本記事は連載 「非エンジニアでもわかる!AIと作るFX自動売買入門」 の導入記事です。
本連載では、プログラミング経験のない方でも、生成AIと OANDA API を組み合わせて自動売買の bot(プログラム)を構築できるようになることを目指していきます(bot とは、あらかじめ設定された処理を実行する自動プログラムのことです)。
「FXの自動売買は興味があるけれど、プログラミングのハードルが高くて諦めていた」という方は多いのではないでしょうか。
ですが、生成AIの登場により、その状況は大きく変わりました。AIに「こういう動きをする bot を作って」と日本語で頼むだけで、コードができ上がる時代になっています。
本連載では、生成AIを活用して、FXの自動売買 bot を一緒に作り上げていきます。本記事では、シリーズ全体を通して目指すゴール、使用する環境、使うツール(Claude Code と OANDA API)の概要をお伝えします。
本連載は OANDA の「REST API」を使う入門コースです。
MetaTrader 5(MT5)を使うエンジニア向けの解説は、別記事「コードを一行も書かずに、AIにMT5自動売買をぜんぶ作らせてみた」にまとめています。目的に合わせて選んでください。
このシリーズを読めばできるようになること
本シリーズを読み進めることで、次のようなスキルを身につけることを目指します。
- 自分のトレードルールを bot として自動化できる
- デモ環境で安全に検証してから、本番環境で稼働できる
- VPS(仮想サーバー)を使って、24時間自動で動かせる
- エラーやリスク対策を組み込み、安全に運用できる
すべて、プログラミングの知識ゼロからスタートして到達できる範囲です。
ひとつ大切な注意点があります。
本シリーズは「自動売買で必ず儲かる方法」を提供するものではありません。
提供するのは、ご自身のトレードルールを bot として実装し、検証・運用できる 仕組み です。ロジックそのものの良し悪しは、皆様ご自身のトレード経験に委ねられます。
この連載で使う環境
本連載で使う環境は次の通りです。
- OS:Mac(※Windowsでも OK)
- 生成AI:Claude Code
- 取引API:OANDA APIキー(デモ口座)
- VPS:24時間稼働させるための仮想サーバー
OSは本連載の標準として Mac を用いますが、Windows 環境でも問題ありません。Mac を前提とした画面イメージで説明しますが、Windows 環境への注釈も入れながら解説します。
なお、Claude Code と OANDA APIキー(デモ口座)の具体的な設定方法は、それぞれ Claude Code を設定する記事 と OANDA API を動かす記事 で詳しく解説しています。
このシリーズで学んでいくステップの全体像
連載のざっくりとした流れは下記を想定しています(生成AIを取り巻く環境の変化などにより、予定を変更する場合があります)。
- 準備編:必要なツールを整え、AIとのやり取りに慣れる
- 検証編:過去の為替データを使って、トレードルールをバックテストする
- 開発編:デモ環境で実際に発注プログラムを動かす
- 運用編:24時間稼働とリスク管理の仕組みを作る
各ステップは前のステップが完了していることを前提に進みます。連載が進むごとに少しずつ機能を追加していき、最終的には本番口座でリアルマネーを動かせる状態を目指します。
生成AIや自動売買に関する用語は、初学者でも分かりやすいように解説していきますのでご安心ください。
なぜ数ある生成AIから「Claude Code」を選んだか

コードを書けるAIツールが急増するなか、本連載では Claude Code を使います
2026年8月現在、生成AIは数多く存在します。ChatGPT、Gemini、Claude、Microsoft Copilot など、目にする機会が増えてきました。
その中で本連載は Claude(Claude Code) を選びました。理由は次の4つです。
理由1:コードを書く能力が高い
Claude Code は、特にプログラミングを得意としています。実際にコードを書く場面で、他のAIに比べて精度が高く、修正の指示にも的確に応じてくれる傾向があります。
「最初から動くコード」が返ってくる確率が高いことは、非エンジニアにとって非常に大きな安心材料です。
理由2:対話の流れを覚えてくれる
「こういう動きをする bot を作って」「ここをこう直して」と何度もやり取りする場面が多くなりますが、Claude Code は長い対話の文脈をきちんと覚えていてくれます。
これは「ちょっとずつ修正しながら作っていく」というスタイルに非常に合っています。
理由3:環境構築から実行まで、対話だけで完結する
Claude Code は、コードを書くだけでなく、必要なライブラリのインストールや、書いたコードの実行まで、まとめて対話でお願いできます。
これまで非エンジニアが自動売買 bot を作るときに一番のハードルだった「開発環境の準備」を、Claude Code がまとめて肩代わりしてくれます。日本語で「○○してください」と頼むだけで、必要な作業をすべて進めてくれます。
理由4:パソコン内のファイルを直接読み書きできる
Claude Code には、自分のパソコン内のフォルダにあるファイルを直接読み込んだり、新しいファイルを作成したりできる機能があります。
これにより、「bot のコードをファイルとして保存して、そのまま編集してもらう」「過去に作ったコードを参照しながら新しい機能を追加してもらう」といった流れがスムーズに進みます。
似た機能を持つAIツール(OpenAI の Codex など)もありますが、自分のパソコン内のファイルを直接読み書きできる点は Claude Code の大きな強みで、実際に bot を作っていく本連載のような場面で特に重宝します。
便利な反面、意図しないファイルがAIに読み込まれる、誤って大切なファイルが書き換えられるといったリスクもゼロではありません。
とはいえ、「AIに作業させるフォルダを限定する」「重要なファイルはバックアップを取る」「AIの提案した変更を確認してから保存する」 など、安全に使うコツがあります。本連載では、こうした考え方やテクニックも各回で随時お伝えしていきます。
なお、他の生成AIでも本シリーズの内容は実現可能です。すでに別のAIをご利用中であれば、それを使い続けていただいても構いません。ただし、本連載の画面イメージや指示の例は、すべて Claude Code を前提にしています。
Claude Codeとは
Claude Code は、アプリ上で動く対話型のAI開発ツールです。日本語で指示を出すと、それに応じた回答やコードを返してくれます。
さらに、コードを書くだけでなく、そのコードを実行したり、必要なライブラリをインストールしたりすることも、Claude Code が代わりに行ってくれます。
本連載で扱う「自動売買 bot」の文脈では、主に次のような形で活用していきます。
🧑 Claude Codeへの指示の例
「OANDAのAPIを使って、ドル円の現在のレートを取得する Python コードを書いて、実行してください。」

Claude Code に日本語で頼むと、環境の確認から準備まで対話形式で進めてくれます(画面はイメージです)
このように頼むと、Claude Code が実際に動くコードを書き、その場で実行して結果まで返してくれます。
実際の操作は、メッセージのやり取りに非常に近い感覚です。LINEで友人と会話するように「○○して」と頼むだけで、高い精度で対応してくれます。複雑なプログラミングの知識がなくても、対話を通じてコードを育てていけます。
Claude Code を利用するには、Anthropic 社のプラン契約が必要です。具体的な契約手順とインストール方法は、Claude Code を設定する記事 で解説しています。
OANDA APIとは
OANDA API は、OANDA証券が提供する、プログラム経由でFX取引を行うための仕組みです。
「API」は「Application Programming Interface」の略で、難しく感じるかもしれませんが、「プログラムから操作するための窓口」 と理解しておけば十分です。
通常、FX取引をするときは、OANDA証券のスマホアプリやパソコンの取引画面から、自分の手でボタンを押して注文します。一方、OANDA API を使うと、その操作を手の代わりにプログラムが行ってくれるようになります。
具体的に、API経由でできることは次の通りです。
- 現在のレートを取得する
- 過去のチャートデータを取得する
- 新しい注文を出す(成行・指値・逆指値など)
- 保有しているポジションを確認する
- ポジションを決済する
- 口座残高や損益を確認する
要するに、OANDA証券の画面で人間ができることのほぼすべてが、プログラムからも行えるようになります。
なお、OANDA API の技術的な使い方については、OANDA証券のサイトに過去の解説連載も公開されています。
こちらはプログラミング経験のある方を対象に、Python によるコード例を中心に解説したシリーズです。一方、本連載では生成AIを活用することで、プログラミング経験のない方でも実装できる形を目指します。両方を併せてご覧いただくと、OANDA API への理解がより深まるはずです。
OANDA APIキーの取得方法は、OANDA API を動かす記事 で詳しく解説しています。
なお、本連載の前半はすべてデモ口座を使って進めます。デモ口座とは、仮想のお金で取引できる練習用の口座のことで、操作ミスがあっても実際のお金が減る心配はありませんので、安心して練習できます。
Claude Code × OANDA APIで広がる可能性
Claude Code と OANDA API を組み合わせると、どんなことができるようになるのか。代表的な活用例を3つご紹介します。
1. 自分のトレードルールをそのまま自動化できる
「ローソク足が3本連続で陽線になったら買う」「移動平均線がクロスしたら売る」など、頭の中にあるルールを言葉で Claude Code に伝えると、そのルールを実行する bot ができ上がります。
「ルールはあるのに、実行する時間がない/手が動かない」という方も、bot に任せられるようになります。
2. 感情に左右されないトレードが実現できる
人間がトレードすると、損切りができなかったり、利益確定が早すぎたりと、感情の影響を受けることがあります。bot は決められたルール通りに淡々と動くため、感情によるブレを排除できます。
3. 24時間目を離していても動き続ける
VPS(仮想サーバー)で bot を稼働させると、自分のパソコンを閉じても24時間動き続けます。寝ている間も、出張中も、bot がトレードを続けてくれます。
まとめ
本記事では、連載で目指すゴールと、使用するツール(Claude Code と OANDA API)の概要をお伝えしました。ポイントを振り返ります。
- 本シリーズのゴールは「自分のトレードルールを bot として24時間稼働させる」こと
- 使うのは Mac(※Windows版の解説も併記)、Claude Code、OANDA APIキー
- Claude Code は「コードを書き、実行し、環境構築までしてくれる」対話型のAI開発ツール
- OANDA API は「プログラムからFX取引を操作できる」仕組み
- この2つを組み合わせれば、非エンジニアでも自動売買 bot が作れる
続いては、実際に Claude Code を設定して、動かせる状態にしていきます。
▶️ 次の記事:環境を整える① Claude Codeを設定しよう
本連載を通じて、皆様が自分だけの自動売買 bot を手に入れる手助けができれば幸いです。
免責事項
OANDA証券株式会社
第一種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第2137号/商品先物取引業者
加入協会:一般社団法人 金融先物取引業協会/日本証券業協会/日本商品先物取引協会
- 店頭外国為替証拠金取引(FX)、株価指数CFD取引及び商品CFD取引は、元本及び利益が保証されている金融商品ではありません。預託した証拠金の額に比べ大きい金額の取引ができるため、外国為替、株式、株価指数、商品、金利市場等の市場変動により、その損失額が預託された証拠金額を上回る可能性があります。
- 各取引に必要な証拠金は次の通りです。店頭外国為替証拠金取引に関しては、個人口座は取引金額の4%以上、法人口座は、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額と、当社が算出したリスク想定比率を用いた額のどちらか高い額以上(為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します)、株価指数CFD取引に関しては、個人口座・法人口座いずれも取引金額の10%以上、商品CFD取引に関しては、個人口座・法人口座いずれも取引金額の5%以上の証拠金が必要です。
- 口座管理費及び取引手数料は原則無料です。但し一部取引コースに関しては、取引にあたり手数料が発生することがあります。手数料の詳細については、該当するコースの取引説明書をご覧ください。
- 売付価格と買付価格には差(スプレッド)があり、相場急変動等によりスプレッド幅が拡大し、意図したお取引ができない可能性があります。
- お取引を始めるにあたっては取引説明書及び取引約款を熟読し、取引内容や仕組み、リスク等を十分にご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお取引くださるようお願い致します。
- 弊社企業情報は、弊社ホームページに開示しています。
- お客様相談窓口:0120-923-213/日本商品先物取引協会相談センター:03-3664-6243