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<📝本記事のターゲット層>
- Windows ユーザー
- PowerShell ユーザー
- 開発者 / DevOps エンジニア
- システム管理者
- コマンドラインで AI を活用したいエンジニア
🔹 イントロ: AI Shell とは何か
AI Shell(aish)は、コマンドライン上で AI エージェントと対話できるインタラクティブなシェルです。従来の GUI ベースの AI クライアントと異なり、シェル上で直接プロンプトを投げ、生成されたコマンドやコードをそのまま作業シェルに貼り付けたり、サイドカーとして PowerShell と並列に動かして効率的に作業できます。本記事では、Windows 環境を中心に PowerShell モードとスタンドアローンモードの違い、導入手順、基本操作、トラブルシューティングまで実用的に解説します。
AI Shell の主な特徴:
- 複数のエージェント切替(例:
openai-gpt,azure) - チャットコマンドでコードやコマンド生成を操作(
/code,/agent,/like) - PowerShell のサイドカー(
Start-AIShell)または単体のaish実行で利用可能 - MCP サーバー、Foundry ローカル展開をサポートしている
参考: https://github.com/PowerShell/AIShell
なぜ使うか:
- 日常的なコマンド作成を高速化できる
- 作業ターミナルの情報をAIエージェントに送信できるため、トラブルシュート解決などの対応を高速化できる
🔹 インストールと初期設定(Windows 向けハンズオン)
ここでは Windows + PowerShell を前提に、最短で動かす手順を示します。インストール方法は主に 2 通りあります。手動でリリース実行ファイルを入手して PATH に置く方法と、PowerShell の PSGallery からインストールする方法です。まず PSGallery を使う手順を示します。
1.) GitHubのリリースページからインストール
2.) 解凍後、任意のパスに配置して、環境パスを設定
3.) PSGallery を信頼済に設定
Set-PSResourceRepository -Name PSGallery -Trusted
4.) PSGallery から AIShell をインストール
※本記事公開の時点ではプレリリースのため、コマンドに-Prereleasをつけています。
Install-PSResource AIShell -Prerelease -Repository PSGallery -TrustRepository -AcceptLicense
(必要なら)PSReadLine を更新してからモジュールをインポートし、Start-AIShell で起動します。
Install-PSResource PSReadLine -Prerelease -Reinstall -TrustRepository -AcceptLicense
Import-Module PSReadLine -Force
Import-Module AIShell -Force
Start-AIShell
Windows Terminal (wt) が見つからないエラーが出る場合は、Windows Terminal をインストールしてください(winget などで入手可能)。
🔹 AIシェルの使い方(実践例とコマンド集)
PowerShell モードは PowerShell と AI Shell を左右に並べ、対話的にコマンド生成と検証を行うのに適しています。ここでは基本的な操作と実用的なワークフローを示します。
1.) 起動とエージェント選択
PowerShell で Start-AIShell を実行するとサイドカーが起動し、利用可能なエージェントを選択するプロンプトが表示されます。既定やよく使うエージェントは config.json に設定可能です。
2.) エージェントの切り替えと設定
チャット内で @<agentName>、または /agent use openai-gpt のように実行してエージェントを切替えます。/agent config で開く JSON に endpoint、deploymentName、model、apiKey などを設定します。運用では API キーは環境変数やシークレットストアで管理することを推奨します。
※configに設定する内容については、Azure AI Foundryの他記事の内容を参考にしてください。
3.) 主なチャットコマンドとワークフロー
-
/help— コマンド一覧 -
/code— 生成コード操作(/code copy,/code post) -
/like/dislike— フィードバック
/code post(PowerShell モード限定)で生成コードを作業シェルに貼付できます。自動貼付は便利ですが、必ず内容をレビューしてから実行してください。
🔹 スタンドアローン版の使い方と注意点
スタンドアローン版は aish 実行ファイルを直接使うモードです。PowerShell を使わないユーザーや軽量なターミナル環境に適しています。
1.) 起動方法と主な違い
aish を直接起動すると新しいウィンドウで AI Shell が開始します。エージェント選択や /agent config の流れは同様ですが、スタンドアローンでは /code post が使えないため、生成コードは手動で移す必要があります。
💡 トラブルシューティングとベストプラクティス
導入や運用でよく遭遇する問題とその対処をまとめます。
よくある問題と対応(要点):
- Windows Terminal が見つからない —
wtをインストール -
/agent configの設定ミス — JSON を再確認、接続テストを行う - Azure 利用時は
az loginが必要 - ネットワーク制限 — プロキシ/ファイアウォールの確認
- ローカルビルドの依存エラー — .NET と PowerShell のバージョン確認
ベストプラクティス: 機密情報はシークレット管理、フィードバックで品質改善
🔹 まとめ
本記事では AI Shell の概観、Windows 向けインストール手順、AIシェルのスタンドアローンとの違い、実用的なコマンド例、トラブルシューティングとベストプラクティスを紹介しました。まずは簡単なインストールを行い、PowerShell モードで /code post を試してみることをおすすめします。生成されたコードをその場で検証し、手早く開発や運用に活用できるのが AI Shell の最大の強みです。
🔹 実践ハンズオン(10分でできる簡易チュートリアル)
1.) PowerShell を開いて Start-AIShell を実行します。起動後、openai-gpt を選択します。
2.) シンプルなプロンプトを送ってみましょう(例):
PowerShell で "hello world" テキストファイルを作成するワンライナーを教えてください。
3.) 返ってきたコマンドを確認し、/code post で作業シェルに貼り付けて実行します。生成例:
"hello world" | Out-File -FilePath .\hello.txt -Encoding UTF8
4.) 応用: "特定のプロセス名をログに出力し、5分ごとに実行するスクリプト" のように具体的な要件でプロンプトを与えると、より実用的なスクリプトが生成されます。
🔹 プロンプト設計テンプレ(すぐ使える)
あなたは PowerShell のエキスパートです。目的: <目的を短く記載>。制約: <実行環境や権限、禁止事項>。出力: 実行可能な PowerShell コマンドまたはスクリプトのみ。
このテンプレを使うと再現性の高い応答が得られます。チームで共有しておくと便利です。
🔹 導入チェックリスト(短い)
- PowerShell 7 と .NET SDK が揃っている
- Windows Terminal(必要な場合)がインストール済み
- API キーの保管場所を決め、環境変数やシークレットストアを利用する
- 生成コードは自動実行せずレビューするルールを定める
🔹 次のステップ
- 小さなユースケース(ログ収集、自動診断、簡単スクリプト生成)で試して効果を評価する
- よく使うプロンプトをテンプレ化してリポジトリで管理する
- セキュリティポリシーに沿った運用ルール(API キー管理、ネットワーク制限)を策定する
参考・出典:
- https://github.com/PowerShell/AIShell
- https://learn.microsoft.com/ja-jp/powershell/utility-modules/aishell/get-started/aishell-powershell?view=ps-modules
- https://learn.microsoft.com/ja-jp/powershell/utility-modules/aishell/get-started/aishell-standalone?view=ps-modules
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