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Databricks Query history システムテーブル を触ってみる

Last updated at Posted at 2024-08-04

はじめに

株式会社NTTデータ デジタルサクセスソリューション事業部nttd-saitouyun です。

Databricks のリリースノートを振り返っていたところ、2024年7月に、何やらシステムテーブルがたくさんリリースされていました。今回は Query history システムテーブル を触ってみます。

image.png

他のテーブルについてはこちらです。

アップデート内容

アップデートは以下でした。

Query history system table is now available (Public Preview)
[July 16, 2024]
Databricks system tables now include a query history table. This table logs detailed records of each query run on a SQL warehouse in your account. To access the table, admins must enable the new query system schema. See Query history system table reference.

SQLウェアハウスで実行されたクエリの詳細が記録されるシステムテーブルがリリースされています。サーバレスSQLウェアハウスの利用が増加しているのでありがたい機能です!

Query history システムテーブル(system.query.history)

テーブルの詳細は以下のページにまとまっています。

実テーブルのイメージは以下の通りです。34カラムもあり情報盛りだくさんです。

image.png

image.png

image.png

image.png

image.png

image.png

以下のような情報を得られます。誰が、いつ、どこで、なんのツールからどのようなクエリを実行したかがわかるだけではなく、カラムの後半にはチューニングに役立つ情報(クエリ履歴から見られる情報)も載っています。

情報 カラム
誰が executed_by / executed_by_user_id
どこで(どのワークスペースで) workspace_id
どこで(どのクラスタで) compute
どこで(どのツールから) client_application / client_driver
いつ start_time / end_time
何を statement_text

クエリ履歴と違いログインしているワークスペース以外の情報も確認できるため、Databricks アカウント全体でクエリの情報を確認できます

様々なデータパイプラインを管理するデータスチュワードやコスト最適化をしたいシステム管理者にうれしい機能ですね。

利用上の注意点

  • タイムゾーン
    日付カラムのタイムゾーンは UTC なので、JST として表示するためには、+9 時間を忘れないようにしましょう。

  • データの保持期間
    データの保持期間は90日です。有用な情報なので保存しておきたいのであれば、パイプラインを作ってアーカイブしておきましょう。

クエリプロファイルを表示する

クエリをチューニングするときに、クエリプロファイルを見たくなると思います。Query history テーブルでチューニングしたいクエリを特定した後に、クエリプロファイルを見る方法を解説します。

image.png

クエリ履歴は同じワークスペースのものしか見られないため、該当のワークスペースにログインし直す必要があります。Databricks ワークスペースのURLに含まれる「o=」以下の文字列がワークスペース IDです。

同じワークスペースであることを確認したら、statement_id の値をコピーします。
左のメニューにある「クエリー履歴」を開きます。

image.png

ステートメントIDにコピーした値を貼り付けます。

デフォルトで直近7日間のフィルターがかかっているため、クエリが表示されない場合はフィルタの期間を伸ばします。

Query History システムテーブルにも載っていた情報が表示されていますね。(こちらはタイムゾーンが JST で表示されています。)

「クエリプロファイルを表示」をクリックすればプロファイルを開くことができます。

Query history システムテーブル を触ってみる

それでは、Query history システムテーブルを使って色々な情報を見てみます。

まずはワークスペースごとにクエリの数を見てみます。

SELECT 
  workspace_id, 
  count(*) AS number_of_queries 
FROM system.query.history 
GROUP BY workspace_id;

image.png


次にワークスペースごとのクエリ数の遷移を見てみます。

SELECT 
  workspace_id, 
  MONTH(start_time) AS month, 
  COUNT(*) 
FROM system.query.history 
WHERE workspace_id = "<ワークスペースID>"
GROUP BY workspace_id, MONTH(start_time) 
ORDER BY workspace_id, month;

image.png


続いて、ユーザ別にクエリの実行数を見てみます。

SELECT 
  executed_by, 
  count(*) 
FROM system.query.history 
GROUP BY executed_by ORDER BY count(*) DESC;

各ワークスペースで実行されているクエリの種類(CREATE、INSERT、・・・)の割合を表示してみます。

SELECT 
  workspace_id, 
  statement_type, 
  count(*) 
FROM system.query.history 
GROUP BY statement_type, workspace_id;

image.png

SELECT(緑)、DESCRIBE(水色)が多いです。ワークスペースCはEXPLAINが多いのでクエリのチューニングをしていそうですね。データの利活用が進んでいるワークスペースとそうでないワークスペースでどのような特徴があるか見比べてみるのも面白そうです。


SQLウェアハウスがどのツールで利用されているのか見てみます。

SELECT 
  workspace_id, 
  client_driver, 
  client_application, 
  count(*) 
FROM system.query.history 
GROUP BY client_driver, client_application, workspace_id;

Tableau などの外部ツールからの接続もわかります。Databricks 内でもSQL、ノートブック、Genieなど分類されています。利用状況の把握に役立ちそうです。


実行時間の長いクエリを特定してみます。

SELECT 
  statement_type, 
  statement_text, 
  executed_by, 
  total_duration_ms 
FROM system.query.history
ORDER BY total_duration_ms DESC;

image.png

パフォーマンスチューニングのヒントになりそうですね。

Query history システムテーブル の情報を提供する

かなり有用なテーブルですが、デフォルトでは管理者のみがアクセスできます。そのため、一般ユーザへデータを共有する場合は、ユーザごと・グループごとに動的ビューを作成することが推奨されています。

自分のクエリのみを表示するビューの作成します。

CREATE VIEW main.default.filtered_query_history AS
SELECT
  *
FROM system.query.history
WHERE
  CASE
    WHEN current_user() == executed_by THEN TRUE
    ELSE FALSE
  END;

以下の通り、自分が実行したクエリーのみを表示することができました。

image.png

おわりに

Query history テーブル とその使い方についてみてきました。

ワークスペース横断でクエリに対する様々な情報を確認することができ、活用のしがいがあるテーブルだなと思いました。ぜひダッシュボードを作ってユーザの利用状況を可視化しましょう!

データの利活用は継続的な活用促進が必要となります。本書がその一助になれば幸いです。

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