空集合は部分集合
数学の本を読んでいて、気になった。
集合 A が 集合 B の部分集合であるとは、 A の任意の要素 $x$ が B の要素となっていることである。
空集合 $\varnothing$ は、任意の集合の部分集合である。
えっ ちょっとまって。どうやって証明するの? そもそも 空集合 $\varnothing$ には要素がないじゃん!
空虚な真
gemini に聞いて、証明をまとめてみる。
(命題)
空集合 $\varnothing$ は、任意の集合 $A$ の部分集合である。
(証明例)
空集合 $\varnothing$ が、集合 $A$ の部分集合ではないような集合 $A$ が存在するとすると、空集合 $\varnothing$ の要素 $x$ のうち、集合 $A$ に含まれないものがある。しかし、空集合 $\varnothing$ には要素がないため、そのような要素 $x$ は存在しない。(反証が存在しない)
よって、「空集合 $\varnothing$ が、集合 $A$ の部分集合ではない」は矛盾する。(証明終わり)
また、「空虚な真」という考え方があるそうで、前提となる条件が偽である場合、その命題は真となるそうである。
(空虚な真を用いた証明例)
空集合 $\varnothing$ が任意の集合 $A$ の部分集合であるためには、空集合 $\varnothing$ の任意の要素 $x$ が、集合 $A$ の要素である必要がある。ところが、[空集合 $\varnothing$ の任意の要素 $x$] が存在しない。偽である。よって「空集合 $\varnothing$ が任意の集合 $A$ の部分集合である」は真である。
geminiによれば、以下のような論理学のルールがあるとのこと。
- 条件文「 $P \implies Q$ 」( $P$ ならば $Q$ )は、前提 $P$ が偽(False)であるとき、結論 $Q$ の真偽にかかわらず条件文全体として「真(True)」になる
反証による証明もなかなかいい感じ。ふむふむ。
宇宙生命体はヒト型?
そこでふと考えた。存在しないものを空虚な真ということで命題が真となるなら、
「宇宙生命体はヒト型である」
は真となるはず。宇宙生命体、という集合は(今のところ)空だし。gemini にも確認。同様に
「宇宙生命体はヒト型である」
「宇宙生命体はタコ型である」
「宇宙生命体は透明である」
は全て真となる。
Claude にも確認する。ところが、それは真偽判定不能、と切り捨てる。
gemini にも深く確認する。
数学の論理学では、「宇宙生命体という集合は空集合である」が確定しているとして、この命題に空虚な真を適用して真と判定する。
言語哲学、認識論の立場では(と gemini が言っている)、宇宙生命体が存在するかそもそも確定していない、「前提違反である」となるらしい。だからこの命題の真偽を問うのは無意味である、と。なるほどなるほど。
まあでも、反証が存在しないのでそれは正しい、は数学としてはわかりやすい。そうでなくては。