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OpenStreetMapのオブジェクトにつけられるwikipediaタグですが、その他にも、wikidataというタグがあるのをご存知でしょうか?

wikidataは、wikipediaで与えられているメタデータを抜き出したもので、CC0で配布され、Linked OpenDataのデータベースとしても非常にひろく活用されているデータセットです。

今年は、WikidataのEditathonも開かれています。

2016年現在、このwikidataのタグを、OSMのオブジェクトに付与してゆこう、という活動が、Mapbox(特にインド・バンガルールのチーム)を中心に行われています。

wikidataタグの利点

wikidataタグの付与によっていくつか嬉しいことはあるのですが、個人的に一番大きいと思っているのがレンダリングを行う際の、多国語への翻訳が楽になる、ということです。

地物の翻訳について、いまOSMで行われている主流の手法は、オブジェクトに対して name:* タグを与えることです。
ですが、全てのオブジェクトに対して全ての言語の翻訳を1つ1つ与えるのが非常に困難であることは、いままで何度か、話題に上がってきました。

wikidataタグはその解決の手段の1つといえるもので、wikipedia上で与えられている記事リンクや翻訳の結果を、OSM上に自動的に読み出すことを可能とします。
これにより、OSMの多国語対応は飛躍的な進歩を遂げることができるのではないか?と言われています。

詳しくは、Planemad氏の日記に記事があります。

ここでは、MapboxのGithubで紹介されている作業フローを翻訳して紹介します。

いま上げられている対象はほとんど入力が終わっているようですが、まだこれから追加されるかもしれません。
その際のための手順、ということで (/・ω・)/


翻訳ここから

作業方法

ワークフロー

OSMにおける市町村(city and town)のうち、wikidataエントリと明確に名称が一致する地物について一覧表を作成しています。

  1. JOSMカラムにあるリンクをクリックしてください。wikidataタグが割り当てられるOSMの地物がJOSM上に表示されます。add selected tagsをクリックすると、wikidataタグが追加されます

wikidata.gif

  1. アップロード前の確認
  2. ケース1: 2つのデータの距離が0に近い場合
  • Wikidataのタイプ: City> Town> Commune> human settlement > Municipality
  • OSMとWikidataのアドレスが正しいかどうか、確認します
  • cityやtownの記述が正しいか確認します
  • ケース1A: マッチする候補が1つだけの場合、OSMデータにwikidataタグを追加します
  • ケース1B: 2つ以上の候補が存在する場合、Wikidata上にはその地物を対象とするエントリが重複して存在しています。例, OSMの地物ID 958710338; Wikidataエントリ: Q1993763, Q2001643
  1. ケース2: 2つのデータの距離が10km以上離れている場合
  • Wikidataのタイプ: City> Town> Commune> human settlement > Municipality
  • OSMとWikidataのアドレスが正しいかどうか、確認します
  • ケース2A: マッチする候補が1つだけの場合、Wikidataの位置が間違っていることを確認して、wikidataのIDをOSMに追加します
  1. ケース3: Wikidataに対応する地物が存在しない場合
  • Wikidataエントリに合致する地物があるかどうか、手動で確認を行ってください

変更セットのコメント: Adding Wikidata tag to Cities and Towns https://github.com/mapbox/mapping/issues/242
変更セットのsource: Wikidata

スプレッドシートのaddedカラムに以下を追加してください

  • yes: wikidataタグを追加した
  • manual: 手動で検索してwikidataタグを追加した
  • no: wikidataタグ未入力

参考資料

cc @mapbox/team-data

翻訳ここまで

変更にあたってあげられた問題点

この作業を行うにあたって、一度に大量のデータを、現地の知識なく更新したマッパーがおり、「機械的編集(mechanical edit)ではないか?」として、議論が行われました。

ここでいう「現地」とは、国家レベルくらいの感覚を意味しています。

具体的には、カナダやドイツのマッパーが、アフリカなど、その言語や状況を詳しく確認しないまま大量の編集を行ったことが問題にあがり、その編集はリバート(巻き戻し)されています。

議論が行われたGithubのissueは現在Freezeされていますが、OSM Forumでの議論はまだOpenしているようで、もしなにかあれば、こちらが窓口になるようです。

また、上記の状況はMapbox BLRチームのManing氏とも連絡をとっており、確認ができています。
日本語話者による対応が非常に期待されており、今後、2020年オリンピックにむけて多国語対応が求められるなか、非常に面白い試みであると感じています。

よかったらあなたも、wikidataタグを使ってみませんか?

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