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KDDIテクノロジーで準備中のAIグラスのSDKを触ってみた

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Last updated at Posted at 2025-12-25

こちらはまだ発売前の製品の情報のため、今後不正確なものとなる可能性があります。あらかじめご了承ください。

はじめに

近年、AIグラス(スマートグラス) は単なる「ウェアラブルカメラ」から、
スマートフォンと連携する常時装着型インターフェースへと進化しつつあります。

今回、KDDIテクノロジーが技術適合を取得するなど今後の展開を準備している Skyworth製 AIグラス 向けに提供されている公式SDK(Android / iOS) を調査する機会がありました。

グラス.jpg

本記事では、SDKドキュメントをベースに、

  • このAIグラスSDKで 実際に何ができるのか
  • Android版 / iOS版SDKの違い
  • このSDKを使うと どんなアプリ設計が現実的か
  • 技術者目線での 良い点・気になる点

を整理します。

※ AIグラスおよびSDKは現在まだ限られたパートナー様向けに試験的にご提供をしている段階です。


このAIグラスSDKの立ち位置

まず大前提として、このSDKは

スマートフォンアプリからAIグラス本体を制御・管理するためのSDK

です。

  • グラス単体でアプリが動くわけではありません
  • AI推論やLLMは 基本的にスマホ or クラウド側の処理 です

SDKの役割は、
BLE / Wi-Fi を介してグラスを安全に・安定して制御すること にフォーカスされています。


このAIグラスSDKでできること

1. グラス本体との接続・デバイス管理

Android / iOS 共通で、以下のような デバイス管理系API が提供されています。

  • BLEによるスキャン / 接続 / 切断
  • Bluetooth状態監視、再接続制御
  • バッテリー残量・充電状態取得
  • ハードウェア / ファームウェア / Wi-Fiモジュールのバージョン取得

特に 常時装着・低消費電力デバイスを前提とした設計 になっており、
接続状態や電源管理をアプリ側で把握できる点は実用的です。


2. 撮影・録画・音声収録の制御

SDKから、グラスの基本操作を アプリ側から直接制御 できます。

  • 写真撮影(通常 / AIトリガー)
  • 動画録画の開始・停止
  • 音声録音の開始・停止
  • 現在の動作モード取得
    (撮影中 / 転送中 / OTA / AI会話中 など)

ここで重要なのは、

SDKは「撮影そのもの」を担うが、「解析や理解」は担わない

という点です。

画像や音声は取得できますが、
それをどうAIで解釈するかは アプリ設計次第 になります。


3. AI連携まわり(誤解しやすいポイント)

SDKには以下のような AI関連の制御・状態通知 が存在します。

  • AI画像認識トリガー(撮影指示)
  • 認識結果サムネイルの取得
  • 音声認識 / 翻訳の開始・停止
  • AI発話状態の通知
    (Thinking / Speaking / Hold / No Network など)

ただしここは 誤解しやすいポイント で、

  • グラス単体で高度なAI推論を行うSDKではない
  • 実際の認識・翻訳ロジックは 外部(スマホ / クラウド)前提

です。

SDKはあくまで 「AI体験の状態遷移を制御・同期するためのインターフェース」
と理解するのが正確です。


4. メディア転送(BLE + Wi-Fiの役割分担)

このSDKはデータ転送の設計が比較的きれいです。

  • BLE:制御・状態通知
  • Wi-Fi:写真 / 動画 / 音声の大容量転送

提供されている機能:

  • 未同期メディア数の取得
  • Wi-Fi経由での一括転送
  • 転送進捗・速度・完了通知
  • 音声録音データのPCM変換完了通知

「BLEで動画を吸い上げる」ような無理はしておらず、
実運用を意識した構成だと感じました。


5. デバイス設定・OTA更新

運用系のAPIも一通り揃っています。

  • 時刻同期
  • 音量制御(音楽 / 通話 / システム)
  • 装着検知(Wearing Detection)ON / OFF
  • 音声ウェイクアップ設定
  • OTA / DFU によるファームウェア更新

特に OTA / DFU が正式にSDKに含まれている 点は、
量産・販売後の運用を強く意識している印象です。


Android版とiOS版SDKの違い

共通点

  • BLE中心の接続モデル
  • グラスの「動作モード」という概念
  • 撮影・録画・音声・メディア転送・OTAの機能範囲

「できること」自体はほぼ同じです。


Android版SDKの特徴

  • Android 5.0以上 / Bluetooth 4.0以上対応
  • Kotlin / Java
  • BLE操作・データ処理がやや低レイヤー
  • 権限管理(Bluetooth / Storage / Wi-Fi)が複雑

👉 自由度は高いが、実装負荷はやや高め。


iOS版SDKの特徴

  • iOS 13以上対応
  • CoreBluetooth準拠
  • コマンドが整理されている
  • 初期設定(Info.plist / -ObjC)が必須

👉 APIが整理されており、実装は比較的素直。


このSDKで現実的に作れそうなアプリ例

1. AIアシスタント連携アプリ

  • グラスで撮影 / 音声取得
  • スマホ側でAI推論(LLM / Vision API)
  • 音声で結果をフィードバック

「グラスは入力、処理はスマホ」 という王道構成です。
実際にXR Kaigi 2025のKDDIテクノロジーのブースでは、スマホで完結するSLM(Small Language Model) を動かすデモを作って展示させていただきました。

参考:
KDDIテクノロジー 国内最大級のXR・メタバースカンファレンス「XR Kaigi 2025」に出展


2. 業務支援・現場作業向けアプリ

  • 点検時の自動撮影
  • 音声メモの記録
  • 撮影データのクラウド即時連携

KDDIテクノロジーでは遠隔支援ソリューション VistaFinder MX を扱うなど、この分野に注目しています。
ハンズフリー撮影が活きる分野ですね。


3. ライフログ・記録支援アプリ

  • 日常の自動記録
  • イベントトリガー撮影
  • 後処理はスマホ or クラウド

Vlog用途としても面白く使えると考えています。


開発者視点での所感

良かった点

  • 商用前提で必要な機能が一通り揃っている
  • BLE / Wi-Fi の役割分担が明確
  • Android / iOS で思想が揃っている
  • OTA含め運用を意識した構成

気になった点(正直レビュー)

  • 現状のドキュメントはやや不親切感がある
  • 状態遷移やエラーは 実機検証必須
  • AI機能は「できそう」に見えるが 設計責任はアプリ側

現在、安定性なども含めて調査中です。


まとめ

このAIグラスSDKは、

  • グラスをAI入力デバイスとして使うためのSDK
  • 撮影・音声・転送・運用に強い
  • 過度な魔法はないが、現実的

という印象でした。

AIグラスを「未来ガジェット」ではなく 「実装できるプロダクト」 として扱いたい開発者にとって、

ちゃんと作れるSDK

だと思います。

LLM連携や業務用途と組み合わせると、かなり面白いプロダクトが作れそうです。

今後皆様の前にどんな形でお届けできるかわかりませんが、粛々を準備をしてまいります。
ご期待ください!

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