜひ入ってほしいなと思っています。エンジニアとして切磋琢磨していきたいです。
あとは、先ほどもお伝えした通りプロダクト志向の人、そして積極的にコミュニケーションが取れる人ですね。社内メンバーはみんな、技術が好きでコミュニケーションが活発です。
ガオ : 本当に、ずっと何かしら喋っていますよね。プログラミング以外でも、ビジネスサイドとの認識合わせでも、リモートでも、色々な施策を打っているおかげで、以前と変わらずコミュニケーションは活発です。
ジョインしてほしいメンバーとしては、会社としては「バリューフィット」が大切で、次が「ミッションへの共感」、そして最後が「スキル」です。つまり、スキルが高いから、バリューやミッションへの共感がなくてもよい、ということは全くありません。
SaaS Product Divisionのデータサイエンティストは、データの蓄積から学習パイプラインや精度改善のループ構築、予測APIの提供までの全てを一気通貫でやっているので、議論だったり、認識合わせだったりと、沢山コミュニケーション取れる方がいいなと思っています。
あと、主体性を持っていることも大事だと思います。自分たちでコミュニケーションとりながらビジネスサイドと一緒にやっていくことも多いので、待ちの姿勢ではなく、リーダーシップを持ってくれる人と一緒に働きたいです。
西山:とにかくユーザーファーストで考えられる人ですね。NewsPicksについては特に、ユーザーの反応をダイレクトに見れるところが一番だなと感じるので、だからこそユーザーファーストが一番大切だと思っています。
ちなみに昨年アプリのリニューアルを行ったのですが、週次での改善機能を記事にして発信していき、ユーザーの反応を見ながらさらに改善をするというPDCAを回していきました。すごく良い取り組みだったなと感じています。
――ありがとうございます。それでは最後に、読者の皆様に一言ずつメッセージをお願いします!
鈴木 : 先ほどガオさんが言った通り、バリューが会社として一番大切にしているところでして、バリューに共感してくれる人が自ずとマッチしてくれると思うので、ぜひ、まずはバリューをチェックしていただければと思います。
あと、エンジニアとしてはすごくハングリーに技術を使って、技術力で勝負して日々プロダクトを良くしているので、技術に意欲的な方もジョインしていただければと思います。
西山:ユーザーファーストで進めていくのであれば、主体的に動かすことができるので、そういう方にはぜひ興味を持ってほしいなと思います。
ガオ : ぜひ、ミッションとバリューに共感いただいた方は一緒に働きましょう!
編集後記
今回ユーザベース様エンジニアチームへのインタビューを3連続で担当したのですが、今回の記事以外でも、いずれのインタビューでも必ずバリューの話が出てきました。それだけ「The 7 Values」がメンバー間に浸透していて、日々の行動におけるクレドになっているのだと感じた次第です。今回のインタビューで「素敵なバリューだ」と感じた方は、ぜひユーザベースグループへのジョインを考えてみてはいかがでしょう。ちなみに、私のお気に入りのバリューは「Be free & own it(自由主義で行こう)」でした!。
取材/文:長岡 武司
撮影:太田 善章
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