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現場で使えるカラーパレット作成ワークフロー:迷わない配色手順とツール活用ガイド

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<📝本記事のターゲット層>

  • Web/UIデザイナー(初心者〜中級者)
  • フロントエンド開発者(デザイン実装担当)
  • プロダクトオーナー/PM(デザイン方針決定者)

🔷 導入 — なぜ現場で配色が難しいのか

配色は美しさだけでなく、可読性やアクセシビリティ、ブランドの一貫性、実装工数と密接に関係します。現場でよく起きる失敗をまとめると次の通りです。

• 選択肢が膨大:数百万色の中から選ぶため基準がないと迷走する。
• レベルの不一致:同じ"レベル"(例: UIの500)が色相によって見た目が揃わず統一感を欠く。
• テーマ差分の崩れ:ライト/ダークの単純反転で視認性が落ちる。
• アクセシビリティ不足:コントラストが取れておらず一部ユーザーが利用できない。

この記事では、これらの問題を防ぎ、短時間で実装可能なカラーパレットを作るための実務ワークフローを提示します。

🔹 色の基礎(実務で使える要点)

色の3要素
色は Hue(色相)、Chroma(彩度)、Lightness(明度)で表現されます。Webでは RGB/HEX が一般ですが、UI設計では OKLCH(人間の色知覚に近い色空間)を使うと、異なる色相間でも見た目のバランスを取りやすくなります。

実務ルール:70:25:5
画面の色比率を整理する簡易ルールとして 70:25:5 を推奨します。70% をベース(背景)、25% をメイン(カードや領域)、5% をアクセント(CTA)に使うことで画面がまとまります。

実務の短いチェックリスト:ベース色、メイン色、アクセント色をそれぞれ1色ずつ決め、後続でレベルを作る。

🔹 ステップバイステップのワークフロー(実践編)

以下は現場でそのまま使える手順です。各ステップに「必須アウトプット」「推奨ツール」「注意点」を記載します。

Step 1 — ゴールと文脈を決める
• 必須アウトプット:目的(ブランド性/可読性重視/CV最適化など)、対象ユーザー、アクセシビリティ目標(例:WCAG AA)を短くまとめる。
• 推奨ツール:Notion、Google Docs、MiroLinear
• 注意点:目的が曖昧だと配色の優先度が定まりません。チームで合意を取ってから進めましょう。

Step 2 — ベースカラーを決める
• 必須アウトプット:背景(ベース)色、メイン候補 1〜2 色
• 推奨ツール:Figma(既存デザイン抽出)、Adobe Color
• 注意点:既存ブランド色がある場合はその色を優先し、OKLCH で微調整できるよう余白を残すと後が楽です。

Step 3 — パレット自動生成(OKLCH 対応)
• 必須アウトプット:各色の複数レベル(例:50〜900)
• 推奨ツール:Harmonizer(OKLCH + APCA)、ColorMate、Colorbase
• 注意点:同一レベルで知覚的一貫性があるかを確認。Harmonizer はこの点を自動で揃えてくれます。

Step 4 — レベルとコントラストを調整(APCA/WCAG)
• 必須アウトプット:見出し・本文・CTA など主要要素ごとの合否表
• 推奨ツール:APCAコントラスト日本語フォント検証コントラストチェッカーAdobe Color(WCAG)
• 注意点:WCAG だけで通っても APCA では視認性が不足する場合があります。両方確認しましょう。

Step 5 — ライト/ダーク対応とテーママッピング
• 必須アウトプット:ライト→ダークの対応表(例:ライトの 500 → ダークの 300)
• 推奨ツール:Harmonizer、Figma
• 注意点:単純な反転は避け、各レベルで意味と視認性を保つようマッピングしてください。

Step 6 — エクスポートと実装
• 必須アウトプット:Tailwind、CSS 変数、JSON 形式のパレット定義
• 推奨ツール:Harmonizer のエクスポート、Node スクリプト
• 注意点:開発側と事前に渡すフォーマットを合意しておくと実装がスムーズです。

実践例:Tailwind への落とし込み(サンプル)

以下は OKLCH で生成したカラーパレットを仮に HEX に変換して Tailwind に組み込むイメージです(実運用ではツール出力をそのまま利用してください)。

// tailwind.config.js の例
module.exports = {
	theme: {
		extend: {
			colors: {
				brand: {
					50: '#f1f7f1',
					100: '#e3f0e3',
					200: '#c8e7c8',
					300: '#9dd79d',
					400: '#66c266',
					500: '#2E7D32',
					600: '#276b2b',
					700: '#1f5a23',
					800: '#154219',
					900: '#0b2a0f'
				}
			}
		}
	}
}

この定義を共有することで、デザイナーと開発者の間での齟齬を減らせます。

🔹 ツール別ワークフローと使い分け

Adobe Color / Colorbase
• 用途:配色案の探索、感性ベースの候補出し。
• 長所:直感的で早い。
• 短所:UI 用のレベル調整が自動化されない。

Harmonizer(OKLCH + APCA)
• 用途:UI向けに一貫したパレットを生成/ライト・ダーク対応のマッピング
• 長所:レベル間の知覚的一貫性が取れるため、実装後の手戻りが少ない。Tailwind等へのエクスポートが便利。
• 短所:OKLCHやAPCAに不慣れだと学習コストがかかる。

カラー - フレーム 1.jpg

Contrast Checker(WCAG/APCA)
• 用途:最終チェック。アクセシビリティ要件の検証。
• 実務活用:結果を設計書に残し、品質保証フローに組み込みます。

🔹 アクセシビリティ(実務的観点)

• WCAG と APCA の使い分け:WCAG は規格としての有用性があり、APCA はスクリーン表示に近い評価をします。実務ではまず WCAG の基準を満たし、その上で APCA を用いて微調整するのが現実的です。
• 色だけで情報を伝えない:色弱者にも配慮して、色以外(アイコン/テキスト)でも情報を伝える設計にしてください。

実務チェックリスト(すぐ使える)

  • ベース / メイン / アクセント を決め、70:25:5 を意識したか
  • 各色にレベル(50〜900)を用意しているか
  • 主要テキストと背景のコントラストを WCAG / APCA で確認済みか
  • ライト / ダーク双方のマッピング表があるか
  • Tailwind または CSS 変数 / JSON を用意しているか
  • スマホ・タブレットで実機確認を行ったか

補足:よくあるトラブルと対処法

配色が全体的に“重たい”印象になる
→ 対処:ベース色を少し明るくする、アクセントに明度の高い色を混ぜる、OKLCH で彩度を下げて調整する。

ダークテーマで文字が読みづらい
→ 対処:APCAで該当箇所を評価し、背景または文字の明度を微調整する。WCAG の判定だけで安心しない。

参考(リンク)


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