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python×Cloud Functions×FirestoreでAPIを簡単に作ってみる Pt1

Last updated at Posted at 2019-07-03

概要

GCPのCloud Functionsを使って、FirebaseのFirestoreからデータを取得するAPIを作る機会があったのですが、非常に簡単に作れたのでその時やったことをまとめます。
(本当はCloud Functions for Firebaseを使いたかったのですが、慣れているpythonには未対応のため、GCPのCloud Functionsで作ってみることに。)

Pt1では、Firestoreのデータを取得するシンプルなAPIをGCPのコンソールから作成します。
Pt2以降では、ローカルからのテスト、デプロイの方法をまとめます。

開発環境・前提

  • 開発環境
    • MacOS
    • python3.7
    • pycharm
  • 前提知識
    • Firestoreをコンソールから作成済み
    • Cloud FunctionsのHello World関数を作ったことはある

※開発環境はPt2以降で使います。

プロジェクトの作成

FirebaseまたはGCPのコンソールから画面の指示に従うままに作成できます。
2つの連携について言えば、Firebaseのプロジェクトから先に作成した場合、GCPコンソールの「プロジェクトの選択>すべて」のタブからFirebaseで作成したプロジェクトを選択すれば、連携が完了です。

Firestoreのデータを取得する関数を書く

前提となるデータベースはこんな感じで、userコレクションからユーザ一覧を取得してみます。
FireShot Capture 001 - データ – Firestore – sample-project – Google Cloud Platform_ - console.cloud.google.com.png

肝心のソース。とりあえず、Cloud Functionsのコンソールから直接編集してみます。

import json
from google.cloud import firestore


def get_user(request):
    db = firestore.Client()

    docs = db.collection('user').get()
    users_list = []
    for doc in docs:
        users_list.append(doc.to_dict())
    return_json = json.dumps({"users": users_list}, ensure_ascii=False)

    return return_json
  • 簡単にソースを解説
    • 引数であるrequestはHTTPのパラメータ等を指定しますが、このソースでは使ってません。とりあえず全データ取ってきます
    • userコレクションから取得したdocsをforで回して、docのto_dict()メソッドでdictにしています。
    • json.dumpsでensure_ascii=Falseを指定しないと、日本語のデータが混ざったときにエスケープされた値が返されます。

デプロイ前の準備

Firestoreからデータを取得するためのパッケージであるgoogle-cloud-firestoreは、Cloud Functionsのデフォルトには含まれません。
そのため、「ソース>requirements.txt」タブから追記する必要があります。

# Function dependencies, for example:
# package>=version
google-cloud-firestore==1.2.0

Cloud Functionsであらかじめインストールされるパッケージは公式に載ってます。
Python での依存関係の指定 - あらかじめインストールされるパッケージ

デプロイ

Cloud Functionsのコンソールから「実行する関数」に関数名(get_user)を指定してデプロイします。リージョンは「us-central1」がデフォルトですが、詳細オプションから変更可能なので、気になる人は変えましょう。
少し待つとデプロイが完了して、関数が作成されます。
FireShot Capture 002 - Cloud Functions - sample-project - Google Cloud Platform_ - console.cloud.google.com.png

テスト

デプロイした関数をテストしてみます。コンソールからパラメータを指定せずに関数をテストしてみると、userコレクションのデータが取得できます。
FireShot Capture 003 - Cloud Functions - sample-project - Google Cloud Platform_ - console.cloud.google.com.png

また、「トリガー」タブからURIが確認できますので、curlでの確認も可能です。

$ curl https://<リージョン>-<プロジェクトID>.cloudfunctions.net/getUsers 
{"users": [{"gender": "female", "name": "Alice", "age": 19}, {"age": 21, "gender": "male", "name": "Bob"}]}

ひとまず、Firestoreからのデータ取得はできました。
ただ、これだとコレクションの全データを返してしまうので、引数であるrequestを使って取得するデータの条件を指定できるようにします。

パラメータの条件に一致するデータを取得する

前提として、関数の引数となるrequestは、FlaskのRequestオブジェクトです。
そのため、クラス変数やメソッドはFlaskの公式ドキュメントで確認できます。
Flask - API

例えば、request.methodと書けばGETやPOSTが文字列として取得できるので、条件分岐に使うことも可能です。

APIでリクエストされたパラメータもこのオブジェクトから取得します。
というわけで早速ソースです。

import json
from google.cloud import firestore


def get_filtered_user(request):
    # リクエスト本文からjsonを取得
    request_json = request.get_json()
    # クエリ文字列を取得
    if request.args and 'name' in request.args:
        request_name = request.args.get('name')
    # jsonから条件を取得
    elif request_json and 'name' in request_json:
        request_name = request_json['name']
    else:
        request_name = ''

    db = firestore.Client()

    # whereでdocument内の条件に一致するデータを取得
    query = db.collection('user').where('name', '==', request_name)
    docs = query.get()
    users_list = []
    for doc in docs:
        users_list.append(doc.to_dict())
    return_json = json.dumps({"users": users_list}, ensure_ascii=False)

    return return_json
  • コメントが入ってるところが主なソースの修正箇所です。
    • オブジェクトからパラメータを取得
    • リクエストされた内容をwhereで条件にしてFirestoreにアクセス
  • where name = "リクエストされた名前"の条件に一致するdocumentをリターンします。

新しい関数としてこのソースをデプロイした後、テストしてみます。

コンソールとcurlでテスト

  • コンソールから条件を設定してのテスト

    • name="Alice"に一致するデータが返ってきます。 FireShot Capture 005 - Cloud Functions - sample-project - Google Cloud Platform_ - console.cloud.google.com.png
  • curlでのテスト

    • GET/POSTのいずれでも、name="Bob"に一致するデータが返ってきます。
GET(クエリ文字列)
$ curl https://<リージョン>-<プロジェクトID>.cloudfunctions.net/getFilteredUser?name=Bob
{"users": [{"age": 21, "name": "Bob", "gender": "male"}]}
POST(json)
$ curl -X POST -H "Content-Type: application/json" -d '{"name": "Bob"}' https://<リージョン>-<プロジェクトID>.cloudfunctions.net/getFilteredUser 
{"users": [{"age": 21, "gender": "male", "name": "Bob"}]}

テストとデプロイ方法の改善(次回)

Cloud FuctionsとFirestoreを使った簡単なAPIはできました。
とはいえ、いちいちコンソールからデプロイして動作確認するのは非常に面倒です。
なので、ローカルで気軽にテストしたり、ローカルからデプロイしたりを、Pt2以降では試してみます。

ところで、APIを公開で作成した場合、URIを知っていれば誰からでもアクセス可能なので、気になる人はデプロイした関数を消しておきましょう。

参考文献

以下の記事を参考にさせていただきました。
Google Cloud FunctionsでPythonを利用してみた(Beta利用)
Cloud FirestoreのデータをPythonで取得する

余談

ここまで書いてなんですが、モバイルアプリではCloud Functions for Firebaseを使ったほうが便利とも公式で書かれています。(使いたかったのはこれが理由...)
Javascriptが得意な方はこちらを使った方が良いかもしれません。
Google Cloud Functions と Firebase

とはいえ、pythonしか書けない人なので、引き続きGCPで実装していきます。

その他、コメントや指摘などいただけると幸いです。

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