はじめに
株式会社ONECOMPATHの高橋です。
PM兼PMOとして複数プロジェクトに関わっています。
通常はSlackを追えていても、MTG続き・急な課題発生・議論の急増などで、短時間に大量の情報が流れると追いつけなくなります。
そこで、どうしても読む時間がない時だけSlackログをAIに要約してもらう方法を実践しています。
「毎日運用」ではなく、最速で必要な情報を取得するための手段です。
前提:全社員にAIツールが配布されている
当社では、全社員にAIツール(GeminiやGenU)が配布されており、業務での活用が推奨されています。
また、開発者には上記に加えてCopilotなども配布されており活用をしています。
「Slack AI機能あるじゃん」→ポリシーで禁止されていた
調べてみると、Slack ProやBusinessプランには要約機能やAIエージェント機能があるようです。
「何で有効になってないんだ?」
...と思って情シスに確認したところ、
「セキュリティポリシーにより、Slack AI機能は全社で無効化されています」
とのこと。
- 全社員にはAIツール(Gemini)が配布されている
- でもSlackのAI機能は使えない
- 理由は情報漏洩リスクとポリシー
なぜ禁止?調べたら納得の理由があった
気になって調べてみたところ、2024年8月にSlack AIでプロンプトインジェクション脆弱性が報告されていました。
- Slackメッセージに仕込んだ指示でAIを操作できる
- 要約内容を改ざんできる
- 機密情報を抽出される可能性
情シスの判断は正しかった。
AI活用を推進しつつ、リスクのある機能は慎重に制限する。
これが大企業の現実的な対応なのかもしれません。
だからこそ、安全な範囲で工夫する
- Slack AI機能:リスクがあるので使えない
- 手動でログをコピー→外部AIに投げる:ログの扱いは自己責任で制御可能
完全に安全とは言えませんが、少なくとも「知らないうちにAIが勝手に動く」リスクは避けられます。
課題:情報過多になると追えなくなる
突然こうなる時があります
- チャンネルが数時間で100メッセージ以上
- スレッドが枝分かれし、論点が交錯
- 「何が決まって何が保留か」が不明
急いで調整しないと!!という局面だけ、AI要約が必要になります。
実際の活用方法(超シンプル)
手順
- 議論が膨らんだ時だけ、関連Slackログを抽出
- AIに丸投げして以下の観点で要約依頼
- 決定事項
- 懸念点・リスク
- 技術的論点
- 次アクション
特徴
- 毎日やらない(忙しい時だけ)
- 自動化なし(手動・スポット利用)
- あくまで状況把握のショートカット
スポットAI要約が役立つ理由
PM/PMOに特に効果的:
- 議論の要点が30秒でわかる
- 大量のログでも突破口ができる
- 会議準備・報告が早くなる
- 横断的に動く際の情報過多対策
使っているプロンプト
以下のSlackログを読み、PM/PMO視点で要点をまとめてください。
決定事項
懸念点・リスク
技術的論点
次アクション
※ 不要な雑談や周辺情報は無視してください。
そのあと気になる点を確認していく。
限界と注意点
- AI要約は読み間違えることもある
- 毎日の定常運用には向かない
- 原文確認も必要
-
大事な判断は人間がやる
AIは「全部読む前の入口」を作るだけで、判断を代替するものではありません。
まとめ:理想と現実のギャップを埋める、地に足ついたAI活用
本記事で紹介した内容をまとめます。
環境
- 全社員にAIツール(Gemini)配布
- Slack AI機能はセキュリティポリシーで無効化
- 自動化エージェントは使えない
やったこと
- 月数回の「情報過多」時だけ、手動でログをAIに要約依頼
- 毎日やらない、自動化しない
- あくまで状況把握のショートカット
結果
- 忙しい日でも30秒で議論の要点を把握
- 会議準備・報告が格段に早くなった
- Slack情報過多の突破口として機能
この方法が向いている人
- PM/PMOなど横断的に動く役割
- 複数プロジェクトを抱えている
- Slack AI機能が使えない環境
- 「AI推進」と言われても何をすればいいかわからない
「完璧な自動化」を目指すのではなく、「今できる範囲で最大限の効果」を狙う。
制約があるからこそ、誰でも真似できるシンプルな方法になりました。
同じように「理想と現実のギャップ」に悩んでいる方の参考になれば幸いです。